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高温疲労損傷領域の非破壊検出方法

国内特許コード P06A008489
整理番号 11346
掲載日 2006年5月19日
出願番号 特願2004-243695
公開番号 特開2006-064390
登録番号 特許第3889016号
出願日 平成16年8月24日(2004.8.24)
公開日 平成18年3月9日(2006.3.9)
登録日 平成18年12月8日(2006.12.8)
発明者
  • ▲高▼屋 茂
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 高温疲労損傷領域の非破壊検出方法
発明の概要

【課題】 高温環境下における疲労によって、亀裂が発生する以前に、その疲労損傷集中領域を、予め劣化量と評価パラメータの相関関係についてのデータベースを作成することなく、非破壊で検出する。
【解決手段】 (a)被検体(450℃~800℃の高温環境下で疲労損傷を受けているオーステナイト系ステンレス鋼)を室温以下まで冷却するステップ、(b)残留磁化を取り除く消磁ステップ、(c)外部磁場を印加する着磁ステップ、(d)磁気特性を測定するステップを具備し、(a)~(d)を異なる複数の時点で繰り返す。得られた測定結果から、磁気特性の時間的差分の分布を求めることにより、あるいは磁気特性が単調に変化し続ける領域を求めることにより、疲労損傷集中領域を特定する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


高速増殖炉をはじめとする多くのプラントで、経済性の向上を目的として設備の長寿命化が検討されている。しかし、安全性との両立を図るためには、構造材料の劣化損傷の程度を亀裂発生の前段階において精度よく評価できる診断手法の開発が求められている。特に、原子力プラントなどでは、高温での疲労損傷の適切な評価が重要である。



従来、材料の非破壊検査手法としては、X線や超音波を利用した様々な探傷法が開発されているが、それらはいずれも既に発生した亀裂の位置や寸法を推定する方法であり、亀裂発生以後の劣化診断を対象としている。



それに対して、磁気的手法によるオーステナイト系ステンレス鋼の亀裂発生前疲労損傷度の評価手法が、これまでにいくつか提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、それらの多くは、室温環境下における加工誘起マルテンサイト変態による磁気特性変化を利用したもので、450℃~800℃程度の高温環境下での疲労損傷は対象としていない。他方、被検体をキュリー点以下に維持した状態で磁気特性を測定することにより、クリープ劣化状態及び高温環境疲労による損傷度を評価する方法も提案されているが(特許文献2参照)、オーステナイト系ステンレス鋼の場合、冷却によってもマルテンサイト変態が生じるため、過度の冷却を必要とするこの方法も、高温疲労損傷領域の非破壊検出には適用することが出来ない。このように従来技術においては、450℃~800℃程度の高温環境下における疲労によって、亀裂が発生する以前に、その疲労損傷集中領域を非破壊・非接触で検出することは困難であった。



更に、上記従来の手法は劣化評価を行うためには、予め同材料、同条件で試験を行うことにより、劣化量と磁気特性の相関関係をデータベースとして作成する必要がある。しかしながら、実プラントでは、温度、応力等の異なる様々な環境が存在し、その全ての場合について、データベースを作成することは現実的に不可能である。そこで、データベースなしで疲労損傷集中部を特定可能な手法の開発が強く望まれている。

【特許文献1】特開平6-308092号公報

【特許文献2】特開2001-141700号公報

産業上の利用分野


本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼が、450℃~800℃の高温環境下における疲労損傷によって亀裂を発生する前に、その疲労損傷集中領域を非破壊・非接触で検出する方法に関するものである。更に詳しく述べると本発明は、疲労損傷の進行に伴う磁気特性の経時的変化を利用することにより、予め劣化量と評価パラメータの相関関係についてのデータベースを作成しなくても、高温疲労損傷領域を非破壊で検出できる方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
(a)被検体である450℃~800℃の高温環境下で疲労損傷を受けているオーステナイト系ステンレス鋼を、室温以下で且つ疲労損傷を受けていない同一材料が温度のみでマルテンサイト変態を開始する温度よりも高い温度まで冷却する冷却ステップ、
(b)交流磁場を印加して残留磁化を取り除く消磁ステップ、
(c)外部磁場を印加する着磁ステップ、
(d)磁気特性を測定する測定ステップ、
を具備し、上記(a)~(d)までを異なる複数の時点で繰り返し、得られた測定結果から磁気特性の時間的差分の分布を求めることにより、疲労損傷集中領域を特定することを特徴とする高温疲労損傷領域の非破壊検出方法。

【請求項2】
(a)被検体である450℃~800℃の高温環境下で疲労損傷を受けているオーステナイト系ステンレス鋼を、室温以下で且つ疲労損傷を受けていない同一材料が温度のみでマルテンサイト変態を開始する温度よりも高い温度まで冷却する冷却ステップ、
(b)交流磁場を印加して残留磁化を取り除く消磁ステップ、
(c)外部磁場を印加する着磁ステップ、
(d)磁気特性を測定する測定ステップ、
を具備し、上記(a)~(d)までを異なる複数の時点で繰り返し、得られた測定結果から磁気特性が単調に変化し続ける領域を求めることにより、疲労損傷集中領域を特定することを特徴とする高温疲労損傷領域の非破壊検出方法。

【請求項3】
測定する磁気特性が、残留磁束密度、飽和磁束密度、初期磁化率、保磁力、残留磁化、飽和磁化のいずれか1種以上である請求項1又は2記載の高温疲労損傷領域の非破壊検出方法。

【請求項4】
被検体が、オーステナイト系ステンレス鋼の表面に非磁性の保護被膜を有するものである請求項1乃至3のいずれかに記載の高温疲労損傷領域の非破壊検出方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004243695thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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