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放射線検出器用圧力容器システム

国内特許コード P06A008889
整理番号 6221
掲載日 2006年6月8日
出願番号 特願2003-289734
公開番号 特開2005-061892
登録番号 特許第4314373号
出願日 平成15年8月8日(2003.8.8)
公開日 平成17年3月10日(2005.3.10)
登録日 平成21年5月29日(2009.5.29)
発明者
  • 山岸 秀志
出願人
  • 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明の名称 放射線検出器用圧力容器システム
発明の概要

【課題】 従来の抵抗減衰方式位置検出型放射線センサーでは放射線の検出位置情報を得るため、放射線センサー素子の検出ワイヤ数またはストリップ数に対応した多数個の直列抵抗列を通して、センサー素子から出力される極めて微小な信号パルスを減衰させて出力する必要がありS/Nの低下が避けられないこと、さらに、パルス波高値変動を少なくするためにセンサー素子から出力される微小電流パルスをアンプ回路により数マイクロ秒の時定数で十分な積分をする必要がある結果、信号パルス幅が広がり、高速の計測、即ち広いダイナミックレンジの実現などに課題があった。
【解決手段】 電離ガスを用いた圧力容器を必要とする多次元位置検出型放射線検出器において、装着された多次元放射線検出素子から数10チャンネル以上の多チャンネルで出力される微小且つ高速電気信号パルスを個別に減衰及び遅延無く、圧力バウンダリーを介してダイレクトに多チャンネルアンプ基板に伝送する構造を有した放射線検出器用圧力容器システムを提供する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


エックス線または中性子を計測するためのガスコンバータを用いたイメージングセンサーでは、通常、それらから得られる一次エネルギーが3×10-15クーロン[C]以下と極めて微少であるが、位置検出分解能を上げるため一次元位置検出型放射線検出器では1[cm]の単位長当たり10チャンネル以上、二次元位置検出型放射線検出器では1[cm2]の単位面積当たり20チャンネル以上のそれぞれの微小出力信号が有する位置情報精度を低下させることなく増幅、処理することが要求される。従来の多次元位置検出型放射線検出器としては、次のものがある。



(1)直径20[μm]程度の極めて細い金属線を数ミリメートル間隔に張り、それぞれの信号線出力をX軸信号とした一次元マルチワイヤ比例計数管(MWPC)型放射線センサー素子、または上記の金属線に直交する方向に信号線を張ってそれらの信号出力をY軸信号とした構造の二次元マルチワイヤ比例計数管(MWPC)型放射線センサー素子において、これらのセンサーのX軸信号またはX及びY軸信号の両方について、圧力容器内に並べて張られた信号線の片端で、それぞれの信号線と信号線間に同じ値の大きな電気抵抗を接続し、それら多数並べられた直列抵抗列の両端からの二信号のパルス波高値の減衰量が信号の発生した位置から出力間までの距離に比例する原理を用い、二信号を同軸型のフィードスルーを介して圧力容器外に導出して計測する抵抗減衰方式位置検出型放射線センサー。



(2)上記の抵抗減衰方式位置検出型放射線センサーにおいて信号線と信号線間に接続された同じ値の大きな電気抵抗の替わりに、信号パルスの伝播を時間的に遅らせる働きをするパルス遅延素子を配置して、それら多数並べられた遅延素子列の両端からの二信号パルスの遅延時間差が信号の発生した位置から出力間までの距離に比例する原理を用い、二信号を同軸型のフィードスルーを介して圧力容器外に導出して計測するパルス遅延方式位置検出型放射線センサー



上記の抵抗減衰方式位置検出型放射線センサー及びパルス遅延方式位置検出型放射線センサーではMWPC型放射線センサーを用いた場合の例であるが、MWPC型放射線センサー素子を、マイクロストリップガスカウンタ(MSGC)型放射線センサー素子又はマイクロピクセルガスカウンター(MPGC)型放射線センサー素子などに置換えた二次元位置検出型放射線センサーなどがある。



マイクロストリップガスカウンタ(MSGC)型放射線センサー素子とは、絶縁基板表面上に幅10[μm]程度の陽極ストリップを、そして両脇に50[μm]程度の絶縁ギャップを介して陽極ストリップを挟む形で幅100[μm]程度の陰極ストリップを配置した電極対を多数並べ、裏面には陽極ストリップと直交する方向に表面の陽電極と同じピッチで陰極ストリップと同等幅のバックストリップを配置して、それぞれの陽極ストリップ出力をX軸信号として、それぞれのバックストリップの出力をY軸信号とした構造のものである。



又、マイクロピクセルガスカウンター(MPGC)型放射線センサー素子とは、絶縁基板裏面に多数本の陽電極線を数100[μm]間隔で配置し、それそれの陽電極の長さ方向に陽電極線と接する絶縁基板部分に数100[μm]間隔で絶縁基板を貫通する直径50[μm]以下の円柱状の金属製スタッドピンを成形し、表面のスタッドピンの真上に陽電極線と直交する方向に陰電極線を配置して、その陰電極線とスタッドピンが重なる部分にスタッドピンと同心で幅100[μm]程度のドーナツ状絶縁ギャップを設け、それぞれの陽電極線出力をX軸信号、それぞれの陰電極線出力をY軸信号とした構造のものである。



又、本発明の背景技術には、更に次のものものがある。
(1) MWPC原理に基づいた二次元位置検出型検出器が中性子小角散乱実験装置のために製作された。その検出器の有感面積は640x640mm2である。中性子検出効率と高位置分解能の性能を得るため、そして視差を最小にするため、混合ガスは190kPa 3He + 100kPa CF4にし、そして有感体積を30mm厚さにした。検出器の最大中性子計数率の設計は105イベント/秒である。計算上の中性子検出効率は2Åの中性子で60%であり、そしてアノードグリッドにおける測定された中性子エネルギー分解能は代表的で20%(半値幅)であった。有感面で検出された中性子の位置は、ワイヤ対ワイヤ法(高い分解能の5x5mm2はワイヤ座標によって定義された)を使って決定された。16チャンネルの電荷型前置増幅器/増幅器/コンパレーターモジュールは、チャンネル感度が0.1V/fC、ノイズラインの幅が0.4fCそしてチャンネル間クロストークが5%以下の性能を持ったものが開発された(非特許文献1)。



(2) 我々はマイクロチップ モジュール(MCM)技術を用いて、検出面積5cm x 5cmの二次元マイクロストリップ ガス チェンバ(MSGC)を開発した。それは17mmの薄い素子基板、200 mmのピッチの254アノードと255バックストリップを有している。MSGCは、500ピン以上を持った大きなピングリッドアレイ(PGA)パッケージにマウントされている。それは読出し電子回路と組み合わされたイメージングMSGCからの大量の信号を容易に接続することを可能にする。本誌において、我々は強烈なX線線源の近くで作動するX線イメージング検出器としてのMSGCの能力について報告する。高輝度X線の下での安定な作動を得るために、約20mm素子基板と約1015W/squareの表面抵抗が解決策であることがわかった。表面抵抗の制御はポリイミド素子基板の表面に有機チタンをコーティングすることで行った。この改善により、MSGCが107Hz/mm2の高計数率の下で約103秒間安定に作動した。また、MSGCはX線発生器からの中程度輝度のX線の下で数ヶ月間作動した。この測定において、ヒットした電極の位置を記録するだけのシンプルな読取り法を用い、約60mmRMS位置分解能を有した高品質デジタルX線イメージングを達成した(非特許文献2)。



(3) X線、ガンマ線及び荷電粒子のイメージングのために、斬新なガスを用いた検出器Micro Pixel Chamber(mu-PIC)が開発された。そのmu-PICは、大面積検出器が容易に生産できる両面プリント回路基板を基本にして製作される。0.4mmピッチ、3cmx3cm面積の mu-PICを用いた作動テストは成功裡に行われた。ガスゲインと安定性はこのテストで測定された。103のガスゲインにおける5日間の連続作動テストで、アノードとカソード間放電はおろかゲインの減少さえなかった。また、107cps/mm2の輝度のX線照射までゲインの低下は観測されなかった(非特許文献3)。

【非特許文献1】著者:Knott,-R.B.; Watt,-G.; Boldeman,-J.W.; Smith,-G.C.; et al.題名:A large 2D PSD for thermal neutron detector.発行所(書名):Nuclear-Instruments-and-Methods-in-Physics-Research.-SectionA,-Accelerators,Spectrometers.発行日:(21 Jun 1997). 該当頁:v.392(1-3). P.62-67

【非特許文献2】著者:Toru Tanimori; Atsuhiko Ochi; Seiji Minami, Tomofumi Naga.題名:Development of an imaging microstrip gas chamber with a 5cm x tcm area based on multi-chip module technology. 発行所(書名):Nuclear-Instruments-and-Methods-in-Physics-Research.-Section-A 381 (1996).受理日:(6 May 1996). 該当頁: P.280-288

【非特許文献3】著者:Ochi Atsuhiko; Nagayoshi Tsutomu; Koishi Satoshi, Tanimori,-Toru; et al.題名:Development of micro pixel chamber.Nuclear-Instruments-and-Methods-in-Physics-Research.-Section-A,-Accelerators,-Spectrometers,-Detectors-and-Associated-Equipment (1 Feb 2002) v. 478(1-2)発行日:(1 Feb 2002). 該当頁: p. 196-199

産業上の利用分野


本発明は、例えば、エックス線または中性子散乱を用いた物質の構造解析実験において、高速応答性能、広い計測レンジ及び高位置検出分解能が要求されるエックス線、カンマ線及び中性子インメージングなどの放射線計測に用いられる一次元あるいは二次元放射線検出器用圧力容器システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
大気圧を上回る高圧または大気圧を下回る低圧の放射線検出用電離ガスを用いた一次元または二次元の位置情報を与える20チャンネル以上の多チャンネル信号出力を有する多次元位置検出型放射線検出器において、電離ガスを封入する一個以上の入力ポートを有した円筒形または箱型圧力容器の圧力バウンダリーを形成する少なくとも一箇所以上の金属壁面に5mm以下の微小ピン間隔の高密度フィードスルーを設けたセラミック絶縁板を気密及び耐圧性のある構造で取付け、圧力容器内に突き出た高密度フィードスルーのピンに多次元放射線センサー素子を直接マウントし、もう一方の圧力容器外に突き出た高密度フィードスルーのピンには多チャンネルアンプ基板を取付けて、放射線センサー素子からの位置情報を有した各チャンネル電気信号パルスを個別に、圧力バウンダリーを介して、ダイレクトにアンプ基板に伝達できるようにした構造の放射線検出器用圧力容器システム。

【請求項2】
請求項1の放射線検出器用圧力容器であって、圧力容器内に突き出た高密度フィードスルーのそれぞれのピンに対して、上端がソケット構造で製作されたピンソケット部品をロウ付け方法でフィードスルーピンに取付けた構造、または上下端の両方がソケット構造のソケット部品をはめ込み、これらのピンソケット配列にピン付きパッケージ構造で製作された放射線センサー素子を直接差込む方法でマウントできるようにした構造の放射線検出器用圧力容器システム。

【請求項3】
請求項1又は2の放射線検出器用圧力容器であって、圧力容器外に突き出た高密度フィードスルーのそれぞれのピンに対して、このピン形状配列に合致したソケット配列を電子回路プリント基板上に配置して、圧力容器外側の高密度フィードスルーピン配列にはめ込み、電子回路プリント基板上のアンプ回路群により多次元放射線検出器からの多チャンネル信号を増幅するようにした構造を特徴とする放射線検出器用圧力容器システム。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003289734thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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