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体細胞相同組換えの誘発方法

国内特許コード P06A009062
整理番号 A132P22
掲載日 2006年6月16日
出願番号 特願2002-376555
公開番号 特開2004-201619
登録番号 特許第5319863号
出願日 平成14年12月26日(2002.12.26)
公開日 平成16年7月22日(2004.7.22)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 太田 邦史
  • 瀬尾 秀宗
  • 柴田 武彦
出願人
  • 独立行政法人理化学研究所
  • 株式会社カイオム・バイオサイエンス
発明の名称 体細胞相同組換えの誘発方法
発明の概要

【課題】体細胞中の遺伝子座における体細胞相同組換えを誘発し、多様な新規遺伝子を取得する方法を提供する。
【解決手段】任意の遺伝子座においてDNA相同組換えが起きている真核生物細胞中の該遺伝子座に存在する遺伝子の転写活性を制御することにより、該遺伝子と、転写プロモーターの上流域に存在する該遺伝子に類似するDNA配列を持つ遺伝子との間で体細胞相同組換えを誘発し、これによって、複数の遺伝情報を保持する多様な新規遺伝子の取得を可能にする。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要

真核生物にとって体細胞の相同組換えは、遺伝子の多様性を獲得し、その結果としてタンパク質の多様な活性を創出する上で最も重要なDNA代謝反応の一つである。従って、体細胞の相同組換えを制御することは、多様な遺伝子を獲得する上で、非常に重要な課題の一つである。
従来、新しい機能・属性を有する多様な遺伝子を取得する手法として、DNAシャッフリングという技術が(例えば、非特許文献1参照。)がある。この技術は、相同性のある複数の遺伝子配列を混合し、DNaseIで適当に消化して生じた小さな断片をプライマーとし、もともとの遺伝子を鋳型としてPCRを行うことで、擬似的に相同組換えをおこさせるものである。しかしながら、組換え産物の解析は、増幅された断片を発現ベクターにつなぎ、バクテリアにトランスフォームしたのちにおこなうのが一般的であり、産物が高等真核生物においてどのような性質をもつかを解析するのは直接的には困難であると思われる。また、動物細胞内での発現チェックは、新たなベクターへの移入とコドン利用率などに起因する発現適合性を逐次確認する必要がある。


一方、動物細胞内で遺伝子組換えを誘発する系としては、細胞内での組換えを活性化する系として、部位特異的組換え酵素Cre-loxを用いた系(例えば、非特許文献2参照。)、配列特異的エンドヌクレアーゼI-SceIを用いた系(例えば、非特許文献3参照。)などが存在する。Cre-loxの系はバクテリオファージP1から得られた38kDaの部位特異的リコンビナーゼであるCreを用いて、loxPサイトと呼ばれる特定部位間で組換えを行わせるものである。また、I-SceIの系は、出芽酵母由来のエンドヌクレアーゼであるI-SceIが、その認識サイトにおいてDNA二重鎖を切断し、DNA相同組換えを誘起する活性を利用したものである。しかしながら、これらの系では、組換えが特定配列間で限定して起きることと、組換え事象が単発であることなどから、得られる組換え体は原則的に一種類のみであった。また、組換えの制御に関わる配列をあらかじめ染色体に導入し、CreあるいはI-SceIなどの組換え酵素を細胞内で発現させる必要があり、染色体の組換えを誘導するのは容易ではなかった。



【非特許文献1】Crameri等, 1998. Nature 391:288-291
【非特許文献2】DiSanto等, 1995. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:377-381
【非特許文献3】Rouet 等, 1994. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:6064-6068

産業上の利用分野

本発明は、一般には真核生物細胞における体細胞相同組換えを誘発する技術に係り、より詳細には体細胞中の任意の遺伝子座における体細胞相同組換えを誘発する方法及びかかる方法によって体細胞相同組換えが誘発される細胞に関する。
また、本発明は、前記の体細胞相同組換えの誘発方法を利用して複数の遺伝情報を保持する新規遺伝子を作製する方法並びにかかる方法によって作成された新規遺伝子にも関する。
さらに、本発明は上記新規遺伝子によってコードされる新規タンパク質にも関する。
またさらに、本発明は体細胞相同組換えを誘発するために使用して好適な構成を構築したベクターにも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 任意の遺伝子座においてDNA相同組換えが起きている真核生物の体細胞相同組換えをDT40細胞において誘発する方法であって、該遺伝子座の遺伝子の転写制御を行うことによって、該遺伝子の塩基配列と、該遺伝子の上流近傍に存在する転写プロモーターの上流に存在する該遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列との間でDNA相同組換えを誘発することを特徴とし、該遺伝子、該遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列、及び該転写プロモーターのうちの少なくとも一つがニワトリ中に天然に存在するものではない、体細胞相同組換えの誘発方法。

【請求項2】 前記転写制御のための転写プロモーターが、前記遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列の下流3’側に配置され、前記遺伝子と作用可能に隣接することによって、該遺伝子の転写を制御することを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項3】 前記転写制御のためのシスに作用する領域が、エンハンサー、核マトリックス結合領域(MAR)のいずれか一つ又は両方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】 前記遺伝子及び前記遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列が外来性である場合、
(a)該遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列、転写プロモーター及び該遺伝子のベクター上における順番が、5’側から該遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列、転写プロモーター、該遺伝子の順番であって、該転写プロモーターが該遺伝子と作用可能となるように挿入する段階、
(b)上記ベクターにエンハンサー、核マトリックス結合領域(MAR)のいずれか一つ又は両方を転写プロモーターに対して作用可能に挿入する段階、
(c)該ベクターを細胞内へ導入して、該遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列、転写プロモーター及び該遺伝子を染色体上に組込む段階、
を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】 前記転写プロモーターが誘導的プロモーターであることを特徴とする請求項4に記載の方法。

【請求項6】 前記誘導的プロモーターがテトラサイクリン誘導プロモーターであることを特徴とする請求項5に記載の方法。

【請求項7】 前記遺伝子が強化青緑色蛍光タンパク質(EGFP)遺伝子であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】前記遺伝子と相同組換えできる配列同一性を有する塩基配列が強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)遺伝子配列であることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか一項に記載の方法。

【請求項9】 前記エンハンサーがニワトリ抗体軽鎖遺伝子エンハンサー(3' enhancer)であって、前記核マトリックス結合領域(MAR)がニワトリ由来であることを特徴とする請求項3ないし8のいずれか一項に記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST ゲノムの構造と機能 領域
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