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新規メソポーラス炭素構造体の製造法

国内特許コード P06A009064
整理番号 K020P11
掲載日 2006年6月16日
出願番号 特願2002-381293
公開番号 特開2004-210583
登録番号 特許第4246487号
出願日 平成14年12月27日(2002.12.27)
公開日 平成16年7月29日(2004.7.29)
登録日 平成21年1月16日(2009.1.16)
発明者
  • 王 正明
  • 星野尾 恭美子
  • 大井 健太
出願人
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
発明の名称 新規メソポーラス炭素構造体の製造法
発明の概要

【課題】本発明は、グラファイトを酸化して得たグラファイト酸化物の層間をソフト化学的な手法により処理し、より温和の条件下で高炭素収率のメソポーラス的な炭素構造体を合成することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、多孔質グラファイト複合材料を、不活性雰囲気中で高温で炭化処理し、次いで当該多孔質グラファイト複合材料中の金属酸化物又は半金属酸化物を溶出する処理をすることを特徴とするメソポーラス炭素構造体を製造する方法、及び当該方法により製造されたメソポーラス炭素構造体に関する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要
これまで、モンモリロナイトのような層状粘土について、その層間にアルミナ、ジルコニア、酸化クロム、酸化チタン、SiO-TiO、SiO-Fe、Al-SiOなどをインターカレーションして層間架橋多孔体を形成させることが知られている[非特許文献1参照]。このような層状構造に水素や炭化水素などを吸蔵して、燃料の供給源として利用することが考えられている。
【0003】
炭素性の層状物質としては、グラファイトがよく知られているが、グラファイトは、面内炭素原子間距離0.142nm、層面間距離0.335nmの異方性の強い層状構造を有する物質である。このような強い異方性は、その反応性に大きな影響を与え、面内の結合を攻撃するような反応は進行しにくいが、層間を拡張しながら反応物質を挿入する反応、いわゆるインターカレーションを起しやすく、これによりグラファイト層間化合物を形成する。
しかし、グラファイトが層状粘土と同様に層状構造を有するにもかかわらず、アルカリ金属やハロゲンなどの比較的小さな分子とグラファイト層間化合物しか形成することができず、その比較的大きなポアを有する多孔体を形成しないのは、層間距離が小さく、しかもグラファイト層間化合物のようにサンドイッチ構造をとっているためと考えられている。このように、グラファイト或いはグラファイト層間化合物は、大きい表面積の多孔体を構成しないし、後続の加熱処理により架橋を形成しようとしても、それが崩壊して安定した孔を形成することは困難であった。
【0004】
多孔体としては、孔の大きさにより、孔の大きさが2nm未満であるミクロポア体、孔の大きさが50nm以上であるマクロポア体、これらの中間的な大きさの孔、即ち約2~50nmの孔の大きさを有するメソポア体が知られている。メソポア体は、ポリマー、色素、ビタミン等の大きな分子の吸着、バクテリア等の微生物の固着、電池や電気二重層キャパシター等に使用する電解質イオンの浸透などに有用であるため、メソポーラスな炭素構造体の創製が期待されている。
【0005】
このようなメソポーラス的な炭素構造体を製造する方法としては、(1)触媒賦活法、(2)ポリマーブレンド法、(3)カーボンエアロジェル法、(4)テンプレート法などが知られている(非特許文献2及び3参照)。触媒賦活法は、石炭などの炭素質プレカーサを金属錯体或いは金属塩と混合してできた混合物、或いは金属陽イオンをイオン交換したイオン交換樹脂を、酸化雰囲気中で加熱するか、水蒸気賦活するかによって製造する方法である。ポリマーブレンド法は、耐熱性ポリマー(例えばポリイミド)と熱分解性ポリマーを混合し、炭化することにより製造する方法である。カーボンエアロジェル法は、レソルシノールとホルムアルデヒドを原料に、ゾル-ゲル反応を利用し、フェノール樹脂系ゲルを生成させ、更に炭化することによりメソポーラス的なカーボンエアロジェルを生成する方法である。テンプレート法は、シリカジェル、粘土/ピーラー化粘土、ゼオライト、MCM-41、-48等の無機金属(半金属)酸化物多孔体のネットワーク中に炭素のプレカーサを浸透し、炭素質のポリマー化、炭化及び無機金属(半金属)酸化物多孔体の溶出を経て、メソポーラス的炭素多孔体を製造する方法である。
【0006】
これらの方法は、例えば、触媒賦活法では金属種が不純物として残留することなどの問題があり、また、いずれの方法も共通してカーボンの収集率がそれほど高くない(カーボンベースで最高5-6割)などの欠点が上げられる。
ところで、本発明者らは、グラファイトを酸化して得たグラファイト酸化物をアルカリ中に分散し、或いは予め長鎖有機分子で層間拡張し、続いて金属或いは半金属酸化物のような硬い架橋剤を導入することにより、高表面積の含炭素多孔体複合材料を合成できることを報告してきた(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特願2001-392871明細書
【非特許文献1】
「表面」、第27巻、第4号(1989年)、第290~300頁
【非特許文献2】
京谷、「Carbon」、第38巻、2000年、第269-286頁
【非特許文献3】
吉澤ら、「表面」、第35巻、1997年、第32-39頁
産業上の利用分野
本発明は、多孔質グラファイト複合材料を、不活性雰囲気中で高温で炭化処理し、次いで当該多孔質グラファイト複合材料中の金属酸化物又は半金属酸化物を溶出する処理をすることを特徴とするメソポーラス炭素構造体を製造する方法、及び当該方法により製造されたメソポーラス炭素構造体に関する。より詳細には、本発明は、グラファイトを酸化して酸化物層状体としたのち、この層間に、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物のゾル或いは多核金属陽イオンをインターカレーションさせて製造された多孔質グラファイト複合材料を、不活性雰囲気中で高温で炭化処理し、次いで当該多孔質グラファイト複合材料中の金属酸化物又は半金属酸化物を溶出する処理をすることを特徴とするメソポーラス炭素構造体を製造する方法、及び当該方法により製造されたメソポーラス炭素構造体に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 グラファイト酸化物層状体の層間に、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物を主体とするピラーを形成させてなる多孔質グラファイト複合材料を、不活性雰囲気中で高温で炭化処理し、次いで当該多孔質グラファイト複合材料中のケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の酸化物を溶出する処理をすることを特徴とするメソポーラス炭素構造体を製造する方法。
【請求項2】 グラファイト酸化物層状体の層間に、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物を主体とするピラーを形成させてなる多孔質グラファイト複合材料が、グラファイトを酸化して酸化物層状体としたのち、この層間に、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物のゾル或いは多核金属陽イオンをインターカレーションさせて製造されたものである請求項に記載の方法。
【請求項3】 高温で炭化処理が、500~1000℃での炭化処理である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】 金属酸化物又は半金属酸化物の溶出が、フッ酸での処理である請求項に記載の方法。
【請求項5】 請求項1~のいずれかの方法により製造されたメソポーラス炭素構造体。
【請求項6】 ポアサイズが2nm以上である請求項5に記載のメソポーラス炭素構造体。
【請求項7】 BET比表面積が150m/g以上である請求項5又は6に記載のメソポーラス炭素構造体。
【請求項8】 BET比表面積が450m/g以上である請求項に記載のメソポーラス炭素構造体。
産業区分
  • 無機化合物
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ ナノと物性 領域
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