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フォトニック結晶欠陥デバイス

国内特許コード P06A009078
整理番号 A241P13
掲載日 2006年6月16日
出願番号 特願2003-080916
公開番号 特開2004-287224
登録番号 特許第3727628号
出願日 平成15年3月24日(2003.3.24)
公開日 平成16年10月14日(2004.10.14)
登録日 平成17年10月7日(2005.10.7)
発明者
  • 古屋 克己
出願人
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 フォトニック結晶欠陥デバイス
発明の概要 【課題】階段状線欠陥導波路を設けることにより、光を含む電磁界を導く方向に関して、フォトニック結晶の格子構造に単純に従って曲げを行うよりも、より自由な選び方を可能とし、フォトニック結晶上の様々な素子の設計を容易にする。
【解決手段】フォトニック結晶中のある欠陥(フォトニック結晶の周期構造を構成する要素を局所的に除去した部分)に存在する電磁界を、界の結合対象(特に同結晶中の他の欠陥)に近接した位置で誘導し、それら欠陥と結合対象の間の電磁界の結合を実現もしくは回避することを目的とした、階段状線欠陥1を様式の一部に有する、フォトニック結晶欠陥導波路。さらに、フォトニック結晶欠陥導波路を構造の一部に有する電磁波伝送における分岐器、結合器および方向性結合器等のフォトニック結晶欠陥デバイス。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


従来技術について、以下に文献を挙げて説明する。
非特許文献1では、国内外のフォトニック結晶研究の動向をまとめたもので、様々な研究機関(企業,大学,国研等)の成果を、理論的背景に始まって設計技術,具体的な製造法と材料からデバイス等の応用に至るまで比較的詳細に紹介している。



また、従来、フォトニック結晶を用いた結合器/分岐器,方向性結合器について設計、製作がなされたものを以下に例示する。



非特許文献2は、六方格子結晶中の線欠陥導波路の曲がり、方向性結合器(分岐器)についてシミュレーションを行っているが、およそ電磁界の結合の確認のみで終わっており、具体的な改善案や設計指針等は見られず、また、結合器には言及していない。



非特許文献3は、分岐器のみについて実製作例が記載されている。ただし、この文献では、透過が弱く(-40dB以下)、また、結合に寄与する二つの線欠陥の間隔及び結合長の設計が必ずしも厳密ではなく、分岐出力より得られた所望の信号は、同時にもう一方の出力端より出力される信号より、更に小さい。



さらに、特許文献1~4には、フォトニック結晶を用いた光デバイスが記載されている。例えば、特許文献1には、フォトニック結晶を備えた簡単で部品点数の少ない光学系で小型化できる光デバイスが記載されている。



【非特許文献1】
「フォトニック結晶研究の現状と将来展望 ―改訂版― ―テクノロジーロードマップを目指して―」,(財)光産業技術振興協会(フォトニック結晶ブレークスルー技術フォーラム),14-013-1,2002(平成14)年3月.
【非特許文献2】
J. Yonekura, M. Ikeda and T. Baba: "Analysis of finite 2-D photonic crystals of columns and lightwave the scattering matrix method", J. of Lightwave Technology, Vol.17, No.8, pp.1500-1508(Aug. 1999).
【非特許文献3】
M. Tokushima and H, Yamada: "Photonic crystal line defect waveguide directional coupler", Electronics Letters, Vol.37, No.24,pp.1454-1455,(22nd November 2001).
【特許文献1】
特開2003-57460号公報
【特許文献2】
特開2002-196296号公報
【特許文献3】
特開2002-169048号公報
【特許文献4】
特開2000-56146号公報

産業上の利用分野


本発明は、フォトニック結晶欠陥導波路、分岐器、結合器、方向性結合器、多重化器、多重分離器等のフォトニック結晶欠陥デバイスに係り、特に、二次元もしくは三次元フォトニック結晶中で電磁界を他の結合対象の近接で誘導するためフォトニック結晶欠陥導波路と、それを用いた光・電磁波伝送のためのフォトニック結晶欠陥デバイスに関する。本発明は、例えば、光を含む電磁界を通信、計測、演算等へ利用する装置、及び、電磁界の伝送線路を用いて実現される回路全般に適用することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
周期構造を構成する要素を含み、特定の波長又は周波数範囲の光又は電波を含む電磁界の伝播を抑制するためのフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶の周期構造を構成する要素を局所的に除去した部分である欠陥をとして複数連結し且つ階段状に段を連続して二つ以上含むように導波路を形成した階段状線欠陥と前記階段状線欠陥に対して電磁界を入力するための第1のポートと、前記階段状線欠陥を端部に連続して有する線欠陥とを含む第1の導波路と、
電磁界を入力又は出力するための第2及び第3のポートと、前記フォトニック結晶中に前記第1の導波路に近接して設けられ、前記フォトニック結晶の周期構造を構成する要素を局所的に除去した部分である欠陥を線として複数連結した線欠陥とを含む第2の導波路と、
前記第1及び第2の導波路を各々の線欠陥で近接又は接触して結合する結合部と
を備え、
前記第1の導波路の第1のポートから光を含む電磁界が入射されると、前記結合部により前記第1及び第2の導波路との間で相互に結合が生じ、前記第2の導波路にも電磁界が誘起され、前記第2の導波路では第2のポートへの出力を第3のポートへの出力より大きくして第3のポートへの出力を抑制して前記第2の導波路から電磁界が出力されるようにし、
前記第1の導波路を結合する前記結合部までの前記階段状線欠陥の列数、前記階段状線欠陥の長さ及び/又は間隔、及び、前記第1及び第2導波路を結合している欠陥領域の長さ及び/又は間隔を定めることにより、結合及び/又は分岐する周波数信号の数を含む多重特性、及び/又は、周波数特性を設定するようにした、
電磁波伝送における方向性結合器として機能するためのフォトニック結晶欠陥デバイス。

【請求項2】
周期構造を構成する要素を含み、特定の波長又は周波数範囲の光又は電波を含む電磁界の伝播を抑制するためのフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶の周期構造を構成する要素を局所的に除去した部分である欠陥をとして複数連結し且つ階段状に段を連続して二つ以上含むように導波路を形成した階段状線欠陥と前記階段状線欠陥に対して電磁界を入力するための第1のポートと、前記階段状線欠陥を端部に連続して有する線欠陥とを含む第1の導波路と、
前記フォトニック結晶の周期構造を構成する要素を局所的に除去した部分である欠陥を線として複数連結し且つ階段状に段を連続して二つ以上含むように導波路を形成した階段状線欠陥と、前記階段状線欠陥に対して電磁界を入力又は出力するための第2及び第3のポートと、前記階段状線欠陥を両端にそれぞれ連続して有する線欠陥とを含む第2の導波路と、
前記第1及び第2の導波路を各々の線欠陥で近接又は接触して結合する結合部と
を備え、
前記第1の導波路の第1のポートから光を含む電磁界が入射されると、前記結合部により前記第1及び第2の導波路との間で相互に結合が生じ、前記第2の導波路にも電磁界が誘起され、前記第2の導波路では第2のポートへの出力を第3のポートへの出力より大きくして第3のポートへの出力を抑制して前記第2の導波路から電磁界が出力されるようにし、
前記第1又は第2の導波路を結合する前記結合部までの階段状線欠陥の列数、前記階段状線欠陥の長さ及び/又は間隔、及び、前記第1及び第2導波路を結合している欠陥領域の長さ及び/又は間隔を定めることにより、結合及び/又は分岐する周波数信号の数を含む多重特性、及び/又は、周波数特性を設定するようにした、
電磁波伝送における方向性結合器として機能するためのフォトニック結晶欠陥デバイス。

【請求項3】
前記結合部は、電磁界を結合させるために、前記第1及び第2の導波路の一部である各線欠陥が近接して配置された第1及び第2の欠陥領域を含み、
前記結合部の端部において、前記第1又は第2の導波路の一方の欠陥領域が、階段状線欠陥による導波路の曲がりに至っている場合、他方の欠陥領域が、その曲がりの位置より更に、その階段状線欠陥の方向に数格子定数以上離れてから、階段状線欠陥の曲がりに至るように、又は、途切れるように構成された請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス。

【請求項4】
前記結合部は、前記第1及び第2の導波路の線欠陥の間又は近傍に部分的に非線形媒質部をさらに備えた請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス。

【請求項5】
前記フォトニック結晶は、二次元六方格子結晶又は二次元三角格子結晶又は二次元正方格子結晶であり、
前記階段状線欠陥は、前記フォトニック結晶中に二次元で形成され、電磁界を二次元で形成された結合対象の近接に誘導する請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項6】
前記フォトニック結晶は、三次元面心立方格子結晶又は三次元体心立方格子結晶であり、
前記階段状線欠陥は、前記フォトニック結晶中に二次元又は三次元で形成され、電磁界を二次元又は三次元で形成された結合対象の近接に誘導する請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項7】
前記階段状線欠陥を構成する線欠陥は、一段をなす線欠陥の長さが点欠陥三つ分を超えない、又は、一段をなす線欠陥が最小限の数の点欠陥から構成され、前記線欠陥を段に連続して二つ以上含む請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項8】
導波路を結合している前記階段状線欠陥の列数を調整することにより、周波数帯域特性を設定する請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項9】
前記階段状線欠陥又は他の欠陥は、不連続な欠陥列をさらに含み、遅延線として機能する請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項10】
前記階段状線欠陥又は他の欠陥は、欠陥の周辺及び内部の一部もしくは全部に、量子ドットの埋め込み又は所定のイオンのドープにより実現された非線形媒質領域をさらに含む請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項11】
外部からの制御信号により非線形媒質の実効的な誘電率及び/又は導電率を可変とする領域をさらに含み、電磁界の伝播や相互結合の程度を制御するようにした請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス

【請求項12】
前記フォトニック結晶の周期構造を形成する要素は、要素の周囲の材料とは誘電率及び/又は導電率が異なる媒質を用いた請求項1又は2に記載のフォトニック結晶欠陥デバイス
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003080916thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新しい物理現象や動作原理に基づくナノデバイス・システムの創製 領域
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