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光子-スピン量子ビット変換方法及び変換装置

国内特許コード P06P004388
整理番号 P2004-120
掲載日 2006年6月23日
出願番号 特願2004-337992
公開番号 特開2006-146718
登録番号 特許第4399597号
出願日 平成16年11月22日(2004.11.22)
公開日 平成18年6月8日(2006.6.8)
登録日 平成21年11月6日(2009.11.6)
発明者
  • 武藤 俊一
出願人
  • 国立大学法人 北海道大学
発明の名称 光子-スピン量子ビット変換方法及び変換装置
発明の概要 【課題】 材料に依存せず、かつ、簡単な構成により光子-スピン量子ビット変換器を実現する。
【解決手段】 電子はΔE=0であるため、下向きスピンa(11a)と、上向きスピンb(11b)とのエネルギーが揃う。軽い正孔15と重い正孔17とは、それぞれ分裂している(15a、15b、17a、17b)。光の量子ビット(この場合は右円偏光と左円偏光との重ね合わせ)を量子ドット1に照射することで、重い正孔(hh)から励起された電子として、下向きスピンを有する電子11aと上向きスピンを有する電子11bとが生成される。図2に示すように、重い正孔hhと軽い正孔lhとの縮退は解けている。従って、以下の式のように量子ビット変換が行われる。 a|右円偏光>+b|左円偏光>=(a|↓電子>+b|↑電子>)×|重い正孔(上側の分岐) >
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


次世代の情報技術として量子情報処理の進展が急である。量子暗号通信についてはプラグ・アンド・プレイのシステムがネット上で売りに出されており、また1.55ミクロン帯で100kmを無中継で通信可能になった(非特許文献1)。量子中継器が実現すれば量子暗号通信の通信距離を飛躍的に増大させることができる。より高度の情報処理として量子コンピューティング(非特許文献2、3)への期待も高い。ショアのアルゴリズム(非特許文献4)による因数分解と暗号解読、グローバーの検索アルゴリズム(非特許文献5)によるデータベース検索などが可能になる。現在は、まだ他の目立った応用は報告されていないが、ハードウェアが実現すれば新しい応用も拓けて来るものと期待される。ハードウェアの提案は多数あり、既にNMRを用いた量子コンピューティングでは7量子ビットを用いた因数分解がデモンストレーションされている(非特許文献6)。またジョセフソン素子を用いて固体版でもQubit間の相互作用が報告されている(非特許文献7)。



また、非特許文献8においては、電子のスピンと光子のスピンの量子ビット変換についての提案がなされている。量子ドットの電子スピンを用いた提案もあり、発明者らも、最近、独自の手法を提案している。いずれの技術も今後への期待をもたせるものではあり、これらの種々の技術に基づいて、今後は数多くの量子コンピュータが実現されていくものと期待されている。



このような流れの中で、今後、種々の量子コンピューティングを光子Qubitで結んだ量子情報処理ネットワークへの応用に対して大きな期待がもてる。量子コンピュータをネットワーク化すれば、単に量子ビットが増大するだけでなく分散処理により個々の量子コンピュータの強みを活かすことができる。例えば、電子スピンや光を用いた量子コンピュータ(QC)は高速演算を得意とし、半導体核スピンQCはメモリの持続時間が長くてサーバー向けというように、量子の世界を現在のコンピュータネットワークに置き換えることも可能であろう。逆に、個々のQCが不完全であっても、ネットワーク化することにより実用的になる可能性がある。このためには、電子のスピンと光子の量子情報とをビットごとに変換する量子ビット変換技術が必須のものとなることは間違いない。



また、非特許文献8では、g因子エンジニアリングを用いた量子井戸及び量子ドットにおける光学遷移の選択則に基づく電子スピンと光子との量子ビット変換が提案されている。



【非特許文献1】
小坂英男ら第8回量子情報技術研究会(QIT2003)資料pp.243-246(電子情報通信学会)。
【非特許文献2】
R. P. Feynman, Opt. News 11, 11 (1985).
【非特許文献3】
D. Deutsch, Proc. R. Soc. London A 400, 97 (1985).
【非特許文献4】
P. W. Shor, in Proceedings of the 35th Annual Symposium on the Foundations of ComputerScience, Los Alamitos, CA (IEEE Computer Society Press, New York, 1994), p. 124.
【非特許文献5】
L. K. Grover: Phys. Rev. Lett. 79 (1997) 325.
【非特許文献6】
"Experimental realization of Shor's quantum factoring algorithm using nuclear magnetic resonance"Lieven M. K. Vandersypen* et. al., Nature Vol. 414, pp.883-887 (2001).
【非特許文献7】
Yu A. Pashkin et. al., "Quantum Oscillations in two coupled charge qubits", Nature Vo. 421, pp. 823-826 (2003).
【非特許文献8】
Rutger Vrijena, Eli Yablonovitchb, Physica E 10 (2001) 569.

産業上の利用分野


本発明は、光子-スピン量子ビット変換技術に関し、特に、量子ドットにおけるゼーマンエネルギーのオーバーハウザー・シフトを用いた光量子ビットと電子スピン量子ビットとの量子ビット変換技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
量子ドットと、
第1の方向から前記量子ドットに対して円偏光を導入する円偏光光導入手段と、
前記量子ドットに対して前記量子ドット中の電子に作用する原子核からの実効磁場をキャンセルする程度の外部磁場を第2の方向から印加する外部磁場印加手段と
を有する光子-スピン量子ビット変換器。

【請求項2】
量子ドットと、
第1の方向から前記量子ドットに対して左右の円偏光を導入する円偏光導入手段と、
前記量子ドットに対して前記量子ドット中の電子に作用する原子核からの実効磁場をキャンセルする程度の外部磁場を第2の方向から印加する外部磁場印加手段と
を有する光子-スピン量子ビット変換器。

【請求項3】
前記左右の円偏光は、前記量子ドットにおける分裂した軽い正孔と、縮退した上向きスピンを有する電子と下向きスピンを有する電子と、のエネルギー差に相当するエネルギーを有する円偏光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光子-スピン量子ビット変換器。

【請求項4】
前記左右の円偏光は、前記量子ドットにおける分裂した重い正孔と、縮退した上向きスピンを有する電子と下向きスピンを有する電子と、のエネルギー差に相当するエネルギーを有する円偏光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光子-スピン量子ビット変換器。

【請求項5】
量子ドットにおける電子のスピンの向きを、第1の方向から円偏光を前記量子ドットに対して導入することにより揃える第1ステップと、
前記第1ステップによって生じた原子核がつくる磁場をキャンセルする程度の外部磁場を前記第2の方向から印加する第2ステップと、
を有する光子-スピン量子変換方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004337992thum.jpg
出願権利状態 登録
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