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鞘状酸化鉄粒子の生産方法、及びその利用 コモンズ

国内特許コード P06A009206
整理番号 Y03-P516
掲載日 2006年7月7日
出願番号 特願2004-090660
公開番号 特開2005-272251
登録番号 特許第4485233号
出願日 平成16年3月25日(2004.3.25)
公開日 平成17年10月6日(2005.10.6)
登録日 平成22年4月2日(2010.4.2)
発明者
  • 高田 潤
  • 藤井 達生
  • 中西 真
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 鞘状酸化鉄粒子の生産方法、及びその利用 コモンズ
発明の概要

【課題】 本発明の目的は、鉄細菌を用いるバイオ浄水法において生じる凝集物から、高純度な鞘状酸化鉄粒子を生産・回収する方法、及び上記鞘状酸化鉄粒子生産・回収工程を含むことによって従来廃棄処分していた凝集物から有効な資源(特に鉄資源)を回収することができる改良型バイオ浄水法を提供することにある。
【解決手段】 緩速濾過浄水法における逆洗浄工程で得られた逆洗水と、分散剤(ノリウツギ抽出液・トロロアオイ抽出液等)とを回収槽21において作用させる。作用後の分散液を適当なポアサイズ(メッシュサイズ)の簀子状ネット16に通すことによって、目的とする鞘状酸化鉄粒子4が簀子状ネット16上に残り、回収することができる。簀子状ネット16を通過した分散剤は、不純物5と分離することによって再利用が可能である。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


現在、上水道の原水の浄化は、主にポリ塩化アルミニウム(以下、PAC)を凝集剤として添加し、原水中の不純物を凝集沈殿させた後、塩素消毒する所謂「急速濾過浄水法」が一般的に行なわれている。当該浄水法はその高い処理能力という大きなメリットはあるものの、得られた浄水の塩素臭・腐敗臭の問題、残存する溶解性Alの人体への影響、浄化によって生成される莫大な量の凝集沈殿物の埋め立て・廃棄の問題等の種々大きな問題を抱えている。



一方、砂層で原水を濾過するだけの所謂「緩速濾過浄水法」が知られている。当該浄水法は、PAC等の凝集剤を用いることなく、砂層の表面に微生物膜形成させ、砂層で濾過するという単純な工程で、良質な水を得ることができるため安全かつ、安価な浄水方法として注目されている。特にその鉄凝集除去能力から、レプトシリックス( Leptothrix )属、ガリオネラ( Gallionella )属等の鉄細菌を用いた浄水方法、及び浄水装置等が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし当該浄水方法においても、絶対的な処理能力が低いこと、濾過を継続すると懸濁質が生物濾過膜上に堆積して濾過池が閉塞してしまうこと、天然色素成分の分解に限界があり、色が残存してしまうこと等の問題点がある。



そこで近年、上記緩速濾過浄水法の改良法として、所謂「中速濾過浄水法」が開発され、実用化されている(例えば、特許文献2、及び非特許文献1参照)。中速濾過浄水法は、濾過層の洗浄方式としてダイレクト表洗方式を用いることで、濾過層の閉塞を防ぎ濾過速度の長期維持が可能である。



ところで、上記鉄細菌を用いた浄水方法によって生ずる凝集沈殿物には、含水酸化鉄として鉄(Fe)が多量に含まれる。また当該凝集沈殿物は微生物の分別作用によって鉄の純度が比較的高められた沈殿層が選抜して利用が可能なこと、沈殿物層上に急速濾過浄水法によって生じた凝集沈殿物とは異なり凝集剤の混入が無いこと等の理由から、鉄資源としての有効利用の可能性を秘めている。さらには、当該凝集沈殿物には、特異な構造をもった中空繊維状の酸化鉄(鞘状酸化鉄粒子)が含まれている。かかる鞘状酸化鉄粒子は、鉄細菌が原水中の鉄イオンをはじめとする種々のイオンを凝集する際に生成する構造物であって、鉄細菌を用いた浄水方法における浄化の基本原理を担う物質である。



当該鞘状酸化鉄粒子は、鉄資源としての利用はもとより、中空状であることから断熱材や保温材としての利用、その色と繊維状であることから剥離し難い顔料としての利用が可能である。またその構成粒子が超常磁性を有すことが推察されており、磁気冷却冷媒等の用途が期待されている。



かかる鞘状酸化鉄の生産方法として、鉄粉と鉄細菌とを用いて生産する方法が既に知られている(例えば、特許文献3参照)。

【特許文献1】特開平1-266897号公報(公開日:平成1年(1989)10月24日)

【特許文献2】特開平7-100491号公報(公開日:平成7年(1995)4月18日)

【特許文献3】特開平10-338526号公報(公開日:平成10年(1998)12月22日)

【非特許文献1】田村 太喜男、綱井 孝司、石丸 豊、中田 章雅、「鉄バクテリアを利用した生物濾過法による地下水中の除鉄・除マンガンの開発」、水道協会雑誌、第68巻、第6号(第777号)、平成11年6月、pp.2-pp.13

産業上の利用分野


本発明は、鞘状酸化鉄粒子の生産方法、及び該生産方法によって生産される鞘状酸化鉄粒子、並びに改良型バイオ浄水法に関するものである。より具体的には、鉄細菌を用いるバイオ浄水法において生じる凝集物から、高純度な鞘状酸化鉄粒子を生産・回収する方法、さらには上記鞘状酸化鉄粒子生産・回収工程を含むことによって、従来廃棄処分していた凝集物から有効な資源(特に鉄資源)を回収することができる改良型バイオ浄水法に関するのものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
鞘状酸化鉄粒子を生成する能力を有する鉄細菌を用いたバイオ浄水法によって生じた鞘状酸化鉄粒子を含有する凝集沈殿物と、分散剤とを溶媒中で作用させて分散液を得る工程、および
当該分散液から鞘状酸化鉄粒子と不純物とを分離し、当該鞘状酸化鉄粒子を回収する工程を含むことを特徴とする鞘状酸化鉄粒子の生産方法。

【請求項2】
上記鞘状酸化鉄粒子を生成する能力を有する鉄細菌が、トキソシリックス属細菌( Toxothrix sp. )、レプトシリックス属細菌( Leptothrix sp. )、クレノシリックス属細菌( Crenothrix sp. )、クロノシリックス属細菌( Clonothrix sp. )、ガリオネラ属細菌( Gallionella sp. )、シデロカプサ属細菌( Siderocapsa sp. )、シデロコッカス属細菌( Siderococcus sp. )、シデロモナス属細菌( Sideromonas sp. )、およびプランクトミセス属細菌( Planktomyces sp. )のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の鞘状酸化鉄粒子の生産方法。

【請求項3】
上記鞘状酸化鉄粒子を生成する能力を有する鉄細菌が、レプトシリックス属細菌(Leptothrix sp.)であることを特徴とする請求項1に記載の鞘状酸化鉄粒子の生産方法。

【請求項4】
上記分散剤が、ノリウツギ抽出液またはトロロアオイ抽出液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の鞘状酸化鉄粒子の生産方法。

【請求項5】
鞘状酸化鉄粒子を生成する能力を有する鉄細菌を用いてなるバイオ浄水法において、
上記バイオ浄水法の浄水過程において生成され、鞘状酸化鉄粒子を含有する凝集沈殿物と、分散剤とを溶媒中で作用させて分散液を得る工程、および
当該分散液から鞘状酸化鉄粒子と不純物とを分離し、当該鞘状酸化鉄粒子を回収する工程を含むことを特徴とする浄水方法。

【請求項6】
上記分散剤が、ノリウツギ抽出液またはトロロアオイ抽出液であることを特徴とする請求項5に記載の浄水方法。

【請求項7】
上記鞘状酸化鉄粒子を生成する能力を有する鉄細菌が、トキソシリックス属細菌(Toxothrix sp. )、レプトシリックス属細菌( Leptothrix sp. )、クレノシリックス属細菌( Crenothrix sp. )、クロノシリックス属細菌( Clonothrix sp. )、ガリオネラ属細菌( Gallionella sp. )、シデロカプサ属細菌( Siderocapsa sp. )、シデロコッカス属細菌( Siderococcus sp. )、シデロモナス属細菌( Sideromonas sp. )、およびプランクトミセス属細菌( Planktomyces sp. )のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項5または6に記載の浄水方法。

【請求項8】
上記鞘状酸化鉄粒子を生成する能力を有する鉄細菌が、レプトシリックス属細菌(Leptothrix sp.)であることを特徴とする請求項5または6に記載の浄水方法。

【請求項9】
上記鞘状酸化鉄粒子を含有する凝集沈殿物は、凝集剤を含有しない凝集沈殿物である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鞘状酸化鉄粒子の生産方法。

【請求項10】
上記鞘状酸化鉄粒子を含有する凝集沈殿物は、凝集剤を含有しない凝集沈殿物である、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の浄水方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • その他無機化学
  • 微生物工業
  • 衛生設備
  • 廃水処理
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2004090660thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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