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光学素子 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P06P003516
整理番号 RJ008P18
掲載日 2006年7月13日
出願番号 特願2005-052626
公開番号 特開2006-091826
登録番号 特許第4057597号
出願日 平成17年2月28日(2005.2.28)
公開日 平成18年4月6日(2006.4.6)
登録日 平成19年12月21日(2007.12.21)
優先権データ
  • 特願2004-246860 (2004.8.26) JP
発明者
  • 佐藤 進
  • 葉 茂
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光学素子 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】焦点距離を電気的制御により大幅に可変できるようにする。
【解決手段】第1の電極を有する第1の基板と、第2の基板と、この第2の基板の外部に配置した第2の電極と、前記第1の基板と第2の基板との間に収容された液晶分子を一方向に配向させた液晶層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を加えて液晶分子の配向制御を行うことで動作する光学素子である。第2の電極の外部に絶縁層を介して第3の電極を配置し、この第3の電極に前記第1の電圧とは独立した第2の電圧を加えるようにし光学的特性を制御できるようにしている。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


液体のような流動性を持ち、電気-光学的特性に異方性を示す液晶は、その分子配向状態を種々制御できる。この特徴を利用することで、近年薄型軽量の平板型表示素子が目覚しい発展を続けている。液晶分子の配向状態は、液晶素子を構成する2枚の透明導電膜を設けたガラス基板の表面処理と、外部印加電圧により容易に制御することができる。またこの種の、液晶素子は、電圧印加により実効的な屈折率を概異常光に対する値から常光に対する値まで連続的に可変できるという、他の光学材料にないすぐれた特性を有している。



これまでネマチック液晶における電気-光学効果を利用することで、通常液晶ディスプレイにおける平行平板型の素子構造とは異なり、透明電極付きのガラス基板が湾曲し、液晶層自身がレンズ形となるようにし、電極間に電圧を印加することで液晶分子の配向制御を行い、実効的な屈折率を変化させる焦点可変レンズが提案されている(後で示す特許文献1、非特許文献1および2)。



次に光学媒質に空間的な屈折率分布を与えることでレンズ効果を得る方法があり、セルフォックレンズとして市販されている。ネマチック液晶セルにおいて、液晶分子は電界の方向に配向する性質を利用したもので、円形の穴型パターンを有する電極を用いて、軸対称的な不均一電界による液晶分子配向効果を利用することで、空間的な屈折率分布特性を有する液晶レンズを得る方法が報告されている(特許文献2、特許文献3、非特許文献3及び4)。



また、特許文献4では、液晶中に網目状の高分子ネットワークを作ることで、特性の改善がなされている。このような液晶を用いたレンズでは、多数の微小なマイクロレンズと呼ばれるレンズを平板状に2次元的に配列したマイクロレンズアレイとすることが比較的容易にできる。



さらに、液晶マイクロレンズにおいて、円形穴型パターン電極の外部にさらに1対の電極を配置して電圧を印加することで、レンズの特性が改善されることが提案されている(非特許文献5)。また液晶層と円形の穴型パターン電極との間に絶縁層を挿入する方法が提案されており(非特許文献6、7)、液晶マイクロレンズにおいて最良の特性が得られる円形穴型パターンの直径と液晶層の厚みの比が2対1から3対1程度とする必要があるという条件が緩和されることが示されている。



一方、結像光学系に収差補正機構を備えた光学系から得られる光学像を撮像装置で検出し、検出された信号から収差及び収差を補正する信号を求めることで、大気の揺らぎなどにより発生する光学系の収差を補正し、ゆがみのない光学像を得る光学装置として、レンズミラーなどの代わりに液晶素子を利用する光学装置が提案されている(特許文献5)。また、液晶光学素子を利用したレンズとして、楕円形状の屈折率分布特性を有する、すなわち電界制御アナモルフィック液晶レンズが提案されている(非特許文献8)。



これらの液晶を用いた光学素子は、通常の受動型の光学素子とは異なり、電極間に電圧を印加して媒質である液晶の実効的な屈折率を可変制御することで、焦点距離などの光学特性や光学系の収差を調節できるレンズが実現される。



また液晶材料として重合硬化型液晶を用いて焦点距離を調節したあと重合硬化させることで高分子レンズを得ることができる(特許文献6)。
【特許文献1】
特開昭54-151854号公報
【特許文献2】
特開平11-109303
【特許文献3】
特開平11-109304
【特許文献4】
特開平10-239676号公報
【特許文献5】
特開平03-265819号公報
【特許文献6】
特開平09-005695号公報
【非特許文献1】
佐藤進(S. Sato), 「焦点距離可変液晶レンズセル(Liquid-crystal lens-cell with variable focal length)」, Japanese Journal of Applied Physics, 1979年,Vol. 18, P.1679-1683
【非特許文献2】
佐藤進、「液晶とその応用」、産業図書株式会社、1984年10月14日、P.204-206
【非特許文献3】
能勢敏明、佐藤進(T. Nose and S. Sato),「不均一電界を用いた液晶マイクロレンズ(Liquid-crystal micro lens obtained with a non uniform electric field)」, Liquid Crystals,1994年4月15日、P.1425-1433
【非特許文献4】
佐藤進、「液晶の世界」、産業図書株式会社、1994年4月15日、P.186-189
【非特許文献5】
本間道則、能勢敏明、佐藤進(M. Honma, T. Nose and S. Sato), 「積層電極構造による液晶マイクロレンズの開口数の増大(Enhancement of numerical aperture of liquid crystal microlenses using a stacked electrode structure)」, Japanese Journal of Applied Physics, 2000年8月,Vol. 39, No.8, P.4799-4802
【非特許文献6】
葉茂、佐藤進(M. Ye and S. Sato),「任意寸法の液晶レンズの光学的特性(Optical properties of liquid crystal lens of any size)」, 第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、2002年3月、28p-X-10,P.1277
【非特許文献7】
葉茂、佐藤進(M. Ye and S. Sato),「任意寸法の液晶レンズの光学的特性(Optical properties of liquid crystal lens of any size)」, Japanese Journal of Applied Physics,2002年5月、Vol. 41, No.5, P.L571-L573
【非特許文献8】
横山義孝、葉 茂、佐藤 進、「電界制御アナモルフィック液晶レンズ」、2004年日本液晶学会討論会講演予稿集 2004年9月26日

産業上の利用分野


本発明は、液晶セルを構成する基板上に設けた電極と外部に設けた電極との間に2種類の電圧を印加することにより液晶分子の配向制御を行うことができ、かつ所定の光学的特性に容易に調整することができる光学素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の電極を有する第1の基板と、この第1の基板の前記第1の電極側に平行に対向した第2の基板と、前記第2の基板の外部であって前記第1の基板とは反対側に配置した穴を有する第2の電極と、前記第1の基板と第2の基板との間に収容された液晶分子を配向させた液晶層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を加えて液晶分子の配向制御を行うことで動作する光学素子において、
前記第2の電極の外部に絶縁層を介して第3の電極を配置し、この第3の電極に前記第1の電圧とは独立した第2の電圧を加えられるように構成し、
かつ、前記第1の電圧に基づく第1段階の光学的特性を焦点距離が短い状態にして前記第1の電圧の電圧値を固定し、前記第2の電圧を可変することで前記焦点距離が長くなる第2段階の光学的特性を得る回路を有することを特徴とする記載の光学素子。

【請求項2】
第1の電極を有する第1の基板と、この第1の基板の前記第1の電極側に平行に対向した第2の基板と、前記第2の基板の外部であって前記第1の基板とは反対側に配置した穴を有する第2の電極と、前記第1の基板と第2の基板との間に収容された液晶分子を配向させた液晶層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を加えて液晶分子の配向制御を行うことで動作する光学素子において、
前記第2の電極の外部に絶縁層を介して第3の電極を配置し、この第3の電極に前記第1の電圧とは独立した第2の電圧を加えられるように構成し、
かつ、前記第2の電圧に基づく第1段階の光学的特性を焦点距離が短い状態にして前記第2の電圧の電圧値を固定し、前記第1の電圧を可変することで前記焦点距離が長くなる第2段階の光学的特性を得る回路を有することを特徴とする記載の光学素子。

【請求項3】
内面に第1の電極を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記内面の前記第1の電極側に平行に対向した第2の基板と、
前記第2の基板の外部であって前記第1の基板とは反対側に配置した穴を有する第2の電極と、
前記第1の基板と第2の基板との間に収容された液晶分子でなる第1の液晶層と、
前記第2の電極に対して絶縁部を介して配置された第3の電極と、
前記第2の電極と前記第3の電極を挟んで、前記第2の基板と対称に配置されている第3の基板と、
前記第2の電極と第3の電極及び前記第3の基板を挟んで前記第1の液晶層及び第1の基板と対称に配置された第2の液晶層及び第4の電極を有した第4の基板と、
前記第1と第2の電極、及び前記第4と前記第2の電極間に第1の電圧を与えると共に、この第1の電圧とは独立した、第2の電圧を前記第3の電極に与えるための手段を具備し、
前記第1の電圧に基づく第1段階の光学的特性を焦点距離が短い状態にして前記第1の電圧の電圧値を固定し、前記第2の電圧を可変することで前記焦点距離が長くなる第2段階の光学的特性を得るか、
前記第2の電圧に基づく第1段階の光学的特性を焦点距離が短い状態にして前記第2の電圧の電圧値を固定し、前記第1の電圧を可変することで前記焦点距離が長くなる第2段階の光学的特性を得る回路を有することを特徴とする光学素子。

【請求項4】
第1の電極を有する第1の基板と、この第1の基板の前記第1の電極側に平行に対向した第2の基板と、前記第2の基板の外部であって前記第1の基板とは反対側に配置した穴を有する第2の電極と、前記第1の基板と第2の基板との間に収容された液晶分子を配向させた液晶層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を加えて液晶分子の配向制御を行うことで動作する光学素子において、
前記第2の電極の外部に絶縁層を介して第3の電極を配置し、この第3の電極に前記第1の電圧とは独立した第2の電圧を加えられるように構成し、
前記第1の電圧の電圧値を固定した状態で、前記第2の電圧を可変することで前記光学的特性を凸レンズとして可変制御する回路と、
前記第2の電圧の電圧値を固定し、前記第1の電圧を可変することで前記光学的特性を凹レンズとして可変制御する回路と
を有する光学素子。

【請求項5】
第1の電極を有する第1の基板と、この第1の基板の前記第1の電極側に平行に対向した第2の基板と、前記第2の基板の外部であって前記第1の基板とは反対側に配置した穴を有する第2の電極と、前記第1の基板と第2の基板との間に収容された液晶分子を配向させた液晶層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を加えて液晶分子の配向制御を行うことで動作する光学素子において、
前記第2の電極の外部に絶縁層を介して第3の電極を配置し、この第3の電極に前記第1の電圧とは独立した第2の電圧を加えられるように構成し、
前記第1の電圧に基づく第1段階の光学的特性を焦点距離が短い状態にして前記第1の電圧の電圧値を固定し、前記第2の電圧を可変することで前記焦点距離が長くなる第2段階の光学的特性を得る回路と、
前記第2の電圧に基づく第3段階の光学的特性を焦点距離が短い状態にして前記第2の電圧の電圧値を固定し、前記第1の電圧を可変することで第4段階の光学的特性を得る回路と、
上記第1と第2の回路を切換えるスイッチとを有する光学素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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