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アルツハイマー病の検査方法

国内特許コード P06A009264
整理番号 KUTLO-2005-017
掲載日 2006年8月4日
出願番号 特願2004-381800
公開番号 特開2006-189265
登録番号 特許第4568840号
出願日 平成16年12月28日(2004.12.28)
公開日 平成18年7月20日(2006.7.20)
登録日 平成22年8月20日(2010.8.20)
発明者
  • 山田 正仁
  • 小野 賢二郎
  • 内木 宏延
出願人
  • 学校法人金沢大学
  • 学校法人福井大学
発明の名称 アルツハイマー病の検査方法
発明の概要

【課題】 アルツハイマー病の簡便且つ正確な検査を可能とする。
【解決手段】 アミロイドβ蛋白と被験者から採取した体液と緩衝液とを混合した反応溶液を反応させ、アミロイドβ蛋白の重合反応が平衡状態に到達した後、アミロイドβ蛋白の重合の程度を調べる。例えば、反応後の前記反応溶液と蛍光色素とを混合し、反応溶液の発色の程度を検出することにより、前記アミロイドβ蛋白の重合の程度を調べる。前記蛍光色素がチオフラビンT又はその誘導体である。前記体液が脳脊髄液、血液又は血液成分である。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


アルツハイマー病は、先進国における高齢者の進行性精神障害の主な原因であり、神経細胞内構造蛋白の異常やリン酸化タウの出現等の神経原線維変化、アミロイドβ蛋白ペプチドの生成・沈着及び組織の崩壊と炎症反応による老人斑の形成、神経細胞の消失といった神経病理学的な病変を特徴としている。アルツハイマー病の進行の原因としては様々なものが考えられているが、そのうちの1つに、アミロイドβ蛋白の重合、線維化による沈着が挙げられている。アミロイドβ蛋白は、通常細胞内で生産され、アルツハイマー病患者だけでなく健常者の血漿や脳脊髄液(CSF)からも検出可能だが、非アルツハイマー病患者ではアミロイドβ蛋白の沈着は起こらないか、あるいは少量であり、アルツハイマー病患者でのみアミロイドβ蛋白の産生の増加又はアミロイドβ蛋白代謝・排泄の減少が初期段階で起こり、その後アミロイドβ蛋白の重合、アミロイド斑の大量の沈着等が起こり、進行的に痴呆症状が経過する。



アルツハイマー病等の痴呆の検査としては、従来からCTスキャン、MRI等の頭部画像検査が広く行われているが、単独でアルツハイマー病の診断精度と特異性との両者を満足するものは存在しない。そのため、実際の検査では、複数の検査を組み合わせて実施しているのが現状である。また、頭部の脳の形態画像検査は、脳の形態学的変化に基づく間接的なものであり、必ずしも痴呆症を正確に検査することはできず、特に形態学的変化の現れる前のアルツハイマー病の早期発見に対しては全く無力である。



このような事情から、アルツハイマー病を正確且つ早期に発見する技術に注目が集まっている。近年、アミロイドβ蛋白の他、アポリポ蛋白E(apolipoprotein E:apoE)、アポリポ蛋白J(apolipoprotein J:apoJ)、血清アミロイドP成分(serum amyrloid P component:SAP)、トランスサイレチン(transthyretin:TTR)、α1-抗キモトリプシン(α1-antichymotrypsin:ACT)、α-2マクログロブリン(α2-macrogrobulin:α2M)等、アルツハイマー病に関連のある微量分子がCSF中から多数見出され、このような微量分子を検査用マーカーとする研究等も行われている。しかしながら、これら微量分子はCSF中に微量しか含有されないため感度が不十分であり、また、アルツハイマー病との因果関係が現状では必ずしも明確ではない等の問題がある。



そこで、より正確な検査技術の開発が望まれており、例えば、患者から血液等の検体を採取し、該検体中に含まれる痴呆症患者に特異的なポリペプチドと、該ポリペプチドに対する抗体との抗原抗体反応を利用した免疫測定により、検体中に含まれる痴呆症患者に特異的なポリペプチドを測定する痴呆症の検査方法が提案されている(例えば特許文献1等参照)。この方法によれば、少量の検体でアルツハイマー病等の痴呆症を検査できるとされる。また、試料に蛍光標識が共有結合された凝集性アミロイドアミロイドβ蛋白質ペプチドを接触させる段階と、アミロイド凝集を示すものとして該試料に結合した該蛍光標識を検出する段階とを含む試料中のアミロイド凝集を検出又はモニターするための方法が提案され、例えばアルツハイマー病等を診断するために実施されることが提案されている(例えば特許文献2等参照)。



なお、CSFの存在によりβアミロイド線維形成がインビトロで抑制されるとの報告がされている(例えば、非特許文献1等参照。)。この報告においては、人工合成したアミロイドβ蛋白とリン酸塩緩衝液又はCSF(アルツハイマー病患者又は健常者)とを1:1で混合し、室温で最長70時間放置し、チオフラビンTを用いた蛍光分光定量法を利用して線維化したアミロイドβ蛋白を定量している。

【特許文献1】特開2000-193661号公報

【特許文献2】特表2001-515044号公報

【非特許文献1】WisniewskiT, Castano E, Ghiso J, Frangione B. Crerobrospinal fluid inhibits Alzheimerbeta-amyloid fibril formation in vitro. Ann Neurol 1993; 34: 631-3

産業上の利用分野


本発明は、アルツハイマー病を正確且つ簡便に検査するためのアルツハイマー病の検査方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アミロイドβ蛋白と被験者から採取した脳脊髄液、血液又は血液成分と、これらのいずれかと緩衝液とを混合して反応溶液を調製し、前記反応溶液中で前記アミロイドβ蛋白を重合反応させ、前記重合反応が平衡状態に到達した後、生成するβアミロイド線維の長さ、分子量、生成数、生成量等の重合を調べることを特徴とするアルツハイマー病の検査方法。

【請求項2】
平衡状態に到達した後の前記反応溶液と蛍光色素とを混合し、当該反応溶液の発色の程度を検出することにより、生成するβアミロイド線維の長さ、分子量、生成数、生成量等の重合を調べることを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病の検査方法。

【請求項3】
前記蛍光色素がチオフラビンT又はその誘導体であることを特徴とする請求項2記載のアルツハイマー病の検査方法。

【請求項4】
前記反応溶液中の前記アミロイドβ蛋白濃度が5μM~100μMであることを特徴とする請求項1~のいずれか1項記載のアルツハイマー病の検査方法。

【請求項5】
前記脳脊髄液、血液又は血液成分と、前記緩衝液とを混合した検査溶液に前記アミロイドβ蛋白を含むアミロイドβ蛋白溶液を混合して前記反応溶液を調製することを特徴とする請求項1~のいずれか1項記載のアルツハイマー病の検査方法。

【請求項6】
前記検査溶液が前記緩衝液を5~50体積%含むことを特徴とする請求項記載のアルツハイマー病の検査方法。

【請求項7】
前記アミロイドβ蛋白溶液がアンモニア水溶液にアミロイドβ蛋白を溶解したものであることを特徴とする請求項又は6記載のアルツハイマー病の検査方法。

【請求項8】
前記重合反応の際、前記反応溶液を温度37℃程度に加温することを特徴とする請求項1~のいずれか1項記載のアルツハイマー病の検査方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004381800thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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