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高分子固定化白金触媒及びその使用 実績あり

国内特許コード P06P003406
整理番号 E076P20
掲載日 2006年8月11日
出願番号 特願2005-011152
公開番号 特開2006-198491
登録番号 特許第4568802号
出願日 平成17年1月19日(2005.1.19)
公開日 平成18年8月3日(2006.8.3)
登録日 平成22年8月20日(2010.8.20)
発明者
  • 小林 修
  • 杉浦 正晴
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 高分子固定化白金触媒及びその使用 実績あり
発明の概要 【課題】 本発明は、白金触媒を両親媒性の架橋性高分子中に固定することにより調整された、高分子固定化白金触媒を用いる有機合成反応方法を提供する。
【解決手段】 白金を架橋高分子に担持させてなる高分子固定化白金触媒であって、該架橋高分子が芳香族側鎖及び親水性側鎖を有する架橋性高分子を架橋させてなることを特徴とする高分子固定化白金触媒である。この高分子担持白金触媒は、例えば極性溶媒を含む溶液中で該架橋性高分子に該白金の超微粒子を担持したミセルを形成した後、該架橋性高分子を架橋反応に付すことによって形成されることが好ましい。この触媒は、ヒドロシリル化反応、水素化反応、ホウ素化反応などに用いることができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


金属を種々の担体に固定し触媒として使用する試みは古くから行われているが、その多くは窒素やリン原子の配位結合を利用しており一般に触媒活性が十分でなく、回収再使用するうちに金属が流出し活性が徐々に低下するなどの問題を有している。
近年、マイクロカプセル化を利用して金属触媒をポリマーに担持させた高分子固定化触媒が開発されている(非特許文献1~4)。しかしながら、これらの高分子固定化触媒においても、耐溶剤性が不十分であったり、反応の種類によっては担持された金属が漏れ出すという問題があった(特許文献1)。
また、微少白金クラスターをポリマーミセルに担持させて触媒として用いる報告がなされているが、このような金属-ポリマーミセル複合体はコロイド溶液として存在しているため安定性に問題があり、回収再使用が困難である(非特許文献5)。
このような中、本発明者らはパラジウム触媒を、マイクロカプセル化法により架橋基を有するポリスチレン系のコポリマーにナノサイズクラスターとして担持し、その後熱架橋させることで、安定に固定化する技術を開発した。この架橋高分子中のパラジウムは0価で、リン原子などのリガンドも配位していない状態でいながら極めて安定に存在している(特許文献2,3、非特許文献6,7)。



一方、白金はパラジウムと同様に多くの化学反応を加速する重要な触媒であり、これまでに様々な無機物や有機化合物への固定化が試みられている(非特許文献8~10)。
しかしながら、これらの白金触媒には、反応性の低下や選択性の低下、回収再使用後の活性低下などの問題点が認められる。また通常、高分子担体への白金の固定化は、リン原子や窒素原子など白金に対して配位性の強い官能基を介して行われることから、他の配位子を導入して反応性や選択性を調整する目的には適さない。
ヒドロシリル化反応は、工業的にも実験室的にも重要な反応であり(非特許文献11)、工業用金属触媒としてはロジウムやマンガンが用いられている(非特許文献12,13)。この反応には均一系の白金も触媒活性を示すことが知られているが(非特許文献14)、回収が容易で、金属の漏出が無く、再使用時にも活性が低下しない固定化白金触媒が望まれている。



【特許文献1】
特開2002-66330
【特許文献2】
特開2002-253972
【特許文献3】
WO2004/024323
【非特許文献1】
S.Kobayashi et al. J.Am.Chem.Soc. 120, 2985(1998).
【非特許文献2】
S.Kobayashi et al. Org.Lett. 3, 2649(2001).
【非特許文献3】
T.Ishida et al. Adv.Synth.Catal. 345, 576(2003).
【非特許文献4】
S.Kobayashi et al. Chem.Commun. 2003, 449.
【非特許文献5】
J.Am.Chem.Soc. 119, 10116(1997).
【非特許文献6】
K.Okamoto et al. J.Org.Chem. 69, 2871(2004).
【非特許文献7】
K.Okamoto et al. Org.Lett. 6, 1987(2004).
【非特許文献8】
Hartley, F. R. "Supported Metal Compleses-A New Generation of Catalysts" D. Reidel Publishing Co., Dordrecht, Germany, 204頁、1985年
【非特許文献9】
Miao, Q. J.; Fang, Z-P.; Cai, G. P. Catal. Commun. 4, 637(2003).
【非特許文献10】
Drake, R.; Sherrington, D. C.; Thomson, S. J. Reactive and Functional Poymers, 60, 65(2004).
【非特許文献11】
Ojima, I. "The Chemistry of Organic Silycon Compounds" Patai, S; Rapoport, Z., eds.; Wiley: New York, 1479頁、1989年
【非特許文献12】
Michalska, Z. M.; Ostaszewski, B.; Strzelee, K. J. Organomet. Chem. 496, 19(1995).
【非特許文献13】
Hilal, H. S.; Suleiman, M. A.; Jondi, W. M.; Khalaf, S.; Masoud, M. M. J. Mol. Catal. A. 144, 47(1999).
【非特許文献14】
Speier, J. L.; Webster, J. A.; Barrnes, G. H. J. Am. Chem. Soc. 79, 974(1957).

産業上の利用分野


本発明は、白金触媒を両親媒性の架橋性高分子中に固定することにより調整された高分子固定化白金触媒及びこの触媒を用いた有機合成反応方法に関し、より詳細には、この高分子固定化白金触媒を用いたヒドロシリル化反応、水素化反応、及びホウ素化反応に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
白金を架橋高分子に担持させてなる高分子固定化白金触媒であって、架橋性高分子と白金を含む溶液に、極性の異なる貧溶媒を加えることで相分離を生じさせ、相分離により白金が担持された該架橋性高分子を架橋反応に付すことによって形成され、該架橋高分子が、芳香族側鎖、親水性側鎖及び架橋基を有することを特徴とするヒドロシリル化反応及びホウ素化反応のための高分子固定化白金触媒。

【請求項2】
前記架橋性高分子が更に芳香族側鎖以外の疎水性側鎖を有する請求項1に記載の触媒。

【請求項3】
前記架橋性高分子がエポキシ基と水酸基をともに持ち、該高分子を加熱による架橋反応に付すことによって形成された請求項1又は2に記載の触媒。

【請求項4】
前記架橋性高分子が、スチレンを含む重合性モノマーの共重合体である請求項1~3に記載の触媒。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[S06-05]
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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