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高分子固定化遷移金属触媒の製法 コモンズ

国内特許コード P06P003416
整理番号 E076P29
掲載日 2006年8月18日
出願番号 特願2005-022771
公開番号 特開2006-205105
登録番号 特許第4568803号
出願日 平成17年1月31日(2005.1.31)
公開日 平成18年8月10日(2006.8.10)
登録日 平成22年8月20日(2010.8.20)
発明者
  • 小林 修
  • 杉浦 正晴
  • 岡本 訓明
  • 金田 真幸
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 高分子固定化遷移金属触媒の製法 コモンズ
発明の概要 【課題】 遷移金属触媒を両親媒性の架橋性高分子中に固定することにより調整された高分子固定化遷移金属触媒の製法であって、従来のマイクロカプセル化法-架橋法では十分に固定できない原料を用いた場合でも、金属を微小クラスターとして高分子に固定することのでき、汎用性の高い製法を提供する。
【解決手段】 架橋性高分子と遷移金属化合物とを4級アンモニウム塩を含有する溶媒に均一に溶解又は分散させ、その結果遷移金属化合物が担持された高分子が生じるので、この析出物中の架橋性高分子の架橋基を架橋反応させて、高分子固定化遷移金属触媒を得る。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


高分子固定化触媒を用いる反応は、触媒と生成物との分離が容易であり、触媒の回収・再使用が可能になるため、経済性、資源の有効利用、環境保全の観点から近年注目を集めている。従って、より有効な高分子固定化触媒を開発するためには、触媒の新しい固定化法の開発が望まれる。
金属をナノサイズにまで微粒子化するとバルクの性質とは異なる様々な性質が発現する。このような金属クラスターと呼ばれる微粒子は通常数十個の金属で構成され、数ナノメーターのサイズを持ち特異な物性を示す。このような金属クラスターを有機合成用触媒として用いると、触媒活性が飛躍的に向上するが、金属クラスターは不安定できわめて凝集し易いため、汎用的な触媒としての利用は困難とされている。金属クラスターを安定に得るための手法の一つとして、安定剤の存在下で金属イオンを還元し、金属クラスターを得ようとする試みがある。この場合の安定化方法としては、シクロデキストリンなど空洞を持つ分子に取り込む、テトラアルキルアンモニウムハライドなどの4級アンモニウム塩で取り囲む、ポリマーミセルに担持させるなどが報告されている(非特許文献5)。しかしながら、このような手法で得られた金属クラスターの安定性は低く、化学反応における様々な条件下でその構造を保つことは困難であり、回収再使用などはほとんど不可能である。



一方、化学工業の分野に於いては、環境問題の深刻化やコスト削減の必性により、触媒使用量の低減化や、使用後の回収再使用が求められている。金属触媒を担体上に固定化する試みは古くから行われているが、通常、触媒を触媒活性や反応の選択性が低下、反応中の触媒金属の漏出による生成物の汚染、回収後の触媒活性の低下などを伴うため、より有効な金属触媒の固定化方法が求められている。
近年、マイクロカプセル化を利用して金属触媒をポリマーに担持させた高分子固定化触媒が開発されている(非特許文献1~4)。しかしながら、これらの高分子固定化触媒においても、耐溶剤性が不十分であったり、反応の種類によっては担持された金属が漏れ出すという問題があった(特許文献1)。
このような中、本出願の発明者らはパラジウム触媒を、マイクロカプセル化法により架橋性官能基を有するポリスチレン系のコポリマーにナノサイズクラスターとして担持し、その後熱架橋させることで、安定に固定化する技術を開発した。この架橋高分子中のパラジウムは0価で、リン原子などのリガンドも配位していない状態でいながら極めて安定に存在している(特許文献2,3、非特許文献6,7)。しかしながら、本手法には、金属、あるいは塩や配位子の種類によっては固定化が困難な場合が残されていた。



【特許文献1】
特開2002-66330
【特許文献2】
特開2002-253972
【特許文献3】
WO2004/024323
【非特許文献1】
S.Kobayashi et al. J.Am.Chem.Soc. 120, 2985(1998).
【非特許文献2】
S.Kobayashi et al. Org.Lett. 3, 2649(2001).
【非特許文献3】
T.Ishida et al. Adv.Synth.Catal. 345, 576(2003).
【非特許文献4】
S.Kobayashi et al. Chem.Commun. 2003, 449.
【非特許文献5】
J.Am.Chem.Soc. 119, 10116(1997).
【非特許文献6】
K.Okamoto et al. J.Org.Chem. 69, 2871(2004).
【非特許文献7】
K.Okamoto et al. Org.Lett. 6, 1987(2004).

産業上の利用分野


本発明は、微小遷移金属クラスターを両親媒性の架橋性高分子中に固定することにより調整される高分子固定化クラスター組成物及びその製法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
芳香族側鎖、親水性側鎖及び架橋基を有する架橋性高分子と、遷移金属化合物とを、当該架橋性高分子を溶解する溶媒中で均一化させ、生じた組成物を析出させ、当該析出物中の架橋基を架橋反応させることから成る高分子固定化金属触媒の製法であって、前記溶媒が4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする高分子固定化金属触媒の製法。

【請求項2】
前記架橋性高分子と前記遷移金属化合物とが均一化された溶液に、極性の異なる貧溶媒を加えることにより相分離を生じさせ、生じた組成物を析出させることから成る請求項1に記載の製法。

【請求項3】
前記遷移金属化合物が、遷移金属と配位子との錯体、又は遷移金属の酸化物、ハロゲン化物、シアン化物、水酸化物、カルボン酸塩、アセチルアセトナト塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩若しくは亜硝酸塩である請求項1又は2に記載の製法。

【請求項4】
前記4級アンモニウム塩がR(式中、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、炭素数が1~16の炭化水素基を表し、Xはハロゲンを表す。)で表される請求項1~3のいずれか一項に記載の製法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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