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立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法 コモンズ

国内特許コード P06P003466
整理番号 E076P22
掲載日 2006年8月18日
出願番号 特願2005-024585
公開番号 特開2006-206552
登録番号 特許第4596932号
出願日 平成17年1月31日(2005.1.31)
公開日 平成18年8月10日(2006.8.10)
登録日 平成22年10月1日(2010.10.1)
発明者
  • 小林 修
  • 秋山 良
  • 磯田 武寿
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法 コモンズ
発明の概要 【課題】アルデヒドとケイ素エノラートのアルドール反応により副生するケイ素成分を定量的に回収する手法を提供する。
【解決手段】アルデヒドとケイ素エノラートのアルドール反応による立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法であって、以下のステップ含むことを特徴とするケイ素成分の回収方法。 ステップ1:キラルリガンドの存在下、原料アルデヒドと原料ケイ素エノラート組成物〔一般式:Ra3Si-O-X(Raは、アルキル基を示し、Xは任意の置換基を示す)〕をアルドール反応させ立体選択的合成を行うステップ、 ステップ2:ステップ1の反応液を蒸留し、蒸留液として溶媒とともにケイ素成分を分離するステップ、および、 ステップ3:ステップ2の蒸留液を濃硫酸で処理し、生成ケイ素エーテル組成物〔一般式:(Ra3Si)2O(式中のRaは、前記のものを示す)〕を得ると同時に、精密蒸留によりケイ素成分を回収するステップ。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


立体選択的合成プロセスにおいて、トリアルキルシリル基、中でもトリメチルシリル(TMS)基は保護基や材料の表面処理等の用途として重要で、通常はTMS-Y(Yは脱離基)の構造を有するシリル化剤として大量に使用されている。また、シリル基は有機合成において保護基としてばかりではく、立体選択性の改善にも有用である。特にケテンシリルアセタールやシリルエノールエーテルなどのケイ素エノラートは、アルドール反応やマンニッヒ型反応、ディールス・アルダー反応などで優れた立体選択性を発現することから、現代有機合成化学で最も重要なテーマである不斉合成反応の分野で広く用いられている。
特にアルデヒドとケイ素エノラートとのアルドール反応(化1)は、原料の種類あるいは組み合わせによって様々なアルドール生成体を得ることができる。また、得られたアルドール生成体は、水酸基・カルボニル基といった変換可能な置換基を有することから、有機合成における有用な中間体である。さらに原料の種類および光学活性な触媒を選択することで、光学活性なアルドール成績体を立体選択的に得ることもできる。近年開発された医薬品において、光学活性医薬品の占める割合は増加傾向にあり、光学活性なアルドール生成体は有望な中間原料である。



【化1】




(R1はアルキル基、アリール基、またはこれらの誘導体を示し、R2、R3、および、R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、窒素原子、硫黄原子またはこれらの誘導体を示す。)
このアルドール反応において使用されるケイ素エノラートは各種のカルボニル化合物とTMS-Y(Yは脱離基として任意の置換基を示す)とから合成され、ここで導入されたTMS基はアルドール反応後に除去・廃棄される(化2)。すなわち、アルドール生成体のTMS基は、加水分解後に生成する水溶性のTMS-OH等の副生成物として廃棄されていた。このTMS-OHは反応性に富む低分子化合物であるためこれを定量的に回収することは困難であった。これは、シリル基を含む副生成物は単一の化合物ではない上、水溶性化合物である場合が多いことから、定量的な回収が困難なことに起因している。



【化2】




(R1はアルキル基、アリール基、またはこれらの誘導体を示し、R2、R3、および、R4は、 水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、窒素原子、硫黄原子またはこれらの誘導体を示し、Yは任意の脱離基を示す)

産業上の利用分野


この出願の発明は、立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法に関するものである。より詳しくは、ケイ素エノラートを用いて立体選択的合成反応を行った後に、副生したケイ素成分を回収して、ケイ素エノラートとして再利用するための技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
アルデヒドとケイ素エノラートのアルドール反応による立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法であって、以下のステップ含むことを特徴とするケイ素成分の回収方法。
ステップ1:ジルコニウムとキラルリガンドであるハロゲン置換ビナフトールとの活性錯体のモレキュラーシーブ(MS)固定化触媒の存在下、R1-CHO(R1はアルキル基またはアリール基を示す)で表される原料アルデヒドと、次式


(式中、TMSはトリメチルシリル基、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルコキシ基を示すか、あるいは、R2が次式


で表される1価の基、R3が水素原子、およびR4がメトキシ基を示し、全体として次式の化合物を構成する。


)で表される原料ケイ素エノラート化合物とを、TMS-O-TMSと精密蒸留により分溜可能な沸点を有する成分からなる溶媒中でアルドール反応させ、次式


(式中、TMS、R1、R2、R3、およびR4は前記と同義である)で表される目的化合物の立体選択的合成を行うステップ、
ステップ2:ステップ1の反応液を蒸留し、蒸留液として溶媒とともに反応液中に存在する目的化合物以外のケイ素成分を分離するステップ、および、
ステップ3:ステップ2の蒸留液を濃硫酸で処理し、TMS-O-TMSを得ると同時に、溶媒の沸点とTMS-O-TMSの沸点の違いを利用して、精密蒸留によりTMS-O-TMSをケイ素成分として回収するステップ。

【請求項2】
アルデヒドとケイ素エノラートのアルドール反応による立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法であって、以下のステップ含むことを特徴とするケイ素成分の回収方法。
ステップ1:ジルコニウムとキラルリガンドであるハロゲン置換ビナフトールとの活性錯体のモレキュラーシーブ(MS)固定化触媒の存在下、R1-CHO(R1はアルキル基またはアリール基を示す)で表される原料アルデヒドと、次式


(式中、TESはトリエチルシリル基、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルコキシ基を示すか、あるいは、R2が次式


で表される1価の基、R3が水素原子、およびR4がメトキシ基を示し、全体として次式の化合物を構成する。


)で表される原料ケイ素エノラート化合物とを、TES-O-TESと精密蒸留により分溜可能な沸点を有する成分からなる溶媒中でアルドール反応させ、次式


(式中、TES、R1、R2、R3、およびR4は前記と同義である)で表される目的化合物の立体選択的合成を行うステップ、
ステップ2:ステップ1の反応液を蒸留し、蒸留液として溶媒とともに反応液中に存在する目的化合物以外のケイ素成分を分離するステップ、および、
ステップ3:ステップ2の蒸留液を濃硫酸で処理し、TES-O-TESを得ると同時に、溶媒の沸点とTES-O-TESの沸点の違いを利用して、精密蒸留によりTES-O-TESをケイ素成分として回収するステップ。

【請求項3】
アルデヒドとケイ素エノラートのアルドール反応による立体選択的合成プロセスにおけるケイ素成分の回収方法であって、以下のステップ含むことを特徴とするケイ素成分の回収方法。
ステップ1:ジルコニウムとキラルリガンドであるハロゲン置換ビナフトールとの活性錯体のモレキュラーシーブ(MS)固定化触媒の存在下、R1-CHO(R1はアルキル基またはアリール基を示す)で表される原料アルデヒドと、次式


(式中、TiPSはトリイソプロピルシリル基、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、またはアルコキシ基を示すか、あるいは、R2が次式


で表される1価の基、R3が水素原子、およびR4がメトキシ基を示し、全体として次式の化合物を構成する。


)で表される原料ケイ素エノラート化合物とを、TiPS-O-TiPSと精密蒸留により分溜可能な沸点を有する成分からなる溶媒中でアルドール反応させ、次式


(式中、TiPS、R1、R2、R3、およびR4は前記と同義である)で表される目的化合物の立体選択的合成を行うステップ、
ステップ2:ステップ1の反応液を蒸留し、蒸留液として溶媒とともに反応液中に存在する目的化合物以外のケイ素成分を分離するステップ、および、
ステップ3:ステップ2の蒸留液を濃硫酸で処理し、TiPS-O-TiPSを得ると同時に、溶媒の沸点とTiPS-O-TiPSの沸点の違いを利用して、精密蒸留によりTiPS-O-TiPSをケイ素成分として回収するステップ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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