TOP > 国内特許検索 > 新規なルテニウム錯体を用いたアリル系保護基の除去方法及びアリルエーテル類の製造方法

新規なルテニウム錯体を用いたアリル系保護基の除去方法及びアリルエーテル類の製造方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P06P003718
整理番号 NU-0030
掲載日 2006年8月18日
出願番号 特願2005-027096
公開番号 特開2005-289977
登録番号 特許第4910186号
出願日 平成17年2月2日(2005.2.2)
公開日 平成17年10月20日(2005.10.20)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
優先権データ
  • 特願2004-068217 (2004.3.10) JP
発明者
  • 北村 雅人
  • 田中 慎二
  • 佐分 元
出願人
  • 学校法人名古屋大学
発明の名称 新規なルテニウム錯体を用いたアリル系保護基の除去方法及びアリルエーテル類の製造方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

【課題】 いかなる添加剤も使用することなく、高反応率及び官能基選択性において単一工程によるアリル基の除去を可能とするアリル基の触媒的除去方法を提供すること、また、いかなる添加剤も使用することなく、アリルアルコールとアルコールとから触媒的脱水アリル化反応によりアリルエーテル類を高効率で製造する技術を提供すること。
【解決手段】 α-イミノ酸型配位子又はα-アミノ酸型配位子を有するシクロペンタジエニルルテニウム(II)錯体又は(IV)錯体存在下におけるアリル基の除去方法、並びにアリルエーテル類の製造方法。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


保護基は、種々の官能基を有する有機分子の多段階合成において、極めて重要な働きを有する。その中でアリル基は、その構造の単純性、酸・塩基に対する安定性等からヒドロキシル基の保護基として有用であり、アリルエーテルが保護体として注目されている。



最近の有機合成技術において行われる保護基の除去に関しては、高反応率及び官能基選択性に加え、工程の簡素化、経済性や環境調和性の要請も高まってきている。アリル基の除去に関しても様々な触媒的除去方法や、非触媒的除去方法が報告されている(例えば、非特許文献1乃至4参照。)。



しかしながら、いずれの方法によってもアリル結合の切断には多段階を必要としたり、酸、塩基、還元剤の添加を要するなど、上記要請に充分対応できる技術は未だ存在しないのが実情である。



一方、ヒドロキシル基の保護体として有用なアリルエーテルの合成に関しては、その多くがWilliamson型エーテル合成法に依存している(例えば、非特許文献5参照。)。かかる合成法は、高い化学収率で目的とするアリルエーテルを合成できるという利点はあるが、アルコールを金属アルコキシドないしハロゲン化アルキルに、アリルアルコールを対応するハロゲン化物かアルコキシドに変換しなければならず、基質を活性化して当量の金属塩が副生し二重の損失にとなるなど原子効率は低く、またEファクター((化学物質の製造において使用されるすべての物質量)-(製品として販売された物質量)/(製品として販売された物質量))も高い。更に、反応系が強塩基性となるために、化学選択性も低下する。



理想的アリルエーテルの合成法の開発に向けて、これまでに酸触媒を用いる脱水縮合法(例えば、非特許文献6及び7参照。)、Hg(II)、Pd(II)又はCu(II)触媒を用いるオキシ金属化・脱ヒドロキシ金属化法(例えば、非特許文献8及び9、特許文献1参照。)、πアリル機構に基づく様々な触媒的手法(例えば、特許文献2参照。)、が報告されてきた。しかしながら、いずれも化学収率が低い、触媒効率が低い、アリルアルコールを過剰に用いなければならない、ジアルキルエーテルが副生する、オレフィンの異性化が併発する等の問題点を有していた。



アルコールと1モル量のアリルアルコールから、余計な添加剤や溶媒を用いることなく、触媒的にアリルエーテルを合成することができれば理想的であるが、ヒドロキシル基の低脱離性、アルコールの低求核性により効率的合成法の実現は困難であるのが実情である。

【特許文献1】Oguchi, W.; Uchida, H. WO Patent 03/106024, 2003.

【特許文献2】特開平05-306246号公報

【非特許文献1】J. Cunningham, R. Gigg, C. D. Warren, Tetrahedron Lett. 1964, 1191-1196.

【非特許文献2】K. C. Nicolaou, C. W. Hummel, N. J. Bockovich, C. H. Wong, J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 870-872.

【非特許文献3】T. Taniguchi, K. Ogasawara, Angew. Chem, Int. Ed. 1998, 37, 1136-1137.

【非特許文献4】A. Dahlen, A. Sundgren, M. Lahmann, S. Oscarson, G. Hilmersson, Org. Lett. 2003, 5, 4085-4088.

【非特許文献5】Williamson, A. W, J, Chem. Soc. 1852, 4,229.

【非特許文献6】Moffett, E. J. Am. Chem. Soc. 1934, 56, 2009.

【非特許文献7】Senderens, M. J.-B. Compt. Rend. 1925, 181, 698-701.

【非特許文献8】Watanabe, W. H.; Conlon, L. E.; Hwa, J. C. H. J. Org. Chem. 1958, 23, 1666-1668.

【非特許文献9】Dumlao, C. M.; Francis, J. W.; Henry, P. M. Organometallics 1991, 10, 1400-1405.

産業上の利用分野


本発明は、ヒドロキシル基等の保護基として有用なアリル基を、新規なルテニウム錯体を用いて除去する技術に関するものである。本発明はまた、該ルテニウム錯体を用いてアルコール類の触媒的脱水型反応によりアリルエーテル類を製造する技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】 [手続補正20111104]  キナルジン酸配位子又はピコリン酸配位子を有するシクロペンタジエニルルテニウム(II)錯体又は(IV)錯体。
【請求項2】 [手続補正20111104]  アリルエーテル類、アリル炭酸エステル類及びアリルエステル類からアリル基を除去する方法であって、キナルジン酸配位子又はピコリン酸配位子を有するシクロペンタジエニルルテニウム(II)錯体又は(IV)錯体存在下においてアルコールを含む溶媒中でアリル基を除去することを特徴とするアリル基の除去方法。
【請求項3】 [手続補正20111104]  アリルエーテル類が下記一般式(I)又は(II)で表される、請求項に記載のアリル基の除去方法。  【化1】 式中、Rは置換されていてもよいアリル基を表し、RはCCHCH、2-インダニル、CCH(CHC、C、CH=CHCHCHCH、又は  【化2】を表す。  【化3】 式中、Rは置換されていてもよいアリル基を表し、RはCCO、CCH、CHOCH、又は(tert-C)(CSiを表す。
【請求項4】 [手続補正20111104]  キナルジン酸配位子又はピコリン酸配位子を有するシクロペンタジエニルルテニウム(II)錯体又は(IV)錯体存在下において、溶媒を使用することなくアリルアルコールとアルコールの混合物から脱水型アリル化反応によりアリルエーテル類を製造することを特徴とするアリルエーテル類の製造方法。
【請求項5】 [手続補正20111104]  キナルジン酸配位子又はピコリン酸配位子を有するシクロペンタジエニルルテニウム(II)錯体又は(IV)錯体存在下において、非プロトン性溶媒中でアリルアルコールとアルコールの混合物から脱水型アリル化反応によりアリルエーテル類を製造することを特徴とするアリルエーテル類の製造方法。
【請求項6】 [手続補正20111104]  非プロトン性溶媒がジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、アニソール及び酢酸メチルから選択される少なくとも一種を含有する、請求項に記載のアリルエーテル類の製造方法。
【請求項7】 [手続補正20111104]  アルコールが2-フェニルエタノール、シクロヘキサノール、2-インダノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエタノール、3-ブテノール、5-ヘキセノール、4-ペンチノール、フェノール及びラニオールから選択される、請求項乃至のいずれかに記載のアリルエーテル類の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
名古屋大学の公開特許情報を掲載しています。ご関心のある案件がございましたら、下記まで電子メールでご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close