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スポンジ状白金ナノシートをカーボンに担持せしめてなる白金-カーボン複合体とその製造方法 コモンズ 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P06P004377
整理番号 E-007
掲載日 2006年9月8日
出願番号 特願2005-037405
公開番号 特開2006-228450
登録番号 特許第4934799号
出願日 平成17年2月15日(2005.2.15)
公開日 平成18年8月31日(2006.8.31)
登録日 平成24年3月2日(2012.3.2)
発明者
  • 木島 剛
  • 酒井 剛
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 スポンジ状白金ナノシートをカーボンに担持せしめてなる白金-カーボン複合体とその製造方法 コモンズ 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要

【課題】 白金ナノシートを担持した、新規な形態の白金-カーボン複合体を創出し、触媒や電極などに適用することにより従来にない性能、作用効果を実現する。
【解決手段】 白金錯化合物、二種類の非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤一種とイオン性界面活性剤一種の合わせて二種類の界面活性剤、水、および各種カーボンからなる反応混合物を調製し、次いでこの反応混合物に還元剤水溶液を添加して反応させることにより、貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5~4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20~100nmの単結晶および結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3~2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートをカーボンに担持した、白金-カーボン複合体を生成させ、これを回収する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


燃料電池やエネルギー変換および物質変換のための各種電極触媒およびガス拡散電極は、一般に、カーボン等の導電性担体に、金属塩の水溶液あるいはコロイド分散系を用いて、含浸法、イオン交換法、共沈法などによって金属成分を導入したのち、焼成、水素還元などの処理を行なうことにより調製される(非特許文献1)。すなわち、電極触媒は、固体担体の表面に金属粒子を担持した複合粒子の形で反応に供され、その活性は、金属種はもとより、担持された金属微粒子の大きさ、結晶面の種類、担体の種類などによって変化し、その中でも活性に与える影響の大きな要素としては、金属微粒子の形状および大きさの制御は特に重要である。担持される金属の粒子径および形状は調製条件に依存し、例えば、テトラアンミンジクロロ白金を原料としてゼオライトに担持した白金微粒子の平均粒径は、空気中焼成では6nm、真空中焼成では1nm以下になることが報告されている(非特許文献2)。



さらに、金属触媒の活性と粒子サイズとの関係は、対象とする反応によって異なり、粒子サイズが大きくなるにつれて活性が低下する系(例:Pt/活性炭による2,3-ジメチルブタンの脱水素反応)、逆に増大する系(例:Pt/アルミナによるメチルシクロペンタンの水素化分解反応)、さらには活性が粒子サイズによらない系(例:Pt触媒によるSOおよびHの酸化反応)の存在も報告されている(非特許文献3)。



このため、白金触媒および白金電極触媒の調製法として、上記の一般的な方法を様々に工夫することに加えて、ポリビニールピロリドンなどの保護剤存在下で液相還元し貴金属コロイドを作製する方法(非特許文献4)なども開発されてきている。さらに最近、メソポーラスシリカの細孔内に導入した塩化白金酸を水素還元または光還元することにより、各々直径2.5nmの白金粒子と白金ワイヤーが得られ、ブタン水素化反応に対して後者は前者の数十倍高い活性を示すことも報告されている(非特許文献5)。



一方、本発明者らは、二種類の界面活性剤から成る液晶を鋳型として塩化白金酸を還元する手法を開発し、還元剤および白金塩の種類によって、外径6~7nm、内径3~4nmの白金、パラジウムなどの貴金属ナノチューブおよびスポンジ状貴金属ナノ粒子を開発するのに成功し、その成果を先に特許出願した(特許文献1、特許文献2)。



しかしながら、本発明者らにおいて開発した白金ナノ構造体に関する上記文献2の記載内容は、白金ナノ構造体が独立して生成するバルクの超微粉を製造するプロセスについて提示しているが、この生成物を担体に担持せしめることについては具体的な開示がなされていなかった。白金は、資源的に希少であり、世界的にも分布している地域が極めて偏在し、高価である。したがって、前記白金ナノ構造体(シート)を、触媒、電極触媒、ガス拡散電極等において今後一層の有効活用を図っていくためには、実効性のある使用形態、すなわち、白金の形状をナノサイズで制御して白金ナノ構造体を担体に担持することが極めて重要であり、早急にその完成が待たれている。



一般に、白金粒子を担体に担持することについては、これまで多数の報告例がある。例えば、燃料電池用の電極触媒およびガス拡散電極として、難黒鉛化性炭素を主成分とし、構造の一部に乱層構造を有する炭素材料に、貴金属粒子が担持されている燃料電池用電極触媒(特許文献3)や、白金粒子の平均粒径が1.9~2.3nmであり、白金粒子が60~80wt%であることを特徴とする電極(特許文献4)など、ガス拡散性に着目した電極触媒およびその製造方法が提案されている。しかしながら、本発明のように、反応活性中心である白金の形状をナノサイズで制御してカーボン担体に担持した例はこれまでにない。



さらに、触媒層が、触媒金属、炭素粒子および水素イオン伝導性高分子電解質とからなる複次粒子であり、複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とするもの(特許文献5)や触媒粒子としての白金粒子表面上に導電性高分子層と、水溶性高分子保護層とからなる白金ナノパーティクル(特許文献6)などが提案されているが、これらはいずれも、白金の微粒子上に高分子などを取り付けて機能化したものであり、白金そのものの形状を制御しているものではない。



上記以外にも、合金粒子が平均的な結晶の大きさ0.5~2nmを有することを特徴とする、粉末形の電気伝導性担体材料上に微細に分散された合金粒子を含有する白金/ルテニウム合金触媒(特許文献7)や、2つの貴金属が相互に合金されておらずかつ高分散された形で担体材料上に存在しており、この際白金のクリスタリットの大きさは、2nm未満でありかつルテニウムのクリスタリットの大きさは、1nm未満である触媒(特許文献8)などがあるが、合金化あるいは2種類の元素を用いているにすぎず、形状の制御は行なわれていない。



ガス拡散電極としては、導電性担体に担持させた銀微粒子と希土類酸化物微粒子の複合触媒であって、希土類酸化物微粒子にアルカリ土類金属を固溶させることで、酸素還元活性が高い電極触媒を実現したもの(特許文献9)や、撥水化処理したカーボンシートをオゾン処理してカーボン表面を酸化した後、白金錯体陽イオンを溶存種として含有する溶液中に浸漬してイオン交換し、次いで還元剤により還元することを特徴とするガス拡散電極(特許文献10)などが提案されているが、これらもやはり、活性中心としての貴金属触媒の形状は制御されていない。




【非特許文献1】富永博夫ほか1名、化学総説「触媒設計」、日本化学会編、1982年、p.50-63

【非特許文献2】内田正之ほか2名、触媒、22、310(1977)

【非特許文献3】荒井弘通ほか1名、「超微粒子―その化学と機能」、朝倉書店、1993年、p.124-128

【非特許文献4】N. Toshimaほか1名、Bull. Chem. Soc. Jpn., 65, 400 (1992)

【非特許文献5】A. Fukuokaほか7名、Catalysis Today, 66, 23-31 (2001)

【特許文献1】木島 剛、特開2004-034228

【特許文献2】木島 剛 ほか1名、特願2004-223809

【特許文献3】尾崎 純一 ほか2名、特開2005-019332

【特許文献4】寺田 智明 ほか4名、特開2004-335252

【特許文献5】内田 誠 ほか4名、特開2004-139789

【特許文献6】榎本 正、特開2003-282078

【特許文献7】エマヌエル アウアー ほか3名、特開平11-250918

【特許文献8】エマヌエル アウアー ほか5名、特開平10-334925

【特許文献9】蜂谷 敏徳 ほか1名、特開2004-209468

【特許文献10】安田 和明 ほか3名、特開平8-162124

産業上の利用分野


本発明は、金属白金の化学的および電気化学的特性を利用した燃料電池用電極触媒、自動車排ガス処理用触媒等、各種化学反応に対する触媒、燃料電池用ガス拡散電極、金属―空気電池用ガス拡散電極、食塩電解用ガス拡散電極、電気分解用等のガス拡散電極等、各種態様の電極材料、さらにはマイクロリアクター構成部材、物質貯蔵材料などとして使用される、特定の構造のスポンジ状白金ナノシートをカーボンに担持せしめてなる、新規な形態の白金-カーボン複合体とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5~4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20~100nmの単結晶および微結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3~2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートをカーボンに担持してなることを特徴とする、白金-カーボン複合体。

【請求項2】
ヘキサクロロ白金酸塩等の白金錯化合物よりなる群から選択された一種類の白金錯化合物、ノナエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機硫黄酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーよりなる群から選択された二種類の非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤一種とイオン性界面活性剤一種の合わせて二種類の界面活性剤、水、およびカーボンからなる混合物を反応させることによりカーボン含有液晶前駆体を調製し、次いでこのカーボン含有液晶前駆体に還元剤水溶液を添加して反応させることにより、貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5~4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20~100nmの単結晶および結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3~2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートをカーボンに担持した、白金-カーボン複合体を生成し、これを回収することを特徴とする、白金-カーボン複合体の製造方法。

【請求項3】
前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項2記載の白金-カーボン複合体の製造方法。

【請求項4】
請求項1記載のスポンジ状白金をカーボンに担持してなる白金-カーボン複合体を、触媒材料として使用することを特徴とした、白金-カーボン複合体からなる触媒。

【請求項5】
前記触媒が、特に燃料電池用触媒である、請求項記載の白金-カーボン複合体からなる触媒。

【請求項6】
請求項1記載のスポンジ状白金をカーボンに担持してなる白金-カーボン複合体を、ガス拡散電極材料として使用することを特徴とした、白金-カーボン複合体からなるガス拡散電極材料。

【請求項7】
前記ガス拡散電極材料が、特に燃料電池用ガス拡散電極である、請求項記載の白金-カーボン複合体からなるガス拡散電極材料。

【請求項8】
請求項1記載のスポンジ状白金をカーボンに担持してなる白金-カーボン複合体を、マイクロリアクター構成部材として使用することを特徴とした、白金-カーボン複合体からなるマイクロリアクター構成部材。
産業区分
  • その他電子
  • その他無機化学
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005037405thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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