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キラルセンサーおよびキラルセンシング方法 コモンズ

国内特許コード P06P003536
整理番号 E063P29
掲載日 2006年9月22日
出願番号 特願2005-060283
公開番号 特開2006-242809
登録番号 特許第4084364号
出願日 平成17年3月4日(2005.3.4)
公開日 平成18年9月14日(2006.9.14)
登録日 平成20年2月22日(2008.2.22)
発明者
  • 江 東林
  • 李 維実
  • 砂 有紀
  • 相田 卓三
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 キラルセンサーおよびキラルセンシング方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 広範なサイズと種類のキラル分子を高感度にキラルセンシングすることのできる新しい技術を提供する。
【解決手段】 例えば下記の式で表わされる、ポルフィリンが三次元的に広がったデンドリマー構造の化合物をホスト化合物として、目的のキラル分子の両末端をビピリジン環などで修飾したゲスト化合物とのホスト-ゲスト錯体の円二色性スペクトルを測定する。下記式中、nは1~10の整数(好ましくは1~3の整数)、Xは例えばエステル結合、Zは例えばベンジルエーテル基、Yは例えば水素原子、Mは例えば亜鉛を表わす。



【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


キラル分子(キラル化合物)のキラリティーを判別(識別)するキラルセンシングは、不斉触媒反応や立体選択性合成と関連して基礎科学ばかりでなく、キラル分離、製薬などへの応用的側面からも注目されている。しかしながら、分子量、融点・沸点、極性などの物理特性が全く同じであるキラル分子のキラリティーを判別することは容易ではない。キラルセンシングを効率的に行なうには、ゲスト分子としてのキラル分子に対してできるだけ数多くの分子認識部位を有するホスト分子を用いることが望ましい。さらに、ゲスト分子のキラリティーをシグナルに変換してアウトプットし、かつそのシグナルを増幅する機能を持ち合わせたホスト分子を開発することが重要なポイントとなる。これまでに、分子認識能とシグナル増幅能のどちらかの一方を優先的に有する系は数多く報告されているが、両者を兼備した系はほとんど見出されない。



最近、所謂超分子を用いるキラルセンシングが、基礎・応用の両面から注目されている。キラルセンシングを行なうには、あらかじめ設計された超分子をホスト分子として用い、キラルなゲスト分子との相互作用によって生じたホスト-ゲスト錯体の吸収スペクトルや円二色性スペクトルを測定し、その変化(相違)をシグナルとしてキラリティーを判別するという手法が有効で、関心を集めつつある。これまでに、ホスト分子としてクラウンエーテルやカリックスアレンなどの大環状化合物とそれらの金属錯体や直鎖状の共役ポリマーなどが用いられた。しかし、これらの多くはキラルセンシング能がきわめて低い。大環状化合物の場合、キラルゲストを環内にトラップすることが可能であり、高い分子認識能は得られるが、可視部に吸収バンドを持たないとシグナルの転写・増幅能が非常に低くなる。また、直鎖状の共役ポリマーは広いπ-共役系を有するため、シグナルの増幅は可能であるが、キラル分子を捕捉する能力が乏しい。



共役系大環状分子であるポルフィリンは様々なゲスト分子と配位結合により錯体を形成する。それに伴い、紫外・可視吸収スペクトルが大きく変化することがよく知られている。また、キラルゲスト分子の場合、吸収スペクトルだけではなく、ゲスト分子のキラリティーに応じて、円二色性スペクトルも大きく変化する。従って、これらのスペクトル変化がゲスト分子のキラリティーを識別するためのシグナルとして利用できる。これまでに、ポルフィリン二量体を用いたキラルセンシングが行なわれているが(中西ら、J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 5962:非特許文献1;井上ら、J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 2979:非特許文献2)、ポルフィリン間の距離が空間的に制限されているため、ゲスト分子のサイズや種類が限られている。
【非特許文献1】
中西ら、J. Am.Chem. Soc. 2001, 123, 5962
【非特許文献1】
井上ら、J. Am.Chem. Soc. 2001, 123, 2979

産業上の利用分野


本発明は、キラルセンシング方法、および該方法に有用なキラルセンシング剤(キラルセンサー)に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式1、式2または式3で表わされるマルチポルフィリンデンドリマー化合物から成ることを特徴とするキラルセンシング剤。
【化1】


【化2】


【化3】


(式1、式2および式3において、nは、1~10の整数を表し、Xは、エステル、エーテル、アミド、アルケン、ケトン、アミン、アルコキシ、ビニル、フェニル、チオルエーテル、スルフォン、リン酸、環状チオフィン、環状アミン、または、ペプチドから選ばれる結合を表わし、Zは水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖状もしくは分岐状アルキル基、エチレングリコール鎖もしくはそのオリゴマー、ポリマー鎖、置換もしくは無置換のフェニル基、または、置換もしくは無置換のベンジルエーテル基から選ばれる官能基または原子団を表わし、Yは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖状もしくは分岐状アルキル基、エチレングリコールもしくはそのオリゴマー、ポリマー鎖、または置換もしくは無置換のフェニル基から選ばれる官能基または原子団を表わし、Mは、水素原子、ケイ素原子、または亜鉛、鉄、マンガン、マグネシウム、コバルト、金、錫、ルテニウム、ロジウムもしくは希土類金属から選ばれる金属原子を表わす。)

【請求項2】
nが1~3の整数を表わすことを特徴とする請求項1に記載のキラルセンシング剤。

【請求項3】
Xがエステル、エーテル、またはアミドから選ばれる結合を表わすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキラルセンシング剤。

【請求項4】
Zが水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換のベンジルエーテル基を表わすことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のキラルセンシング剤。

【請求項5】
Yが水素原子、またはハロゲン原子を表わすことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のキラルセンシング剤。

【請求項6】
Mが亜鉛、鉄、マンガンまたはコバルトから選ばれる金属原子を表わすことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のキラルセンシング剤。

【請求項7】
キラル分子のキラリティーを判別するキラルセンシング方法であって、
(1)下記の式4で表され目的のキラル分子の両末端を窒素原子、リン原子、イオウ、または酸素を含む原子団で修飾したゲスト化合物を調製する工程、および、
(2)請求項1~6のいずれかに記載のマルチポルフィリンデンドリマー化合物をホスト化合物として、前記ゲスト化合物とのホスト-ゲスト錯体の円二色性スペクトルを測定する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【化4】


(式4において、CRは目的のキラル分子の残基を表わし、Lは窒素原子、リン原子、
イオウ、または酸素を含む原子団を表わす。)

【請求項8】
式4で表されるゲスト化合物におけるLが、ピリジン、イミダゾール、ヒスチジン、トリフェニルホスフィン、フェノール、ベンジルアルコール、またはスルフィドを含むものから選ばれることを特徴とする請求項7に記載のキラルセンシング方法。

【請求項9】
ゲスト化合物が、下記の式5で表されるものであることを特徴とする請求項8に記載のキラルセンシング方法。
【化5】


(上記式中、CRは目的のキラル分子の残基を表わす。)
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 相田ナノ空間プロジェクト 領域
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