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光学特性測定装置、光学特性測定方法、並びに、それに用いるプログラムおよび記録媒体

国内特許コード P06P004542
整理番号 P2004-242
掲載日 2006年9月22日
出願番号 特願2005-059503
公開番号 特開2006-242771
登録番号 特許第4701385号
出願日 平成17年3月3日(2005.3.3)
公開日 平成18年9月14日(2006.9.14)
登録日 平成23年3月18日(2011.3.18)
発明者
  • 竹内 繁樹
  • 岡本 亮
出願人
  • 学校法人北海道大学
発明の名称 光学特性測定装置、光学特性測定方法、並びに、それに用いるプログラムおよび記録媒体
発明の概要

【課題】 揺動や温度変化の大きい環境でも、また、測定対象物の種類によらず、測定が可能であり、測定周波数領域が広く、かつ測定精度が高い光学特性測定装置および方法を提供する。
【解決手段】 光学特性測定装置10は、光子対A・Bを生成して光子Aを光学素子4に射出する非線形光学結晶2と、光子Aと光子Bとの光路差を変化させる光学遅延回路6と、光子A・Bを透過および反射し、光子Aの反射成分と光子Bの透過成分とを混合して光子検出器7Aに導き、光子Aの透過成分と光子Bの反射成分とを混合して光子検出器7Bに導くビームスプリッタ5と、光子検出器7A・7Bによって同時に光子が検出される頻度を同時計数率として計測する同時計数装置8と、計測された同時計数率から光路差の変化に対する同時計数率の変化を求め、該同時計数率の変化におけるディップ部分の値に基づき光学素子4の光学特性値の波長依存性を算出する分析装置9とを備える。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


光周波数領域における従来の位相分散測定方法としては、次のようなものがある。



1.白色干渉法
2.吸収法(クラマース・クローニッヒ法)
3.ベースバンドAM応答法
4.パルス遅延法
5.位相シフト法
1.の白色干渉法は、特に材料測定などで広範に用いられている方法であり、例えば非特許文献1に記載されている。この方法は、光を2つの成分に分岐させ、一方の成分を参照光(リファレンス光)として用いて、もう一方の成分を信号光として測定対象物中に伝搬させる。測定対象物を透過した後の信号光を、光遅延回路を通った参照光に干渉させ、参照光の遅延時間を変えて干渉フリンジを得るものである。入射光波長の変化による干渉フリンジの変化から、位相分散を得ることができる。



2.の吸収法(クラマース・クローニッヒ法)も、材料測定などで広範に用いられている方法である。この方法は、材料の透過スペクトルが、クラマース・クローニッヒ(KKR)変換によって、材料の位相分散に変換できることを用いる。したがって、材料の透過スペクトルを測定し、測定された透過スペクトルをKKR変換によって位相分散に変換することで、位相分散を求めることができる。



3.のベースバンドAM応答法については、例えば非特許文献2に記載されている。この測定方法は、光を強度変調したときに光搬送波の両端に生じる側波帯が、光ファイバの波長分散によって遅延を生じ、変調周波数を変化させるとその位相関係によって光検出後に現れる変調周波数が周期的に変化することを利用する。つまり、光搬送波と光側波帯との位相差が90度となる遅延を受けたとき、変調強度は最低(ディップ)となる。この方法は、干渉計を利用する必要がなく、揺動や温度変化などに比較的強い。



4.のパルス遅延法は、例えば非特許文献3に記載されている。このパルス遅延法は、異なる中心波長を持つ光パルスを測定する光ファイバ中で伝搬させ、光ファイバにおいて光パルスの相対的伝搬遅延時間を測定し、その測定結果に基づいて波長分散を測定するものである。



5.の位相シフト法による位相分散の測定については、例えば非特許文献4に記載されている。この位相シフト法では、まず、単一モードレーザの光を、光変調器を用いて変調し、測定対象の光ファイバに入射させる。入射した光は、光ファイバの群速度分散効果を受け、光ファイバから出射する光のベースバンド信号の位相が光の波長の変化とともに変化する。そして、波長の変化に対するベースバンド信号の位相の変化をオシロスコープ上で測定し、群速度分散を導く。



また、特許文献1には、測定光を分岐し、一方は被測定物を通過する前に変調し、他方は通過した後で変調して干渉計に入射させ、変調周波数をスキャンしながら干渉計の端子から出射する光の平均出力を光検出器を用いて測定することにより干渉フリンジを得、光源の波長が変わるとフリンジがシフトする現象を用いて、光の波長分散を測定する光分散測定装置が記載されている。



また、特許文献2には、被測定物の減衰定数、遅延時間、分散等の光学パラメータの波長依存性を測定する光特性測定装置であって、エンタングル光子対を生成し、該エンタングル光子対の内の一方である第一光を前記被測定物に出力するパラメトリック増幅器と、第二光の光路長を変化させる可変遅延器と、前記被測定物を透過した前記第一光を透過および反射し、前記エンタングル光子対の内の他方である第二光を透過および反射し、前記第一光の反射成分と前記第二光の透過成分とを合波した第一合波光を出力し、前記第一光の透過成分と前記第二光の反射成分とを合波した第二合波光を出力するハーフミラーと、前記第一合波光を検出する第一光子検出器と、前記第二合波光における光子を検出する第二光子検出器と、前記第一光子検出器および第二光子検出器によって同時に光子が検出される頻度(一致検出確率)を計測する光子一致検出計測手段と、前記光子一致検出計測手段が計測した量に基づき前記被測定物の光特性を測定する特性測定手段とを備えた光特性測定装置が記載されている。

【特許文献1】特開2001-194268号公報(2001年7月19日公開)

【特許文献2】特開2004-85275号公報(2004年3月18日公開)

【非特許文献1】M. Tateda, N.Shibata and S. Seikai, "Interferrometric method for chromatic dispersion measurement in a single-mode optical fiber", IEEE journal of quantum electronics, 1981, vol. 17, no. 3, p. 404-407

【非特許文献2】堀内幸夫、「光ネットワークにおける波長分散測定技術動向」、月刊オプトロニクス、2003年10月号、p. 121-125

【非特許文献3】L.G.cohen and C. Lin, "Pulse delay measurements in the zeromaterial dispersion wavelength region for optical fibers", Applied Optics, vol. 16, no. 12, p. 3136-3139 (1977)

【非特許文献4】K. Daikoku and A. Sugimura, "Direct measurement of wavelength dispersion in optical fiber-different method", Electronics letters, 1978, vol.14, No. 5, p. 149-151

【非特許文献5】L. Mandel et al., "Measurement of Subpicosecond Time Intervals between Two Photons by Interference", PHYSICAL REVIEW LETTERS, VOLUME 59, NUMBER 18, 1987年11月2日, p. 2044-2046

【非特許文献6】M. Atature et.al., "Partial Distinguishability in Femtosecond Optical Spontaneous Parametric Down-Conversion", PHYSICAL REVIEW LETTERS, VOLUME 83, NUMBER 7,1999年8月16日,p. 1323-1326

【非特許文献7】Y.-H. Kim et. al., "Anticorrelation effect in femtosecond-pulse pumped type-II spontaneous parametric down-conversion", PHYSICAL REVIEW A. VOLUME 64, 011801, 2001年6月1日公開

産業上の利用分野


本発明は、測定対象物の光学特性値の波長依存性、例えば、位相分散スペクトル(屈折率の波長依存性)や透過スペクトル(透過率の波長依存性)などを測定する光学特性測定装置および光学特性測定方法、並びに、それに用いるプログラムおよび記録媒体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象物の光学特性値の波長依存性を測定する光学特性測定装置であって、
互いに量子相関を持つ第1光子および第2光子からなる光子対を生成し、第1光子を上記測定対象物に射出する光子対生成手段と、
上記測定対象物を透過した第1光子を部分反射面で透過および反射することによって反射成分である第1成分および透過成分である第2成分に分割し、上記第2光子を部分反射面で透過および反射することによって反射成分である第3成分および透過成分である第4成分に分割し、第1光子の第1成分と第2光子の第3成分とを混合して第1混合光を生成し、第1光子の第2成分と第2光子の第4成分とを混合して第2混合光を生成する光混合手段と、
第1光子と第2光子との光路差を変化させる光路差制御手段と、
上記第1混合光および第2混合光の光子を検出する光子検出手段と、
上記光子検出手段によって上記第1混合光の光子と第2混合光の光子とが同時に検出される頻度を同時計数率として計測する同時計数率計測手段と、
上記同時計数率計測手段によって計測された同時計数率から、第1光子と第2光子との光路差の変化に対する同時計数率の変化を求め、該同時計数率の変化におけるディップ部分の値に基づき上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出する波長依存性算出手段とを備え
上記波長依存性算出手段は、上記同時計数率の変化を示す値に対してフーリエ変換を用いた演算処理を行うことにより上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出することを特徴とする光学特性測定装置。

【請求項2】
上記光子検出手段は、上記第1混合光の光子を検出する第1光子検出器と、第2混合光の光子を検出する第2光子検出器とを備え、
上記波長依存性算出手段は、上記第1光子検出器と第2光子検出器との間における光子の検出時間差を含む演算式を用いて上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出するものであることを特徴とする請求項1記載の光学特性測定装置。

【請求項3】
上記波長依存性算出手段は、第1光子と第2光子との光路差を十分に大きくして第1光子と第2光子との光路差によらず同時計数率がほぼ一定になったときの値をバックグラウンド値とし、バックグラウンド値から同時計数率を減算することにより得られた値に対してフーリエ変換を用いた演算処理を行うことにより上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学特性測定装置。

【請求項4】
上記光子対生成手段は、
励起光を発する励起用光源と、
上記励起用光源からの励起光をパラメトリック下方変換することにより、上記光子対としてのパラメトリック蛍光対を発生させる非線形光学結晶とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。

【請求項5】
上記波長依存性算出手段は、同時計数率の変化におけるディップ部分の非対称性に基づき、上記測定対象物の屈折率の波長依存性を表す位相分散スペクトルを算出するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。

【請求項6】
上記波長依存性算出手段は、同時計数率の変化におけるディップ部分の値に基づき、上記測定対象物の透過率の波長依存性を表す透過スペクトルを算出するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。

【請求項7】
測定対象物の光学特性値の波長依存性を測定する光学特性測定方法であって、
互いに量子相関を持つ第1光子および第2光子からなる光子対を生成し、第1光子を上記測定対象物に射出するステップと、
上記測定対象物を透過した第1光子を部分反射面で透過および反射することによって反射成分である第1成分および透過成分である第2成分に分割し、上記第2光子を部分反射面で透過および反射することによって反射成分である第3成分および透過成分である第4成分に分割し、第1光子の第1成分と第2光子の第3成分とを混合して第1混合光を生成し、第1光子の第2成分と第2光子の第4成分とを混合して第2混合光を生成するステップと、
第1光子と第2光子との光路差を変化させるステップと、
上記第1混合光および第2混合光の光子を検出するステップと、
上記第1混合光の光子と第2混合光の光子とが同時に検出される頻度を同時計数率として計測するステップと、
計測された同時計数率から、第1光子と第2光子との光路差の変化に対する同時計数率の変化を求め、該同時計数率の変化におけるディップ部分の値に基づき上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出するステップとを含み、
上記の波長依存性を算出するステップは、上記同時計数率の変化を示す値に対してフーリエ変換を用いた演算処理を行うことにより上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出することを特徴とする光学特性測定方法。

【請求項8】
互いに量子相関を持つ第1光子および第2光子からなる光子対を生成し、第1光子を測定対象物に射出する光子対生成手段と、上記測定対象物を透過した第1光子を部分反射面で透過および反射することによって反射成分である第1成分および透過成分である第2成分に分割し、上記第2光子を部分反射面で透過および反射することによって反射成分である第3成分および透過成分である第4成分に分割し、第1光子の第1成分と第2光子の第3成分とを混合して第1混合光を生成し、第1光子の第2成分と第2光子の第4成分とを混合して第2混合光を生成する光混合手段と、第1光子と第2光子との光路差を変化させる光路差制御手段と、上記第1混合光および第2混合光の光子を検出する光子検出手段と、上記光子検出手段によって上記第1混合光の光子と第2混合光の光子とが同時に検出される頻度を同時計数率として計測する同時計数率計測手段とを備える光学特性測定装置において、
上記同時計数率計測手段によって計測された同時計数率から、第1光子と第2光子との光路差の変化に対する同時計数率の変化を求めるステップと、
該同時計数率の変化におけるディップ部分の値に基づき上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
上記の波長依存性を算出するステップは、上記同時計数率の変化を示す値に対してフーリエ変換を用いた演算処理を行うことにより上記測定対象物の光学特性値の波長依存性を算出することを特徴とするプログラム

【請求項9】
請求項8記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
産業区分
  • 試験、検査
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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