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炭素系薄膜 コモンズ

国内特許コード P06P003877
整理番号 K014P61
掲載日 2006年11月2日
出願番号 特願2005-188470
公開番号 特開2006-219363
登録番号 特許第4665145号
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
公開日 平成18年8月24日(2006.8.24)
登録日 平成23年1月21日(2011.1.21)
優先権データ
  • 特願2005-005370 (2005.1.12) JP
発明者
  • 岩村 栄治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 炭素系薄膜 コモンズ
発明の概要 【課題】特性が異なる2つの領域が膜の表面に露出した有用性の高い炭素系薄膜を提供する。
【解決手段】粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを含む第1領域11と、粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを含まない第2領域12とを有し、これら領域11,12が表面に露出し、第1領域11がa)および/またはb)を満たす炭素系薄膜を提供する。a)金属元素を含む。b)プレート状グラファイト構造および/またはオニオン状グラファイト構造を含む。好ましい金属元素は、Fe,Co,Ni,Al,Cu,Auである。この薄膜は、例えば、炭素系非晶質薄膜への上記元素のイオンの選択的注入と、上記薄膜への電子線照射により得ることができる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


炭素系材料には、炭素の結合様式の多様性に応じ、特性が大きく相違する多種多様な形態が存在する。これらの形態には、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレンに代表されるように、優れた特性が確認され、電子デバイス、水素吸蔵材料等の分野で今後の普及が期待される新しい材料も含まれる。CNTやフラーレンに限らず、秩序化された炭素構造の形成には、一般に大きなエネルギーが要求される。これに対し、非晶質炭素は、大きなエネルギーを要することなく形成でき、幅広い諸特性(機械的、電気的、光学的特性)を実現できる。



同じ炭素から構成されていても、非晶質炭素は結晶性の炭素材料とは大きく異なる諸特性を有する。グラファイトが導電性もしくは半絶縁性であるのに対し、非晶質炭素が実質的に絶縁性であるのはその一例である。従って、特性の異なる炭素をデバイスに適用しやすい形態で複合化した材料を製造する技術を確立すれば、新たな複合化材料を提供できる可能性がある。



成膜したままで結晶性の炭素構造と非結晶性の炭素構造を含む炭素薄膜も知られている(例えば非特許文献1)。しかし、この技術では炭素材料の設計の自由度に限界がある。



本発明者は、特性が異なる2つの炭素膜を用いた炭素材料を提案した(特許文献1)。この炭素材料は、平均径2nm以上のグラファイトクラスターを含む低硬度硬質炭素膜と平均径1nm以下のグラファイトクラスターを含む高硬度硬質炭素膜とを交互に積層した多層膜である。この多層膜は、耐摩耗性および摺動特性が改善された、各種部材のコーティング膜となる。



非晶質炭素膜にレーザー光または電子ビームを照射し、硬質の非晶質炭素膜の表面を部分的にグラファイト化した炭素薄膜も提案されている(特許文献2)。この炭素薄膜では、グラファイト化した領域は潤滑部となり、残部は硬質部となる。潤滑部は、非晶質炭素膜の表面をレーザー光または電子ビームを走査することにより形成される。
【非特許文献1】
M. Chhowalla et al. “Generation and deposition of fllerene- and nanotube-rich carbon thin films” Philosophical Magazine Letters, 1997, vol.75, No.5, pp329-335
【特許文献1】
特開2001-261318号公報
【特許文献2】
特開2003-268531号公報

産業上の利用分野


本発明は、炭素系薄膜とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを含む第1領域と、
粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを含まない第2領域と、を有し、
前記第1領域および前記第2領域が表面に露出し、
前記第1領域および前記第2領域の膜厚方向の厚さが薄膜の厚さと同じであり、
前記第1領域および前記第2領域から選ばれるいずれか一方の領域が他方の領域に囲まれた柱状領域であり、薄膜の表面における前記柱状領域の面積が200nm2以上であり、かつ
以下のa)およびb)から選ばれる少なくとも一方の条件が成立する炭素系薄膜。
a)前記第1領域が当該炭素系薄膜の内部に40~400KeVの注入エネルギーでイオン注入された金属元素を含む。
b)前記第1領域が前記グラファイトクラスターとして当該炭素系薄膜の内部にプレート状グラファイト構造およびオニオン状グラファイト構造から選ばれる少なくとも一方を含む。

【請求項2】
粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを含む第1領域と、
粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを含まない第2領域と、を有し、
前記第1領域および前記第2領域が表面に露出し、
前記第1領域および前記第2領域の膜厚方向の厚さが薄膜の厚さと同じであり、
前記第1領域および前記第2領域が薄膜の所定の面内方向について交互に配置された帯状領域であり、かつ
以下のa)およびb)から選ばれる少なくとも一方の条件が成立する炭素系薄膜。
a)前記第1領域が当該炭素系薄膜の内部に40~400KeVの注入エネルギーでイオン注入された金属元素を含む。
b)前記第1領域が前記グラファイトクラスターとして当該炭素系薄膜の内部にプレート状グラファイト構造およびオニオン状グラファイト構造から選ばれる少なくとも一方を含む。

【請求項3】
前記金属元素が、Fe,Co,Ni,Al,CuおよびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の炭素系薄膜。

【請求項4】
前記金属元素が、Fe,CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の炭素系薄膜。

【請求項5】
前記プレート状グラファイト構造のc軸が薄膜の面内方向に配向している請求項1または2に記載の炭素系薄膜。

【請求項6】
前記第1領域が、粒径が5nm以上のグラファイトクラスターを含む請求項1~5のいずれか1項に記載の炭素系薄膜。

【請求項7】
前記第1領域が、前記表面から10nm以上の深さを有する請求項1~6のいずれか1項に記載の炭素系薄膜。

【請求項8】
膜厚が10nm~5μmである請求項1~7のいずれか1項に記載の炭素系薄膜。

【請求項9】
膜厚が50nm~1μmである請求項8に記載の炭素系薄膜。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005188470thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 秩序と物性 領域
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