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多発性嚢胞腎疾患関連遺伝子及びその利用 コモンズ

国内特許コード P06P003975
整理番号 NU-0046
掲載日 2006年11月2日
出願番号 特願2005-112829
公開番号 特開2006-288265
登録番号 特許第5119430号
出願日 平成17年4月8日(2005.4.8)
公開日 平成18年10月26日(2006.10.26)
登録日 平成24年11月2日(2012.11.2)
発明者
  • 橋本 寿史
  • 若松 佑子
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 多発性嚢胞腎疾患関連遺伝子及びその利用 コモンズ
発明の概要

【課題】メダカpc突然変異体の原因遺伝子を同定する。
【解決手段】メダカpc突然変異体についてポジショナルクローニングの手法を用い、メダカにおいて多発性嚢胞腎を生じさせる遺伝子を染色体領域から同定した。pc遺伝子は、5つのC2H2型zinc finger領域を有する転写因子であり、zinc finger領域における高い相同性からヒトのGli-similar3(Glis3)遺伝子の相同遺伝子であると考えられる。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


動物の体の主要な器官の多くは「管」を基本単位として構成されている。腎臓はその代表的器官である。しかしながら、「管」形成の分子メカニズムはほとんど解明されていない。



一方、ヒトにおける多発性嚢胞腎疾患(Polycystic Kidney Disease,PKD)には、常染色体劣性多発性嚢胞腎疾患(Autosomal Ressive Polycystic Kidney Disease, ARPKD)と常染色体優性多発性嚢胞腎疾患(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease, ARPKD)とがあるが、なかでもADPKDは、ありふれた遺伝子疾患の一つであり、わが国においては10万人~20万人程度の罹患が推測されている。ADPKDは全身性疾患であり、腎臓における嚢胞のほか、肝臓、膵臓、脾臓等にも嚢胞が生じることがあるほか、頭蓋骨内出血などの既往を高い頻度で有し、その半数以上において高血圧症を合併する。ADPKDにおける最も顕著な特徴である腎臓嚢胞の形成は、腎臓の肥大化および腎臓の濃縮能力の低下を引き起こす。ADPKD患者におけるこれらの症状は年齢とともに進行するが、有効な治療方法がないために、最終的に腎不全となり腎臓透析及び腎臓移植を要するようになる場合もある。ADPKDにおける嚢胞の形成という病態は、腎臓の管の肥大化、すなわち、管径の調節・維持の異常によることを示している。



ADPKDの原因遺伝子としては、ヒトの16番染色体上の16p13.3に位置されるPKD1遺伝子及びヒト4番染色体の4q21-23に位置されるPKD2遺伝子とされ、これらはそれぞれタンパク質ポリシスチン1(PC1)とポリシスチン2(PC2)をコードしている(非特許文献1)。また、マウスの多発性嚢胞腎モデルからも原因遺伝子がクローニングされている(非特許文献2)。これらのタンパク質は、尿細管上皮細胞の頂端に位置する繊毛に存在することがわかっており、繊毛の機能障害により尿細管が肥大することがADPKDの発症原因の一つであると予想されている(非特許文献3)。しかしながら、ADPKDの詳細な発症メカニズムは未だに明らかになっていない。

【非特許文献1】Wilson PDら, N Engl J Med. 2004 Jan 8;350(2):151-64.

【非特許文献2】Liang JDら, J Formos Med Assoc. 2003 Jun;102(6):367-74.

【非特許文献3】Boletta A ら, Trends Cell Biol. 2003 Sep;13(9):484-92. Review.

産業上の利用分野


本発明は、多発性嚢胞腎疾患の発症及び進展等を制御する活性を有するタンパク質、該タンパク質をコードする核酸分子及びこれらの用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非ヒト動物の生体内においGlis3遺伝子の発現が抑制された細胞又は生体外においてGlis3遺伝子の発現が抑制された細胞を用いる、多発性嚢胞腎疾患の予防又は治療のための薬剤のスクリーニング方法。

【請求項2】
Glis3遺伝子の発現が抑制された非ヒト形質転換動物を用いる、請求項1に記載のスクリーニング方法。

【請求項3】
前記Glis3遺伝子は、以下の群から選択されるDNAを有する、請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
(a)配列番号2,4、6及び8に記載のアミノ酸配列から選択されるいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA、及び
(b)配列番号1、3、5及び7に記載の塩基配列から選択されるいずれかの塩基配列を有するDNA

【請求項4】
GLIS3タンパク質、その一部分又はその塩を用いる、多発性嚢胞腎疾患の予防又は治療のための薬剤のスクリーニング方法。

【請求項5】
GLIS3タンパク質又は一部分を発現する能力を有する細胞を用いる、請求項4に記載のスクリーニング方法。

【請求項6】
前記GlIS3タンパク質は、配列番号2、4、6及び8に記載のアミノ酸配列から選択されるいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質である、請求項4又は5に記載のスクリーニング方法。

【請求項7】
GLIS3タンパク質、その一部分又はその塩に対する抗体を含有する、多発性嚢胞腎疾患の診断剤。

【請求項8】
前記GlIS3タンパク質は、配列番号2,4、6及び8に記載のアミノ酸配列から選択されるいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質である、請求項7に記載の診断剤。

【請求項9】
GLIS3タンパク質、その一部分又はその塩に対する抗体を用いる、多発性嚢胞腎疾患の検査を補助するための方法。

【請求項10】
前記GLIS3タンパク質は、配列番号2,4、6及び8に記載のアミノ酸配列から選択されるいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質である、請求項9に記載の法。

【請求項11】
Glis3遺伝子における変異を検出する、多発性嚢胞腎疾患の検査を補助するための方法。

【請求項12】
前記Glis3遺伝子は、以下の群から選択されるDNAを有する、請求項11に記載の法。
(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列から選択されるいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA、及び
(b)配列番号5に記載の塩基配列から選択されるいずれかの塩基配列を有するDNA

【請求項13】
GLIS3タンパク質若しくはその一部分をコードするDNA又はこれらのDNAの塩基配列に相補的な塩基配列を有するアンチセンスDNAを含有する、多発性嚢胞腎疾患の診断剤。

【請求項14】
GLIS3タンパク質若しくはその一部分をコードするDNA又はこれらのDNAの塩基配列に相補的な塩基配列を有するアンチセンスDNAを用いる、多発性嚢胞腎疾患の検査を補助するための方法。

【請求項15】
Glis3遺伝子の発現が抑制された、非ヒト形質転換動物。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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