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ブルー銅モデル錯体を酸化還元対に用いた色素増感型太陽電池 コモンズ

国内特許コード P06P003727
整理番号 B73P01
掲載日 2006年11月10日
出願番号 特願2005-127187
公開番号 特開2006-302849
登録番号 特許第4260765号
出願日 平成17年4月25日(2005.4.25)
公開日 平成18年11月2日(2006.11.2)
登録日 平成21年2月20日(2009.2.20)
発明者
  • 福住 俊一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ブルー銅モデル錯体を酸化還元対に用いた色素増感型太陽電池 コモンズ
発明の概要 【課題】 白金対極を腐食させることがなく、かつ良好な光電変換特性を有する太陽電池用の電解液を提供すること
【解決手段】 色素増感型太陽電池に使用される、改良された電解液組成物が提供された。この組成物は、一般式1:Cu(L)(L)で示される一価の銅錯体および一般式2:CuII(L)(L)で示される二価の銅錯体を含み、ここで、LおよびLは同一であってもよく、また異なってもよく、銅原子に配位する化合物であり、LおよびLが銅原子との間に合計4つの配位結合を形成している。あるいは、LおよびLは互いに結合して1つの配位化合物L12となって、該1つの配位化合物L12が銅原子との間に4つの配位結合を形成する。好ましくは、該一価の銅錯体および二価の銅錯体がねじれた四面体配位構造を有する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


地球の環境問題や化石エネルギー資源枯渇問題などを考慮して、クリーンなエネルギー源として、太陽光を利用する太陽電池が古くから研究されている。



1990年代になって、スイスのローザイス工科大学のグレツェル教授らにより開発されたナノ結晶性色素増感型太陽電池(DSSC)が報告され、従来のp-n接合型太陽電池に替わる安価な太陽電池として脚光を浴びている。この色素増感型太陽電池では、I/I酸化還元対が最良の電子移動媒体として現在まで使用されている(非特許文献1~9)。しかしながら、このI/I酸化還元対は、以下の望ましくない化学的性質を有している。第1に、良好な性能を達成するのに必要とされる濃度のIは、相当量の可視光を吸収してしまう。第2に、Iは腐食性であり、第3に、Iは相当な蒸気圧を有するので、厳重に密封しないと電池から散逸してしまう。従って、I/I酸化還元対以外の電子移動媒体を見出すべく様々な試みがされてきた。I/Iの代替品として用いられた媒体のうちのいくつかは、I/Iよりも有利な酸化還元電位を有していたが、今まで、I/Iに匹敵するような電池の開放電圧を得ることができておらず、光電変換特性においていずれもI/Iよりも著しく劣るものであった(非特許文献10~15)。



このため、結局、上述したI/Iの欠点が知られながらも、I/Iが最良の酸化還元対として使用され続けている。



他方、銅に配位化合物を配位させて得られる各種の銅錯体化合物が従来から研究されてきたが、色素増感型太陽電池の酸化還元対としては、上述したとおり、もっぱらI/Iが用いられており、銅錯体化合物が色素増感型太陽電池に利用できるとは考えられていなかった。



このように、次世代太陽電池として期待される色素増感型太陽電池には、一般に、電解液としてヨウ化物イオンが酸化還元対として使用されている。ヨウ化物イオンは対極である白金を腐食し、また、昇華性があるため電池寿命を低下させ、結果として色素増感型太陽電池を長期間使用することを妨げている。
【非特許文献1】
O’Regan,B.;Gratzel,M.Nature,1991,353,737.
【非特許文献2】
Gratzel,M.Nature 2001,414,338.
【非特許文献3】
Hagfeldt,A.;Gratzel,M.Chem.Rev.1995,95,49.
【非特許文献4】
Hagfeldt,A.;Gratzel,M.Acc.Chem.Res.2000,33,269.
【非特許文献5】
Gratzel,M.Pure Appl.Chem.2001,73,459.
【非特許文献6】
Nazeeruddin,M.K.;Pechy,P.;Renouard,T.;Zakeeruddin,S.M.;Humphry-Baker,R.;Comte,P.;Liska,P.;Cevey,L.;Costa,E.;Shklover,V.;Spiccia,L.;Deacon,G.B.;Bignozzi,C.A.;Gratzel,M.J.Am.Chem.Soc.2001,123,1613.
【非特許文献7】
Wang,P.;Klein,C.;Humphry-Baker,R.;Zakeeruddin,S.M.;Gratzel,M.J.Am.Chem.Soc.2005,127,808.
【非特許文献8】
Gratzel,M.;Moser,J.-E.In Electron Transfer in Chemistry;Balzani,V.Ed.;Wiley-VCH:Weinheim,Germany,2001;Vol.V;pp 589-644.
【非特許文献9】
Hara,K.;Arakawa,H. in Handbook of Photovoltaic Science and Engineering;Luque,A.,Hegedus,S.Eds.;John Wiley & Sons Ltd.:Chichester,UK,2003;pp 663-700.
【非特許文献10】
Nusbaumer,H.;Moser,J.-E.;Zakkeruddin,S.M.;Gratzel,M.J.Phys.Chem.B 2001,105,10461.
【非特許文献11】
Nusbaumer,H.;Zakeeruddin,S.M.;Moser,J.-E.;Gratzel,M.Chem.Eur.J.2003,9,3756.
【非特許文献12】
Oskam,G.;Bergeron,B,.V.;Meyer,G.J.;Searson,P.C.J.Phys.Chem.B 2001,105,6867.
【非特許文献13】
Gregg,B.A.;Pichot,F.;Ferrere,S.;Fields,C.L.J.Phys.Chem.B 2001,105,1422.
【非特許文献14】
Sapp,S.A.;Elliott,M.;Contado,C.;Caramori,S.;Bignozzi,C.A.J.Am.Chem.Soc.2002,124,11215.
【非特許文献15】
Cameron,P.J.;Peter,L.M.;Zakeeruddin,S.M.;Gratzel,M.Coord.Chem.Rev.2004,248,1447.

産業上の利用分野


本発明は、色素増感型太陽電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
色素増感型太陽電池に使用される電解液組成物であって、
該組成物は、溶媒を含み、
さらに該組成物は、一価の銅錯体、二価の銅錯体、または該一価の銅錯体と該二価の銅錯体との混合物を含み、
該一価の銅錯体および該二価の銅錯体は以下からなる群から選択される、組成物。
【化1】




【請求項2】
請求項に記載の組成物であって、前記一価の銅錯体および二価の銅錯体がCu(SP)(mmt)またはCu(dmp)である、組成物。

【請求項3】
請求項に記載の組成物であって、前記一価の銅錯体および二価の銅錯体がCu(dmp)である、組成物。

【請求項4】
請求項2に記載の組成物であって、前記一価の銅錯体の濃度と、前記二価の同錯体の濃度との比が、CuII/(Cu+CuII)=0.1~0.6となる範囲内である、組成物。

【請求項5】
請求項1に記載の組成物であって、前記溶媒がニトリル化合物系溶媒である、組成物。

【請求項6】
請求項に記載の組成物であって、溶媒がメトキシアセトニトリルである、組成物。

【請求項7】
請求項に記載の組成物であって、さらに、LiClOおよびtert-ブチルピリジンを含む、組成物。

【請求項8】
色素増感型太陽電池であって、増感色素を吸着させた半導体電極と、対極と、請求項1に記載の電解液組成物とを含む、太陽電池。

【請求項9】
請求項に記載の太陽電池であって、前記対極が白金対極である、太陽電池。

【請求項10】
請求項に記載の太陽電池であって、前記増感色素がルテニウム色素であり、前記半導体電極がTiO電極であり、前記対極が白金対極である、太陽電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成16年度採択課題
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