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プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを分離する方法および装置 新技術説明会

国内特許コード P06P004221
掲載日 2006年11月17日
出願番号 特願2005-128513
公開番号 特開2006-305784
登録番号 特許第4635198号
出願日 平成17年4月26日(2005.4.26)
公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
登録日 平成22年12月3日(2010.12.3)
発明者
  • 西嶋 渉
  • 奥田 哲士
  • 岡田 光正
出願人
  • 学校法人広島大学
発明の名称 プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを分離する方法および装置 新技術説明会
発明の概要

【課題】 プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを特異的に分離する方法および分離する装置を提供する。
【解決手段】 本発明のプラスチック混合物からの塩素含有プラスチックを分離する方法および装置は、オゾンによって、当該プラスチック混合物中の塩素含有プラスチックの表面を特異的に疎水性から親水性に改質して、当該塩素含有プラスチックの表面に気泡が付着し難くする。ここで当該プラスチック混合物を含む液体に、所定の撹拌速度で撹拌しながら、気体を導入することにより、親水化された塩素含有プラスチックの表面に付着した気泡は剥離し、塩素含有プラスチックは沈降する。一方、他のプラスチック(塩素非含有プラスチック)は液中で浮遊している。したがって、塩素含有プラスチックをプラスチック混合物から分離することができる。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


近年、プラスチック製品の増加から、プラスチックを含む廃棄物(以下「廃プラスチック」という)が急増している。廃プラスチックの処理は、埋め立てによる処理または焼却処理が主に行なわれてきた。埋め立てによる処理は、埋め立てるための広大な土地を要するという問題点や、埋め立て後の地盤沈下の原因となるという問題点を有している。一方、焼却処理はダイオキシンや塩化水素等の有毒ガスの発生原因となること、地球温暖化の原因となること等の問題点を有している。さらに上記処理はあくまで廃棄処理であり、化石燃料の浪費につながるものである。そこで上記問題点に鑑みて、廃プラスチックを資源として再利用(リサイクル)することが種々試みられている。リサイクルとしては、例えばマテリアルリサイクル、サーマルリサイクル等が挙げられる。マテリアルリサイクルとは、廃プラスチックを再度プラスチック製品の原料として利用することであり、例えばポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)をペットボトル、PET樹脂等の原料として再利用することが実施されている。一方、サーマルリサイクルとは、廃プラスチックを固形燃料(すなわち廃棄物から得られる燃料、RDF:Refuse Derived Fuel)などとして再利用することである。



しかし、廃プラスチックには塩素含有プラスチック(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等)が多量に含まれており、当該塩素含有プラスチックをリサイクルまたは焼却処理を行なうべく加熱すると、多量の塩化水素ガスが発生する。かかる塩化水素ガスはそれ自体が有毒であり、さらにダイオキシンの発生原因となる。また塩素水素ガスは加熱炉を著しく腐食する。したがって、廃プラスチックに多量に含まれる塩素含有プラスチックが、廃プラスチックのリサイクル、焼却処理の障害となっている。



そこで、廃プラスチックから塩素含有プラスチックを分離する技術が種々開発され、提案されている。例えば、比重差を利用して塩素含有プラスチックを廃プラスチックから分離する方法が知られている(例えば特許文献1~4参照)。また摩擦熱による軟化および溶解特性の違いにより塩素含有プラスチックと比塩素含有プラスチックとを分離する方法が知られている(例えば特許文献5参照)。さらに有機溶媒(ジメチルスルホキシド:DMSO)を用いて塩素含有プラスチックのみを溶解し、分離する方法が知られている(例えば特許文献6参照)。



また、廃プラスチックから塩素含有プラスチックを分離することなく、廃プラスチックをリサイクルする方法および処理装置が特許文献7に記載されている。当該方法は、廃プラスチックを塩化水素ガスのみが発生する条件下で熱分解することによって、廃プラスチックから塩素分を除去し、塩素除去を行なった廃プラスチックをリサイクルするというものである。

【特許文献1】特開2000-254542号公報(公開日:平成12年9月19日)

【特許文献2】特開平11-254437号公報(公開日:平成11年9月21日)

【特許文献3】特開平10-225930号公報(公開日:平成10年8月25日)

【特許文献4】特開平7-144148号公報(公開日:平成7年6月6日)

【特許文献5】特開2004-209752号公報(公開日:平成16年7月29日)

【特許文献6】特開2000-44723号公報(公開日:平成12年2月15日)

【特許文献7】特開平5-245463号公報(公開日:平成5年9月24日)

産業上の利用分野


本発明は、複数種のプラスチックを含むプラスチック混合物、特に塩素含有プラスチック(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等)を含むプラスチック混合物から当該塩素含有プラスチックを特異的に分離する方法、および当該方法を行なうための装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
プラスチック混合物から、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体である塩素含有プラスチックを分離する方法であって、
前記プラスチック混合物をオゾンにより酸化処理する酸化処理工程;および
前記酸化処理工程後のプラスチック混合物を含む液体へ気体を導入する気体導入工程;を含み、
前記気体導入工程において、プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを沈降させるとともに、塩素非含有プラスチックを浮遊させることによって、塩素含有プラスチックを分離することを特徴とする方法。

【請求項2】
上記気体導入工程後のプラスチック混合物を含む液体を、所定の撹拌速度で撹拌する撹拌工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
上記所定の撹拌速度は、上記気体導入工程後のプラスチック混合物を含む液体において塩素含有プラスチックのみが沈降する撹拌速度であることを特徴とする請求項2に記載の方法。

【請求項4】
プラスチック混合物から、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体である塩素含有プラスチックを分離する方法であって、
前記プラスチック混合物を含む液体へオゾンを導入するオゾン導入工程を含み、
前記オゾン導入工程によって、前記プラスチック混合物をオゾンにより酸化処理しつつ、プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを沈降させるとともに、塩素非含有プラスチックを浮遊させることによって、塩素含有プラスチックを分離することを特徴とする方法。

【請求項5】
上記オゾン導入工程後のプラスチック混合物を含む液体を、所定の撹拌速度で撹拌する撹拌工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
上記所定の撹拌速度は、上記オゾン導入工程後のプラスチック混合物を含む液体において塩素含有プラスチックのみが沈降する撹拌速度であることを特徴とする請求項5に記載の方法。

【請求項7】
上記プラスチック混合物に含まれるプラスチックの大きさを均等化する均等化工程をさらに含む、請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
上記均等化工程は、プラスチック混合物を粉砕する工程である、請求項に記載の方法。

【請求項9】
上記プラスチック混合物を含む液体は、気泡剤を含む液体である請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。

【請求項10】
プラスチック混合物から、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体である塩素含有プラスチックを分離するための装置であって、
前記プラスチック混合物および液体が導入される分離槽;
前記プラスチック混合物を酸化処理するためのオゾン供給手段;および
前記分離槽内に気泡を発生させる気泡発生手段;を備え
前記気泡発生手段から発生した気泡によって、塩素非含有プラスチックを液体中で浮遊させるとともに、塩素含有プラスチックを液体中で沈降させることによって、塩素含有プラスチックをプラスチック混合物から分離することが可能となっていることを特徴とする装置。

【請求項11】
上記オゾン供給手段は、上記気泡発生手段と一体である、請求項10に記載の装置。

【請求項12】
撹拌手段をさらに備える、請求項10または11に記載の装置。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 混合分離
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005128513thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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