TOP > 国内特許検索 > 光中継装置および光中継方法

光中継装置および光中継方法

国内特許コード P06P004550
整理番号 P2004-262
掲載日 2006年11月17日
出願番号 特願2005-133199
公開番号 特開2006-308972
登録番号 特許第4670047号
出願日 平成17年4月28日(2005.4.28)
公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
発明者
  • 岡本 淳
  • 村中 秀史
出願人
  • 学校法人北海道大学
発明の名称 光中継装置および光中継方法
発明の概要

【課題】 フォトリフラクティブ素子において回折された画像に歪みを生じさせることなく、従来必要であった消去光の照射に必要な光学系の構成を不要とすることができる光中継装置を提供する。
【解決手段】 光中継装置が備える光学システム2は、複数のフォトリフラクティブポリマー11A・11B・11Cが積層されたフォトリフラクティブ素子11と、偏光ビームスプリッタ12とによって交差偏光4波混合光学系によって構成されている。制御光CLとポンプ光PLとによって、フォトリフラクティブポリマー11A・11B・11Cのそれぞれに対して、入力画像IPに含まれるいずれか1つの部分画像に対応した箇所に屈折率格子RLが形成される。ここで、フォトリフラクティブポリマー11A・11B・11Cのそれぞれに対応する入力部分画像が互いに異なっていることによって、出力される出力画像OPにおける部分画像の配列が変換される。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


情報を光信号として伝送する際の切り替えや接続を行う装置としての光インターコネクションが多種提案されている。この光インターコネクションにおいて、従来、光信号を電気信号に一旦変換してコネクション処理を行い、その後再度光信号に変換する処理が行われるものがある。



このような光-電気変換型の光インターコネクションは、光-電気変換によって生じる電磁干渉や発熱などの問題を有している。また、光信号がパラレルで伝送される場合には、光-電気変換型の光インターコネクションは、次のような中継処理を行うことになる。まず、入力された光画像(パラレル信号)が電気信号に変換され、電気信号においてパラレル・シリアル変換が行われる。その後、シリアル電気信号が光信号に変換され、光伝送路に送出される。そして、光伝送路の受信側は、これとは逆の手順を行うことによって、光画像(パラレル信号)を得る。すなわち、光-電気変換型の光インターコネクションは、パラレル-シリアル変換、およびシリアル-パラレル変換が行われることによる処理時間の長大化という問題も有している。



以上のような光-電気変換型の光インターコネクションが有する問題を解決する手法の一つとして、フォトリフラクティブ材料を媒質として用いた全光インターコネクションが提案されている。この全光インターコネクションは、1対1だけでなく1対多、多対多接続の制御に光を用いることができるので、任意の接続パターンを全光学的に構築することができる(非特許文献1参照)。



通信に光信号を用いることは、光の高速性による高速通信が実現されるだけでなく、同時に光の空間並列性を利用することによる高速通信をも実現することが可能となる。これは、全光インターコネクションが、ピクセルデータからなる2次元画像データのような空間的に並列な光信号をそのまま利用できることを意味する。すなわち、全光インターコネクションが画像を直接操作することによって、これまで膨大な処理時間が必要とされてきた2次元画像データと1次元時系列信号との変換処理が不要となる。その上でこの画像を複数個一括して接続することによって、より高速で大容量の通信が実現できる。



従来、空間的に並列な信号および画像を直接接続する全光インターコネクションは、BaTiOやLiNbOなどの電気光学結晶を用いて、図11に示すような光学系によって実現されている(非特許文献2参照)。この光学系は、フォトリフラクティブ結晶101、偏光ビームスプリッタ102、およびプリズム103を備えている。同図に示す例では、ポンプ光PL、および、屈折率格子RLの誘起を制御する3行3列のマトリックス状の制御光CLはともに常光線であり、入力画像IPおよび出力画像OPはともに異常光線である交差偏光4波混合系が用いられている。まず、以下の3行3列の行列Cで表される制御光CLが偏光ビームスプリッタ102に入射される。



【数式1】




ここで、行列Cの各要素において、0は制御光CLの暗部を示しており、1は制御光CLの明部、つまり制御光CLの照射を示している。制御光CLは常光線であるため、偏光ビームスプリッタ102によってフォトリフラクティブ結晶101方向に反射される。この制御光CLとともにフォトリフラクティブ結晶101に入射されたポンプ光PLによって、フォトリフラクティブ結晶101内にマトリックスパターンに応じた屈折率格子RLが誘起される。この屈折率格子RLはインターコネクションにおける乗算器としての役割を果たす。



以上のように誘起された屈折率格子RLに対して、ポンプ光PLと対向伝搬になる方向から、縦1列に並べられた入力画像IPがフォトリフラクティブ結晶101内へ入射すると、入力画像IPは屈折率格子RLによって制御光CLの入射方向(偏光ビームスプリッタ102の方向)に回折される。回折された入力画像IPは異常光線であるため、偏光ビームスプリッタ102を透過する。偏光ビームスプリッタ102を透過した画像光は、さらにプリズム103によって横1列に揃えられ、出力画像OPとして出力される。



上記の過程を経ることにより、入力画像IPと出力画像OPとの接続パターンとして、入力部分画像i-出力部分画像o、入力部分画像i-出力部分画像o、入力部分画像i-出力部分画像oが形成され、各入力部分画像と各出力部分画像との1対1接続が実現される。接続パターンの変更は、制御光CLのマトリックス状のパターンを変更することによって任意に実現される。

【非特許文献1】P. Yeh, Introduction to Photorefractive Nonlinear Optics, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1993.

【非特許文献2】T. Kaneda, A. Okamoto, S. Honma, T. Nakada, and K. Sato, “Optical image connector with photorefractive four-wave mixing,” Proc. 2nd International Conference on Optical Design and Fabrication (ODF2000), no.P27, pp.229-232, Tokyo, Japan, Nov. 2000.

【非特許文献3】Symthetic studies of TPD (tetra-phenyl-diphenyldiamine) acrylate based polymers and their composition photorefractive performances, M. Yamamoto,J. K. Cammack, S. Ciccotti, P. Wang, Nitto Denko Technical Co.; J.Thomas, B. Kippelen, G. R. Meredith, S. R. Marder, Univ. of Arizona, Proceedings of SPIE Vol.4991-57, 2003

産業上の利用分野


本発明は、空間的に並列に伝送される複数の光信号の空間的な配列を変更し、出力する光中継装置および光中継方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
光入力部から入力された入力画像に含まれる複数の部分画像の配列順番を変更し、光出力部から出力する光中継装置であって、
複数のフォトリフラクティブ基板からなるフォトリフラクティブ素子と、
上記各フォトリフラクティブ基板に屈折率格子を形成するために、上記各フォトリフラクティブ基板に対して、ポンプ光を照射するとともに、上記屈折率格子を形成する部分にのみ光を照射するための光変調素子から出射された制御光を照射する光照射手段とを備え、
上記部分画像の数がn(2以上の整数)の場合に、上記フォトリフラクティブ素子が、n層の上記フォトリフラクティブ基板が多層化された構成となっており、
上記フォトリフラクティブ基板の媒質自体の厚さが10~100μmとなっており、
上記光照射手段が、上記各フォトリフラクティブ基板に対して入力された上記複数の部分画像のうちいずれか1つの部分画像が照射される位置にのみ上記屈折率格子を形成するとともに、各フォトリフラクティブ基板に形成された上記屈折率格子によって回折される上記各部分画像がそれぞれ互いに異なるように上記制御光および上記ポンプ光を照射するものであり
上記屈折率格子によって回折された上記各部分画像を上記光出力部から出力することを特徴とする光中継装置。

【請求項2】
上記フォトリフラクティブ基板が、有機材料であるフォトリフラクティブポリマーによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の光中継装置。

【請求項3】
上記制御光を反射して上記フォトリフラクティブ基板に対して照射するとともに、上記フォトリフラクティブ基板に形成された上記屈折率格子において回折された上記部分画像を透過して上記光出力部に伝送する偏光ビームスプリッタを備え、
上記ポンプ光および上記制御光を常光線とし、入力される上記部分画像および出力される上記部分画像を異常光線とすることを特徴とする請求項記載の光中継装置。

【請求項4】
上記フォトリフラクティブ素子を複数備えるとともに、各フォトリフラクティブ素子に対応して上記光照射手段を備え、
入力された上記部分画像が、フォトリフラクティブ素子を順次透過し、各フォトリフラクティブ素子において回折された上記部分画像が上記光出力部から出力されることを特徴とする請求項1記載の光中継装置。

【請求項5】
複数のフォトリフラクティブ基板からなるフォトリフラクティブ素子と、上記各フォトリフラクティブ基板に屈折率格子を形成するために、上記各フォトリフラクティブ基板に対して、ポンプ光を照射するとともに、上記屈折率格子を形成する部分にのみ光を照射するための光変調素子から出射された制御光を照射する光照射手段とを備え、光入力部から入力された入力画像に含まれる複数の部分画像の配列順番を変更し、光出力部から出力する光中継装置における光中継方法において、
上記部分画像の数がn(2以上の整数)の場合に、上記フォトリフラクティブ素子が、n層の上記フォトリフラクティブ基板が多層化された構成となっており、
上記フォトリフラクティブ基板の媒質自体の厚さが10~100μmとなっており、
上記各フォトリフラクティブ基板に対して、入力された上記複数の部分画像のうち、いずれか1つの部分画像が照射される位置にのみ上記屈折率格子を形成するとともに、各フォトリフラクティブ基板に形成された上記屈折率格子によって回折される上記各部分画像がそれぞれ互いに異なるように上記制御光および上記ポンプ光を照射するステップと、
上記屈折率格子によって回折された上記各部分画像を上記光出力部から出力するステップとを有することを特徴とする光中継方法。
産業区分
  • 光学装置
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2005133199thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close