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中性のキトサンヒドロゲルおよびその製造方法

国内特許コード P06A009517
整理番号 KANDAI-81
掲載日 2006年12月1日
出願番号 特願2004-369515
公開番号 特開2006-176584
登録番号 特許第4813054号
出願日 平成16年12月21日(2004.12.21)
公開日 平成18年7月6日(2006.7.6)
登録日 平成23年9月2日(2011.9.2)
発明者
  • 戸倉 清一
  • 田村 裕
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 中性のキトサンヒドロゲルおよびその製造方法
発明の概要

【課題】 室温付近で長時間安定に保存することができる形態のキトサンを提供すること。
【解決手段】 実質的に水とキトサンからなる中性のキトサンヒドロゲルを提供する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


キトサンは、甲殻類から得られるキチン(β-1,4-ポリ-N-アセチル-D-グルコサミン)の脱アセチル化物(β-1,4-ポリ-D-グルコサミン)であり、生体適合性に優れた分子量50万程度の天然高分子である。キトサンには、生分解性があり、抗菌性、保湿性、抗アレルギー性等の作用を示すばかりでなく、他の抗菌剤と比べて人体や環境に安全であることから、キトサンを含む医薬品、化粧品、整髪料、食品添加剤、繊維、膜などを開発する研究が盛んになってきている。



しかし、キトサンは一般的な有機溶媒には全く溶けず、また水にも完全には溶解しない。キトサンは有機酸と塩を作り、水溶性になる。また鉱酸類としては、塩酸水を加えるとゆっくりと溶解するが、硝酸や硫酸に対しては不溶性である。そこでキトサンの溶解方法として、各種の有機酸を含む水溶液へ溶解させる方法(特許文献1~4)あるいは有機酸の緩衝水溶液を用いる方法(特許文献5)などが提案されている。



従来キトサンは、その粉末を蟻酸、酢酸、酸性アミノ酸、アスコルビン酸などの有機酸や炭酸などの無機酸により水溶性にして、抗菌剤や化粧品として一般に用いられてきた。しかし、これらの酸性のキトサン溶液は室温での粘度安定性(分子量安定性)が悪いため、キトサン粉末として保存し、使用直前に溶解しなければ、要求される機能を発揮できないという欠点があった。特に化粧品や整髪料として用いる場合、キトサン溶液を直接使用するため、室温前後で長時間安定に保存する必要がある。しかしキトサンは酸性溶液中で放置すると低温においても時間と共に分子量が低下して溶液の粘性が保てないという問題があった。



また、酸で溶解するには溶解漕の他に、ろ過装置などを必要とするといった技術的な問題があった。さらに、キトサンの溶解にもっともよく用いられている酢酸のような有機酸は、化粧品などとして用いた場合、皮膚の赤化や肌荒れを引き起こす危険性も指摘されている。



なお、キトサンの特性としては、有機物の凝集作用、抗菌性(特に大腸菌等、食品中などで増殖する菌の生育を阻害する作用)が挙げられるが、分子量6,000以上の場合にかかる作用を発揮し、分子量4,000程度では抗菌性などは発揮されない。

【特許文献1】特開平6-319517号公報

【特許文献2】特開平11-193301号公報

【特許文献3】特開平11-199601号公報

【特許文献4】特開2000-290187号公報

【特許文献5】特開平9-110634号公報

産業上の利用分野


本発明は、中性のキトサンヒドロゲルおよびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)分子量が、10,000~75,000であるキトサンを酸水溶液に溶解する工程、
(2)工程(1)のキトサン水溶液のpHを11~12に調整する工程、
(3)工程(2)において生じた沈殿を収集する工程、および、
(4)工程(3)において収集した沈殿を水によりpHが6.0~7.5になるまで洗浄する工程、
を含む、実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲルの製造方法。

【請求項2】
(1)分子量が、10,000~75,000であるキトサンを酸水溶液に溶解する工程、
(2)工程(1)のキトサン水溶液のpHを11~12に調整する工程、
(3)工程(2)において生じた沈殿を収集する工程および、
(4)工程(3)において収集した沈殿を水に分散させた液を、pHが6.0~7.5になるまで水に対して透析する工程、
を含む、実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲルの製造方法。

【請求項3】
さらに、工程(4)または(4’)の後に、
(5)キトサンヒドロゲルを遠心分離する工程を含む、請求項1または2に記載の実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲルの製造方法。

【請求項4】
キトサンの脱アセチル化度が75~98%である、請求項1~3いずれかに記載の実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲルの製造方法。

【請求項5】
(1)分子量が、10,000~75,000であるキトサンを酸水溶液に溶解する工程、
(2)工程(1)のキトサン水溶液のpHを11~12に調整する工程、
(3)工程(2)において生じた沈殿を収集する工程、および、
(4)工程(3)において収集した沈殿を水によりpHが6.0~7.5になるまで洗浄する工程、
を含む方法により得られる、実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項6】
(1)分子量が、10,000~75,000であるキトサンを酸水溶液に溶解する工程、
(2)工程(1)のキトサン水溶液のpHを11~12に調整する工程、
(3)工程(2)において生じた沈殿を収集する工程および、
(4)工程(3)において収集した沈殿を水に分散させた液を、pHが6.0~7.5になるまで水に対して透析する工程、
を含む方法により得られる、実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項7】
さらに、工程(4)または(4’)の後に、
(5)キトサンヒドロゲルを遠心分離する工程を含む方法により得られる、請求項5または6に記載の実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項8】
キトサンの脱アセチル化度が75~98%である、請求項5~7いずれかに記載の実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項9】
含水率が50重量%~96重量%である請求項5~8いずれかに記載実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項10】
含水率が94重量%~96重量%である請求項5~9いずれかに記載実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項11】
塩酸水溶液に易溶性であり、塩酸水溶液とした場合、キトサン粉末の酢酸水溶液と比較して、より高い粘度安定性を示す、請求項5~10のいずれかに記載の実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲル。

【請求項12】
請求項5~10のいずれかの実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲルを遠心分離またはろ過することにより、実質的に水とキトサンからなるpHが6.0~7.5のキトサンヒドロゲルの含水率を変化させる方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 食品
  • 処理操作
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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