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炭素系燃料電池用触媒及びその製造方法並びに該触媒を用いた燃料電池 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P06P005101
整理番号 IP16-047
掲載日 2006年12月13日
出願番号 特願2005-149675
公開番号 特開2006-331689
登録番号 特許第4452885号
出願日 平成17年5月23日(2005.5.23)
公開日 平成18年12月7日(2006.12.7)
登録日 平成22年2月12日(2010.2.12)
発明者
  • 尾崎 純一
  • 大谷 朝男
  • 森下 佳代子
  • 寶田 恭之
  • 木暮 孝幸
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 炭素系燃料電池用触媒及びその製造方法並びに該触媒を用いた燃料電池 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】 本発明は、有限の化石資源である石油を原料とせず、将来の地球環境を考慮した燃料電池技術と言うことができる。また本発明は、触媒担体の酸素還元活性の向上、或いは触媒担体の酸素還元活性及び触媒金属の酸素還元活性の双方を向上することにより、極めて高い電流密度を得る。
【解決手段】 本発明の炭素系燃料電池用触媒は、先ず有機物を主成分とするバイオマスを酸処理することによりバイオマスに含まれる金属成分を除去し、次に金属成分が除去されたバイオマスに遷移金属錯体、フタロシアニン及びポルフィリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の添加剤を混合し、更に混合物を熱処理して炭素化することにより製造される。上記バイオマスは黒液であることが好ましい。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


高効率、無公害の燃料電池の実用化は、地球温暖化、環境汚染問題に対する重要な対処手段である。とくに昨今、電気自動車(FCEV)や定置用電熱併供システム(CG-FC)に用いられる固体高分子型燃料電池は、低コスト化の可能性が大きく、広く研究、開発競争が展開されている。
こうした固体高分子型燃料電池において、その反応は多孔質ガス拡散電極内で起こる。十分な電流密度I(A/投影電極面積)を得るために、その電極としては、比表面積が大きくかつ導電性のあるカーボンブラックを多孔質構造体兼触媒担体としたものが一般に使用されている。また、その触媒としては白金(Pt)あるいは白金合金系触媒(Pt-Fe,Pt-Cr,Pt-Ru)が使用され、これら貴金属触媒が担体に高分散担持(粒径2~数十nm)されている。



固体高分子型燃料電池では、これまで特に、カソード極で起こる酸素の還元反応が非常に起こりにくいため、標準的担体材料としてのある決まった銘柄の炭素担体に、触媒である白金が、例えば、1mg/cm2の割合で多量に投入されてきた。即ち、白金の標準的担体材料としては、(1)カーボンブラック、例えばカーボンブラック(Carbon Black)B1 Degussa-Huels社(フランクフルト)、(2)ファーネスブラック、例えばバルカン(Vulcan)XC-72 Cabot社(マサチューセッツ)、(3)アセチレンブラック、例えばシャウイニガンブラック(Shawinigan Black)Chevron Chemicals社(ヒューストン、テキサス)などが挙げられる。
しかしながら、従来の標準的担体材料であるカーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックへの白金の担持の仕方は、白金をできるだけ微分散させることに多くの努力が傾注されてきた。そこでは、カーボンブラック等の標準的担体材料は、単に白金を分散させ易くするとともに、担体自体が導電性を与える媒体に過ぎず、担持された白金の活性化を十分に図ることができなかった。



この点を改良するために、触媒金属を担持する触媒担体が触媒金属と共有結合可能な原子を含む触媒材料や、窒素原子がドープされたカーボンアロイ微粒子を基材とする燃料電池用電極が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1に記載された触媒材料では、触媒担体が炭素原子を含み、触媒金属は、白金、ルテニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウムから選ばれる1種以上の金属或いは化合物からなり、更に触媒担体が、触媒金属と、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも1種類の原子を含む。このように構成された触媒材料を製造するには、先ず窒素原子を含んだカーボンブラック或いは窒素原子を含んだカーボンブラック及び窒素原子を含んだカーボンナノチューブの混合物と、アルカリ水溶液と、還元剤とを混合した後に、この混合物に触媒金属塩の水溶液を加えて混合する。次にこの混合物を濾過して得られた物質に純水を加え、洗浄・濾過を複数回繰り返して得られた物質を乾燥して粉砕する。これにより窒素原子を含んだ炭素に白金が担持された触媒材料が得られる。
このように製造された触媒材料では、窒素を含んだ炭素を触媒担体に用いることで、触媒金属の粒子の運動が窒素原子との共有結合により束縛されるので、触媒材料の作成時或いは電池使用環境下における触媒金属の粒子の凝集、粗大化を防止できる。このため触媒金属の粒子同士の距離を従来より近づけても、触媒金属の粒子の動きが束縛されるため隣同士の触媒金属の粒子は凝集しないので、従来に比べ同一の触媒金属の量を電極内に含ませたときに、触媒担体の量を少なくすることができる。この結果、従来と同一の電極面積とすれば、電極の厚さをより薄くすることができるので、電極における燃料の拡散性、電子の伝導性及びプロトンの伝導性を向上させることができ、膜電極接合体の出力密度を向上できるようになっている。



一方、特許文献2に記載された燃料電池用電極を製造するには、先ず含窒素化合物と熱硬化性樹脂の前駆体とを加熱反応させて窒素化合物含有熱硬化性樹脂を得る。次にこの窒素化合物含有熱硬化性樹脂を熱処理して炭素化する。更に炭素化された窒素化合物含有熱硬化性樹脂を微粉砕する。これにより窒素原子がドープされたカーボンアロイ微粒子を得られる。
このように製造された窒素原子がドープされたカーボンアロイ微粒子を用いることにより、従来、白金を高分散に担持させる触媒担体として用いられてきた炭素材料自身が酸素還元触媒能を有するので、燃料電池用電極として好適に使用できる。即ち、炭素自身の酸素還元に対する電極活性を向上できるので、この燃料電池用電極を用いることにより、非白金系触媒及び低白金量触媒を実現でき、安価な固体高分子型燃料電池を製造できるようになっている。
【特許文献1】
特開2004-207228号公報(請求項1、2、6及び7、段落[0017]、段落[0021]、段落[0022]、段落[0029]、段落[0036])
【特許文献2】
特開2004-362802号公報(請求項1及び3、段落[0015]、段落[0035])

産業上の利用分野


本発明は、白金や白金合金等の貴金属を全く担持しないか、或いはその使用量を極力抑えた燃料電池用触媒と、この触媒を製造する方法と、この触媒を用いた燃料電池に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機物を主成分とするバイオマスである黒液を酸処理することにより前記バイオマスに含まれる金属成分を除去する工程と、
前記金属成分が除去されたバイオマスに、フタロシアニン系錯体、ポルフィリン系錯体、フタロシアニン及びポルフィリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の添加剤を混合する工程と、
前記混合物を不活性ガス雰囲気中で650~1500℃に0.1~10時間保持する熱処理を行って炭素化する工程と
を含む炭素系燃料電池触媒の製造方法。

【請求項2】
属成分がナトリウムである請求項1記載の炭素系燃料電池触媒の製造方法。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法で製造されかつ炭素材料を構成する六角網面のエッジに窒素が導入された炭素系燃料電池触媒。

【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法で製造された燃料電池用触媒を固体高分子電解質膜の一方又は双方の面に層状に形成した電解反応層を有する燃料電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005149675thum.jpg
出願権利状態 登録
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