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アルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法およびその方法により形成される陽極酸化皮膜

国内特許コード P06P004227
掲載日 2007年1月19日
出願番号 特願2005-163299
公開番号 特開2006-336081
登録番号 特許第4660760号
出願日 平成17年6月2日(2005.6.2)
公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
発明者
  • 矢吹 彰広
  • 安部 了介
出願人
  • 学校法人広島大学
発明の名称 アルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法およびその方法により形成される陽極酸化皮膜
発明の概要

【課題】 硫酸系の電解液を用いながら複雑な処理等を要せず高硬度、高耐食性、または高硬度かつ高耐食性を有する陽極酸化皮膜を形成することができる方法およびその方法により形成される陽極酸化皮膜を提供する。
【解決手段】 本発明に係るアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法は、アルコールを添加した硫酸系電解液を用いて陽極酸化処理を行い、陽極酸化処理を50~200A/m2の電流密度で、又は/続いて陽極酸化処理を400~600A/m2の電流密度で行う。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


アルミニウム又はアルミニウム合金を適当な電解液中で陽極酸化処理を行って得られる皮膜はアルマイトの名で親しまれている。このアルマイトを形成する陽極酸化処理は、それらの金属材料の硬度、耐食性あるいは装飾性を向上させる方法として工業的に広く利用されており、一般にその用途に合わせ硫酸系、シュウ酸系、リン酸系あるいはクロム酸系の電解液が選ばれる。



そのような陽極酸化処理のなかで、硫酸系の電解液を用いた陽極酸化処理法は、安価であること、その陽極酸化処理によって得られる皮膜は硬度が高く無色透明で着色が容易であること等の特徴を有するため、最も一般的に使用されている。そのような硫酸系の電解液を用いる陽極酸化処理の一般的な処理条件については非特許文献1に明らかにされている。



しかしながら、この硫酸系の電解液を用いた陽極酸化処理においてより高い硬度の陽極酸化皮膜を形成する試みもなされている。例えば、特許文献1には、硬度が高くなるほど皮膜中にクラックが入りやすくなることを克服するため、アルミニウム基材の成分組成の選定や陽極酸化処理時の処理液温度、電解条件、処理時間、硫酸濃度等を精緻に制御することによって解決すべきであることが提案されている。



また、特許文献2には、電解初期は15~25℃の処理温度で電解した後、段階的に温度を低下させるか、または低温液で電解することにより、ロール素材の内面に近い側に低硬度の膜が、遠い側に高硬度の膜が得られ耐クラック性に優れた陽極酸化膜が得られることが開示されており、陽極酸化処理は、処理温度0~20℃、陽極電流密度1~10A/dm2、電解時間1~2時間の範囲で行うのが好ましいことが開示されている。特許文献3には、低温度での陽極酸化処理は液冷却のためのエネルギー損失が大きいことから、アルカンスルホン酸と硫酸との混合電解液を用いた陽極酸化処理方法が提案されており、硫酸のみの電解液による陽極酸化皮膜より10%高硬度で20%厚い陽極酸化皮膜が得られることが開示されている。



一方、陽極酸化皮膜の耐食性を向上させることについては、アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮膜は皮膜中の細孔を通して腐食が進行するという特性を有することから、一般的には封孔処理によって耐食性を向上させるという方法がとられている。封孔処理として加圧水蒸気処理および沸騰水浸漬処理が一般的に用いられる。例えば、特許文献1に、加圧水蒸気処理又は沸騰水浸漬処理であるかを問わず処理時の圧力、温度、時間等を精緻に制御することによって耐腐食性及び耐プラズマ性に優れたアルミニウム合金部材が得られることが開示されている。すなわち、ポーラス層とポアのないバリア層を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料であって、該バリア層組織の少なくとも一部がベーマイトおよび/または擬ベーマイトであって、且つりん酸-クロム酸浸漬試験(JISH8683-2)での該皮膜溶解速度が120mg/dm2/15min未満であり、更に5%Cl2-Arガス雰囲気下(300℃)に2時間静置した後の腐食発生面積率が15%未満であり、且つ皮膜硬度がHv.420以上である耐腐食性及び耐プラズマ性に優れたアルミニウム合金部材が得られることが開示されている。




【非特許文献1】日本金属学会編「改訂6版 金属便覧」丸善株式会社、平成16年4月5日、p.872

【特許文献1】特開2004-225113号公報

【特許文献2】特開2002-196603号公報

【特許文献3】特開2004-502877号公報

産業上の利用分野


本発明は、アルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法およびその方法により形成される陽極酸化皮膜に係り、特にアルコールを添加した硫酸系電解液を用いて陽極処理をする高硬度又は/及び耐食性に優れるアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法およびその方法により形成される陽極酸化皮膜に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化処理により皮膜を形成する方法であって、エチルアルコールを添加した硫酸系電解液を用いて陽極酸化処理を行うことを特徴とするアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法。

【請求項2】
陽極酸化処理を50~200A/m2の電流密度で行うことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法。

【請求項3】
陽極酸化処理を400~600A/m2の電流密度で行うことを特徴とする請求項に記載のアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法。

【請求項4】
陽極酸化処理をまず50~200A/m2の電流密度で行い、ついで400~600A/m2の電流密度で行うことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法。

【請求項5】
電解液は、硫酸0.5~2.5mol%、エチルアルコール5~50mol%及び残部水からなるものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の形成方法

【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法により作製された表面硬度Hv4~7GPa、起電力式耐アルカリ試験による耐食性が4000s以上であるアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法により作製された膜厚が5~100μm、表面硬度Hv4~7GPa、膜厚方向の硬度ばらつきが±10~20%であるアルミニウム又は/及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜。
産業区分
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2005163299thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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