TOP > 国内特許検索 > カーボンナノチューブに担持した金属触媒及びその作製方法

カーボンナノチューブに担持した金属触媒及びその作製方法 UPDATE

国内特許コード P06P004508
整理番号 T36
掲載日 2007年1月19日
出願番号 特願2005-163348
公開番号 特開2006-334527
登録番号 特許第4625953号
出願日 平成17年6月2日(2005.6.2)
公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
登録日 平成22年11月19日(2010.11.19)
発明者
  • 中村 潤児
  • 劉 銀珠
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 カーボンナノチューブに担持した金属触媒及びその作製方法 UPDATE
発明の概要 【課題】金属触媒をカーボンナノチューブの内部に簡単に固定可能なカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法を実現し、金属が溶解して触媒活性が少なくなるようなことのない金属触媒を実現する。
【解決手段】カーボンナノチューブに金属触媒を固定して、カーボンナノチューブに担持した金属触媒を作製するに際し、カーボンナノチューブを硝酸等で酸化処理してカーボンナノチューブ表面に開口部及び欠陥部形成し、金属触媒の前駆体物質(acac錯体等)を、開口部を通してカーボンナノチューブ内に導入し、金属触媒をカーボンナノチューブ内に固定する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、燃料電池の技術開発にはめざましい。固体高分子形燃料電池では、アノード極およびカソード極では以下のような反応が起こる。
アノード極: H → 2H + 2e
カソード極: 2H + 1/2O + 2e → H



Fe、Co、Ni、Cu、Pt、Ru、Rh、Pdはすべて電極触媒としての機能を有するが、問題は、酸水溶液中での触媒金属が溶解することである。Hの移動のために水を電解質中に加えるが、Hが存在するため酸性である。Ptの腐食電極電位がもっとも高く、溶解し難い。特に、Pt以外はアノード電極として使えないと云われている。しかし、白金の資源量は限られており、高価である。



アノード触媒およびカソード電極触媒燃料電池電極触媒では、白金代替触媒が待望されている。白金代替触媒が開発されれば固体高分子形燃料電池の普及におけるブレークスルーとなる。白金にルテニウムを添加するなど第3物質を加えるなど、白金使用量の低減化の試みがなされている。



これを解決するためには、不溶性の金属触媒を調製する必要がある。本発明者等は、白金代替触媒の技術について鋭意研究を進めており、カーボンナノチューブを水素―空気系の固体高分子形燃料電池電極触媒に用いた発明等について、いくつかの発明を提案している。



例えば、「繊維状炭素への触媒担持方法並びに、それを利用した燃料電池用電極および燃料電池」(特許文献1参照)、「炭化モリブデン触媒およびその製造方法、並びに、該触媒を利用した燃料電池用電極および燃料電池」(特許文献2参照)等である。



さらに、本発明者等は、白金の金属触媒をカーボンナノチューブに担持した燃料電池電極触媒について、国際誌論文でも発表し、その有効性を報告し、Pt使用量を1/3近くまで低減化できることを示した(非特許文献1参照)。



その他、燃料電池の電極材料としてカーボンナノチューブを使う公知である発明を挙げると次のとおりである。
「固体高分子型燃料電池用電極およびこれを用いた固体高分子型燃料電池」(特許文献3参照)、「燃料電池用途に好適な炭素質材料」(特許文献4参照)、「金属添加炭素材料の製造方法及びこの方法により製造された金属添加炭素材料を用いた燃料電池用電極材料、化学反応用触媒担体、ガス貯蔵材」(特許文献5参照)。



【特許文献1】
特開2004-253224
【特許文献2】
特開2005-038818
【特許文献3】
特開2004-362875
【特許文献4】
特開2004-182541
【特許文献5】
特開2003-246613
【非特許文献1】
T.Matsumoto,T.Komatsu, K.Arai,T.Yamazaki,M.Kijima, H.Shimizu, Y.Takasawa, and J.Nakamura, “Reduction of Pt usage in fuel cell electrocatalysts with carbon nanotube electrodes”, 「Chem. Commun., 2004(www.rsc.org/chemcomm)」, The Royal Society of Chemistry, 2004年2月26日, p. 840-841

産業上の利用分野


本発明は、燃料電池の電極触媒等に利用されるカーボンナノチューブに担持した金属触媒に関し、そして、カーボンナノチューブ内に金属触媒を固定して担持する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カーボンナノチューブを酸化処理してカーボンナノチューブ表面に開口部及び欠陥部を形成し、カーボンナノチューブ内に金属触媒を固定して、カーボンナノチューブに担持した金属触媒を作製する方法であって、
前記カーボンナノチューブの酸化処理は、カーボンナノチューブの前処理、酸化触媒の担持及び酸素酸化の工程で順次行い、
前記前処理では、カーボンナノチューブを硝酸処理することで反応性の高い炭素を部分的に酸化するとともに、カルボキシル基、水酸基又はカルボニル基の酸素原子を含む部位を形成し、
前記酸化触媒の担持では、カーボンナノチューブにLaとCoからなる酸化触媒を付け、
前記酸素酸化では、LaとCoからなる酸化触媒を付けたカーボンナノチューブに空気を流して酸素酸化し、この酸素酸化では、前記カルボキシル基、水酸基又はカルボニル基の酸素原子を含む部位を基点として燃焼させ開口部及び欠陥部を形成し、その後、カーボンナノチューブを硝酸で処理して酸化触媒を溶解除去し、
前記金属触媒のカーボンナノチューブ内への固定は、金属触媒の前駆体物質をカーボンナノチューブに導入し、続いて水素雰囲気中で還元処理して、金属イオン又は金属原子を凝集させて触媒微粒子としてカーボンナノチューブ内に固定することを特徴とするカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。

【請求項2】
カーボンナノチューブを酸化処理してカーボンナノチューブ表面に開口部及び欠陥部を形成し、カーボンナノチューブ内に金属触媒を固定して、カーボンナノチューブに担持した金属触媒を作製する方法であって、
前記カーボンナノチューブの酸化処理は、カーボンナノチューブの前処理、酸化触媒の担持及び酸素酸化の工程で順次行い、
前記前処理では、カーボンナノチューブを硝酸処理することで反応性の高い炭素を部分的に酸化するとともに、カルボキシル基、水酸基又はカルボニル基の酸素原子を含む部位を形成し、
前記酸化触媒の担持では、カーボンナノチューブにLaとCoからなる酸化触媒を付け、
前記酸素酸化では、LaとCoからなる酸化触媒を付けたカーボンナノチューブに空気を流して酸素酸化し、この酸素酸化では、前記カルボキシル基、水酸基又はカルボニル基の酸素原子を含む部位を基点として燃焼させ開口部及び欠陥部を形成し、その後、カーボンナノチューブを硝酸で処理して酸化触媒を溶解除去するとともに、開口部及び欠陥部に、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はスルホン基を生成し、
前記金属触媒のカーボンナノチューブ内への固定は、金属触媒の前駆体物質をカーボンナノチューブに導入し、金属触媒の前駆体物質を、開口部及び欠陥部に存在する水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、又はスルホン基と反応させて、金属イオンまたは金属原子カーボンナノチューブの外表面および内表面に付着させ、続いて水素雰囲気中で還元処理して、金属イオン又は金属原子を凝集させて触媒微粒子としてカーボンナノチューブ内に固定することを特徴とするカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。

【請求項3】
前記金属触媒の前駆体物質を、前記開口部を通して前記カーボンナノチューブ内に導入することを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。

【請求項4】
前記金属触媒の前駆体は、acac錯体、硝酸塩又は塩化物から成るものであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。

【請求項5】
前記金属触媒の金属は、Fe、Co、Ni、Cu、Au、Ag、Pt、Ru、Rh、及びPdから成る群のうちの1又は2以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。

【請求項6】
前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。

【請求項7】
前記カーボンナノチューブの外径は、単層カーボンナノチューブの場合は0.8~2nmであり、多層カーボンナノチューブの場合は、5~50nmであることを特徴とする請求項6に記載のカーボンナノチューブに担持した金属触媒の作製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

15347_01SUM.gif
出願権利状態 登録
この特許について質問等ある場合は、電子メールによりご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close