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アルコール生産システムおよびアルコール生産方法 実績あり

国内特許コード P06A009606
整理番号 5069
掲載日 2007年1月29日
出願番号 特願2005-353820
公開番号 特開2006-325577
登録番号 特許第4038577号
出願日 平成17年12月7日(2005.12.7)
公開日 平成18年12月7日(2006.12.7)
登録日 平成19年11月16日(2007.11.16)
優先権データ
  • 特願2005-132295 (2005.4.28) JP
発明者
  • 木田 建次
  • 森村 茂
  • 重松 亨
  • 白井 義人
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 アルコール生産システムおよびアルコール生産方法 実績あり
発明の概要

【課題】 生ごみを有効利用すると共に、酒製造で使用されているSaccharomyces cerevisiaeに属する酵母を用いても殺菌、pH調整および酵母への栄養源の添加等が不要であり、かつ、効率良くアルコールを生成することができるシステムを提供する。
【解決手段】 アルコール生産部10および廃液処理・利用部20を備えている。アルコール生産部10は、糖化部11、濃縮部12、第1発酵部13、蒸留部14および脱水部15を有し、バイオマス原料(生ごみ)W1からアルコール(燃料用アルコール)L1を生成する。糖化部11では、生ごみW1中に生息する微生物により乳酸A1が生成して糖化液L2のpHが低くなる。濃縮部12では、濃縮糖化液L3の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下の範囲に濃縮されると共に濃縮糖化液L3のpHが乳酸A1の濃縮により4.0近辺になる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


近年、地球環境問題の観点からバイオマスの利用が注目されている。特に、次世代自動車燃料として期待されているエタノール等のアルコールをバイオマスから製造する技術についての研究開発が盛んに行われている。このアルコール生産は、バイオマス原料を、加水分解などの糖化工程により糖類に分解した後、酵母(微生物)を用いたアルコール発酵によりエタノールに変換することにより行われる。



一般的なバイオマス原料としては、サトウキビなどの糖質を含むものあるいはトウモロコシなどのデンプン質を含むものが多く用いられている。その他にも、バガスや稲わらのような草木系原料、木材チップ等の木質系原料、バイオマス等のセルロース系原料も原料として用いられている。しかし、これらの糖質やデンプン質原料は本来食用資源であり、これらの食用資源を長期的、安定的に工業用利用資源として用いることは、今後生じる人口増加問題と拮抗するため好ましくない。



そこで最近では、産業廃棄物等を用いたバイオマスが研究されており、例えば、セルロース系資源として利用可能な廃建材等からアルコールを生成する方法等が提案されている。



しかし、廃建材の中でも合板等の加工木材を用いる場合には、木材チップ等の未加工木材を用いた場合と比較して、発酵工程でのアルコールや有機酸の収率が低下するという問題があった。その原因は、加工木材には酢酸あるいはギ酸等が含まれている接着剤等が使用されており、これらが糖溶液中に含まれていると微生物による発酵を阻害する発酵阻害物質として作用するからである。この発酵阻害物質を除去する方法としては、イオン交換分離を採用することができるが、コストが高くなるなどの点で問題となる。そこで、糖溶液から発酵阻害物質糖を蒸発させて除去する前処理工程等を設けることにより、発酵収率を向上させる方法(第1の方法)などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。



また、アルコール発酵としては、醸造食品関連分野で古くから行われている方法が利用されており、例えば、Saccharomyces cerevisiaeを用いた方法等が最も一般に用いられている。しかし、アルコール生産性を重視する工業用や燃料用エタノールを生産する時は、一般にpH5付近で用いられている。このため、培養液や発酵装置の殺菌や温度制御は避けることができない。



そこで、酵母についても、耐酸性および耐塩性を有する酵母の開発がなされている。このような耐酸性の酵母を用いる方法(第2の方法)により、例えば、バイオマス原料を硫酸等の酸で加水分解(糖化)したpH3以下の糖溶液を用いた場合においてもアルコール発酵が可能となる。更に、上記酵母は耐酸性および耐塩性の他、耐糖性および耐アルコール性を複合的に有しているため、培地や発酵装置の殺菌などが不要になる(例えば、特許文献2参照)。




【特許文献1】特開2004-187650号公報

【特許文献2】特開2004-344084号公報

産業上の利用分野


本発明は、例えば生ごみなどの廃棄物から燃料用アルコールを得ることが可能なアルコール生産システムおよびアルコール生産方法に係り、特にアルコール発酵にお酒製造で使用するSaccharomyces cerevisiaeに属する酵母を用いる場合に有効なアルコール生産システム及びアルコール生産方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
嫌気状態において生ごみと酵素とを反応させて糖化液を生成すると共に、前記生ごみ中に生息する微生物により主として乳酸を生成させ、前記糖化液の水素イオン濃度(pH)を2.5以上5.5以下の範囲とする糖化部と、
前記糖化部において生成された糖化液に、酵母として前記pHの範囲で増殖・発酵するSaccharomyces cerevisiaeに属する凝集性酵母を添加してアルコール発酵させる第1発酵部と
を備えたことを特徴とするアルコール生産システム。

【請求項2】
前記糖化部において、生ごみに対して乳酸菌培養液を10%以下になるように添加する
ことを特徴とする請求項1記載のアルコール生産システム。

【請求項3】
前記酵素を、前記乳酸菌培養液を添加し、一定期間、嫌気状態で保存してpHが低下した後に添加する
ことを特徴とする請求項2記載のアルコール生産システム。

【請求項4】
前記糖化部において生成された糖化液を濃縮する濃縮部を有し、前記第1発酵部では前記濃縮部において生成された濃縮糖化液をアルコール発酵させる
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項5】
記第1発酵部により生成された醪を蒸留し、粗アルコールと蒸留廃液とに分離する蒸留部と、
前記粗アルコールを脱水してアルコールを生成する脱水部と
を備えたことを特徴とする1ないし4のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項6】
前記糖化部において、前記生ごみと、前記生ごみの湿潤重量に対して1/4以上の重量の水と、前記湿潤重量1kgに対して100mg以上の酵素とを混合したのち、30℃以上の温度で糖化する
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項7】
前記糖化部において、前記生ごみを回転ブレードまたは回転ドラムの中で糖化し、生じた糖化残渣を前記糖化液から分離する
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項8】
前記回転ブレードにより得られた糖化液を回収したのち、前記糖化残渣を粗粉砕しつつ回収する
ことを特徴とする請求項記載のアルコール生産システム。

【請求項9】
前記濃縮部において、前記糖化液を常圧濃縮または減圧濃縮し、前記濃縮糖化液の全糖濃度を100g/l以上300g/l以下とすることによりアルコール発酵に必要な栄養源を濃縮する
ことを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項10】
前記糖化液の濃縮割合を1.5倍以上5倍以下とする
ことを特徴とする請求項記載のアルコール生産システム。

【請求項11】
前記濃縮部において、前記乳酸の濃度が濃縮前の2倍以上になるまで前記糖化液を減圧濃縮もしくは常圧濃縮しそのpHを低下させると共に、前記糖化液中の単糖類の濃度を高めることにより雑菌の増殖を抑制する
ことを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項12】
前記濃縮部において、前記糖化液を濃縮して前記乳酸の濃度を10000mg/l以上になるまで濃縮し、前記糖化液のpHを低下させて雑菌の増殖による汚染を抑制することにより前記濃縮糖化液の殺菌を不要とする
ことを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項13】
前記濃縮部において、前記乳酸の濃度を高くすることにより前記糖化液のpHを調整す

ことを特徴とする請求項に記載のアルコール生産システム。

【請求項14】
前記酵素が、耐酸性を有するグルコアミラーゼもしくは、耐酸性および耐熱性を有するグルコアミラーゼである
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項15】
前記第1発酵部において、アルコールの濃度を50g/l以上150g/l以下、アルコール発酵pHを4.5以下、発酵温度を25℃以上および希釈率D(h -1)を0.05 h-1以上として雑菌が増殖する前に洗い出すことにより雑菌の増殖による汚染を抑制しつつ無殺菌の濃縮糖化液を連続発酵する
ことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項16】
前記第1発酵部において、アルコール発酵として連続発酵方式および凝集性酵母を用いると共に、発酵装置として機械攪拌およびガス循環などの機能を有すると共に後段に沈降分離部を設けた発酵槽、上部もしくは後段に沈降分離部を設けた塔型リアクタまたは流動部にドラフトチューブを有する塔型リアクタを用いる
ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。

【請求項17】
廃液処理・利用部としてメタン発酵槽を有する第2発酵部を備え、前記メタン発酵槽において前記蒸留部で生成された蒸留廃液を発酵させることによりバイオガスを生成し、前記バイオガスを前記濃縮部および前記蒸留部の少なくとも一方のエネルギー源として利用する
ことを特徴とする請求項に記載のアルコール生産システム。

【請求項18】
前記第2発酵部において、バイオガスの発生量の5%以上10%以下の空気を前記メタン発酵槽中に導入して前記バイオガスと混合させることにより、前記バイオガスと空気を含む混合ガス中の硫化水素の濃度を低減させる
ことを特徴とする請求項17記載のアルコール生産システム。

【請求項19】
前記第2発酵槽後段に水槽を有し、前記混合ガスを前記メタン発酵槽と前記水槽との間で循環させることにより硫化水素を空気酸化させて硫黄とし、前記混合ガス中の硫化水素の濃度を10ppm以下に低減させる
ことを特徴とする請求項17または18に記載のアルコール生産システム。

【請求項20】
前記メタン発酵槽の後段に循環式生物学的脱窒槽を、前記循環式生物学的脱窒槽の後段に硝化槽をそれぞれ有し、メタン発酵により生成されたアンモニウムイオンを前記循環式生物学的硝化槽で硝酸イオンに酸化させたのち、この硝酸イオンを含む液の一部を前記脱窒槽に循環させることにより、前記メタン発酵後に残存する有機物と硝酸イオンとを同時に除去する
ことを特徴とする請求項19に記載のアルコール生産システム。

【請求項21】
前記硝化槽において得られた処理水または前記硝化槽の後段に設けた脱色部において得られた処理水を生ごみに加える水の代替として前記糖化部に加える
ことを特徴とする請求項20に記載のアルコール生産システム。

【請求項22】
嫌気状態において生ごみと酵素とを反応させて糖化液を生成すると共に、前記生ごみ中に生息する微生物により主として乳酸を生成させ、前記糖化液の水素イオン濃度(pH)を2.5以上5.5以下の範囲とする糖化工程と、
前記糖化工程において生成された糖化液に、酵母として前記pHの範囲で増殖・発酵するSaccharomyces cerevisiaeに属する凝集性酵母を添加してアルコール発酵させる発酵工程と
を含むことを特徴とするアルコール生産方法。

【請求項23】
前記糖化工程において生成された糖化液を濃縮する濃縮工程を含み、
前記発酵工程では前記濃縮工程において生成された濃縮糖化液をアルコール発酵させる
ことを特徴とする請求項22記載のアルコール生産方法。

【請求項24】
前記酵素が、耐酸性を有するグルコアミラーゼもしくは、耐酸性および耐熱性を有するグルコアミラーゼである
ことを特徴とする請求項22または23に記載のアルコール生産方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 処理操作
  • 衛生設備
  • 廃水処理
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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