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心筋障害の予防又は治療剤

国内特許コード P06A009633
掲載日 2007年2月9日
出願番号 特願2005-114786
公開番号 特開2006-290814
登録番号 特許第4505640号
出願日 平成17年4月12日(2005.4.12)
公開日 平成18年10月26日(2006.10.26)
登録日 平成22年5月14日(2010.5.14)
発明者
  • 北村 和雄
  • 曹袁庁
  • 桑迫 健二
  • 浅田 祐士郎
  • 江藤 胤尚
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 心筋障害の予防又は治療剤
発明の概要

【課題】本発明は心筋障害の予防又は治療剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチド、その修飾体であって心筋障害を抑制する活性を有するもの、又はそれらの塩であって心筋障害を抑制する活性を有するものを有効成分として含有する心筋障害の予防又は治療剤に関する。本発明はまたヒト由来プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチド又はその修飾体を発現する非ヒト哺乳動物に関する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


アドレノメデュリン(AM)は最初、新規な血管拡張性ペプチドとして特定された(非特許文献1)。そしてその後の研究により、AMが強心作用を有すること(非特許文献2)、内皮細胞系統における抗アポトーシス因子及び抗増殖因子として作用すること(非特許文献3及び4)、副腎においてアンギオテンシンIIにより刺激されるアルドロステロン分泌を刺激すること(非特許文献5及び6)、並びに腎臓において利尿作用及びナトリウム排出作用を有すること(非特許文献7)が明らかとなっている。AMは前駆体であるプロアドレノメデュリンから生合成される。



プロアドレノメデュリンのN末端領域には特有の20アミノ酸からなる領域が含まれている。プロアドレノメデュリンは更に、この領域のC末端側に隣接してGly-Lys-Arg(典型的なアミド化シグナル)の領域を含む。このアミド化シグナルの働きにより、20アミノ酸からなる前記領域は生体内でC末端がアミド化された20アミノ酸からなるペプチドに変換される。このペプチドは、プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチド(Proadrenomedullin N-terminal 20 peptide,本明細書において「PAMP」と略記する場合がある)と称される。すなわちプロアドレノメデュリンからは、AMともにPAMPが生合成される。PAMPはAMと同様にホ乳類の組織に普遍的に分布している。



現在までのところ、PAMPの機能はAMほど明らかになってはいない。PAMPはAMほど強力ではないものの降圧作用を有すること(非特許文献8)、及び、ラットにおけるPAMPによる血圧低下はカテコルアミン分泌の阻害を伴うこと(非特許文献9及び10)が知られている。また、PAMPは副腎からのアルドステロン分泌をAMよりも強力に阻害することが知られている(非特許文献11)。しかしながらこれらの研究成果を除いてはこの普遍的に存在するペプチドについてはほとんど知られていない。そこで発明者らはこれまでに、PAMPの機能研究における利用を目的として、ヒトPAMPを過剰発現するラットを構築し、このラットに片腎摘出を施したのちに高食塩食を負荷して高血圧モデルラット(UNX hypertension model)を作成し、その応答を検討してきた(非特許文献12)。



一方、我が国ではライフスタイルの欧米化に伴い心疾患による死亡率は年々増加している。また平均寿命の延長も伴って高血圧症の罹病率、患者数ともに増加している。高血圧が持続すると、心臓、腎臓、脳、血管などに臓器障害が生じることがある。特に心臓においては心肥大、心筋線維化などが起こり、心不全状態となり最終的には死に至らしめる場合がある。そこで、心肥大、心筋線維化などの心筋障害を抑制することができる薬剤が求められている。




【非特許文献1】Kitamura K, Kangawa K, Kawamoto M, Ichiki Y, Nakamura S, Matsuo H, Eto T. Adrenomedullin: a novel hypotensive peptide isolated from human pheochromocytoma, Biochem. Biophys. Res. Commun. 192(1993):553-560.

【非特許文献2】Parkes DG, May CN. Direct cardiac and vascular actions of adrenomedullin in conscious sheep, Br. J. Pharmacol. 120(1997):1179-1185.

【非特許文献3】Michibata H, Mukoyama M, Tanaka I, Suga S, Nakagawa M, Ishibashi R, Goto M, Akaji K, Fujiwara Y, Kiso Y, Nakao K. Autocrine/paracrine role of adrenomedullin in cultured endothelial and mesangial cells, Kidney Int. 53(1998):979-985.

【非特許文献4】Sata M, Kakoki M, Nagata D, Nishimatsu H, Suzuki E, Aoyagi T, Sugiura S, Kojima H, Nagano T, Kangawa K, Matsuo H, Omata M, Nagai R, Hirata Y. Adrenomedullin and nitric oxide inhibit human endothelial cell apoptosis via a cyclic GMP-independent mechanism, Hypertension 36(2000):83-88.

【非特許文献5】Yamaguchi T, Baba K, Doi Y, Yano K, Kitamura K, Eto T. Inhibition of aldosterone production by adrenomedullin, a hypotensive peptide, in the rat, Hypertension 28(1996):308-314.

【非特許文献6】Mazzocchi G, Rebuffat P, Gottardo G, Nussdorfer GG. Adrenomedullin and calcitonin gene-related peptide inhibit aldosterone secretion in rats, acting via a common receptor, Life Sci. 58(1996):839-844.

【非特許文献7】Jougasaki M, Wei CM, Aarhus LL, Heublein DM, Sandberg SM, Burnett JC Jr. Renal localization and actions of adrenomedullin: a natriuretic peptide, Am. J. Physiol. 268(1995):657-663.

【非特許文献8】Kitamura K, Kangawa K, Ishiyama Y, Washimine H, Ichiki Y, Kawamoto M, Minamino N, Matsuo H, Eto T. Identification and hypotensive activity of proadrenomedullin N-terminal 20 peptide (PAMP), FEBS Lett. 351(1994):35-37.

【非特許文献9】Shimosawa T, Ito Y, Ando K, Kitamura K, Kangawa K, Fujita T. Proadrenomedullin NH2-terminal 20 peptide, a new product of daenomedullin gene, inhibits norepinephrine overflow from nerve endings, J. Clin. Invest. 96(1995):1672-1676.

【非特許文献10】Saita M, Shimokawa A, Kunitake T, Kato K, Hanamori T, Kitamura K, Eto T, Kannan H. Central actions of adrenomedullin on cardiovascular parameters and sympathetic outflow in conscious rats, Am. J. Physiol. 274(1998):979-984.

【非特許文献11】Andereis PG, Mazzocchi G, Rebuffat P, Nussdorfer GG. Effects of adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide on rat zona glomerulosa cells, Life Sci. 60(1997):1693-1697.

【非特許文献12】Mozaffari MS, Wyss M. Dietary NaCl- induced hypertension in uninephrectomized Wistar-Kyoto rats: role of kidney function, J. Cardiovasc. Pharmacol. 33(1999):814-821.

産業上の利用分野


本発明は心筋障害の予防又は治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチド
プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチドのC末端がアミド化されている修飾体、プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチドのC末端にGlyが付加されている修飾体、プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチドのアミノ酸配列において1~10個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる修飾体、プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチドのアミノ酸配列において1~10個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、さらにC末端がアミド化されている修飾体、若しくはプロアドレノメデュリンN-末端20ペプチドのアミノ酸配列において1~10個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、さらにC末端にGlyが付加されている修飾体であって、且つアンジオテンシンI変換酵素のmRNA発現を抑制する活性を有するもの、又は
それらの塩であってアンジオテンシンI変換酵素のmRNA発現を抑制する活性を有するもの
を有効成分として含有する心肥大又は心筋線維化の予防又は治療剤。

【請求項2】
プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチド、その修飾体であってアンジオテンシンI変換酵素のmRNA発現を抑制する活性を有するもの、又はそれらの塩であってアンジオテンシンI変換酵素のmRNA発現を抑制する活性を有するものを有効成分として含有する心肥大又は心筋線維化の予防又は治療剤であって、プロアドレノメデュリンN-末端20ペプチド又はその修飾体が以下の(a)、(b)、(c)又は(d)である、前記心肥大又は心筋線維化の予防又は治療剤。
(a)配列番号1、3、5、7、9又は11のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1、3、5、7、9又は11のアミノ酸配列において1~10個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンI変換酵素のmRNA発現を抑制する活性を有するペプチド
(c)C末端がアミド化されている(a)又は(b)に記載のペプチド
(d)C末端にGlyが付加している(a)又は(b)に記載のペプチド

【請求項3】
以下の(e)、(f)、(g)又は(h)であるペプチドを発現し、且つヒトアドレノメデュリンを発現しない非ヒト哺乳動物を用いる、前記ペプチドの、心肥大又は心筋線維化の予防又は治療活性を評価する方法。
(e)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド
(f)配列番号1のアミノ酸配列において1~10個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンI変換酵素のmRNA発現を抑制する活性を有するペプチド
(g)C末端がアミド化されている(e)又は(f)に記載のペプチド
(h)C末端にGlyが付加している(e)又は(f)に記載のペプチド
産業区分
  • 薬品
  • 畜産
  • 有機化合物
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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15496_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


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