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超伝導導体、超伝導整流素子及びこれを用いた整流回路

国内特許コード P06P004072
整理番号 IP64
掲載日 2007年2月23日
出願番号 特願2005-330308
公開番号 特開2006-179872
登録番号 特許第5098003号
出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
公開日 平成18年7月6日(2006.7.6)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
優先権データ
  • 特願2004-338585 (2004.11.24) JP
発明者
  • 原田 直幸
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 超伝導導体、超伝導整流素子及びこれを用いた整流回路
発明の概要

【課題】整流回路や限流装置のような超伝導コイルを用いた回路において、ダイオードのような整流素子について、抵抗を小さく、電力の損失を少なくし、さらに大きな電流でも適用できるようにする超伝導整流素子を提供する。
【解決手段】薄板状の超伝導体の一方、または両方の面に複数の溝または穴からなる凹部を形成し、電流が流れる方向に垂直な断面において溝または穴からなる凹部が一方の側で実質的に垂直な壁を有し、他方の側で緩く傾斜した面となる非対称な形状を有し、その非対称な形状により、量子化磁束に作用するローレンツ力に対するピンニング作用が、電流の順逆方向に対して非対称になるようにする。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


整流回路は変圧コイル、ダイオード、コンデンサ等の素子により、交流を直流に変換するように構成されており、コイルやダイオードにおいて抵抗による電力の損失が生じる。また、限流装置は超伝導導体やダイオード等により、電力系統に過電流が流れることを抑制するために構成されており、ダイオードにおいて電力の損失が生じる。これらの電力損失を小さくするために、超伝導コイルを用いることが従来考えられていた。このような超伝導コイルを用いた例として、例えば特開2000-350357号(特許文献1)、特開2000-90788号(特許文献2)がある。



また、超伝導整流素子として、特開平5-37030号(特許文献3)に示されるものがあるが、これは演算回路とその集積化に使用する素子であり、大きな電流を流すことはできないものであった。

【特許文献1】特開2000-350357号公報

【特許文献2】特開2000-90788号公報

【特許文献3】特開平5-37030号公報

産業上の利用分野


本発明は、超伝導導体、超伝導特性を利用した素子に関し、より詳細には、超伝導特性を利用して一方向に抵抗ゼロで大電流を流せる超伝導導体、超伝導整流素子及びこれを用いた回路に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
薄板状の超伝導体の一方または両方の面に、電流の流れる方向に平行に複数の溝または穴からなる凹部を、その各々の断面形状が電流の流れる方向に関して非対称形となるように形成し、その非対称形状により薄板状の超伝導体に垂直な方向の量子化磁束に作用するローレンツ力で量子化磁束が電流に垂直の方向に移動するのに抗するように生ずるピンニング力が電流の順逆に対して非対称になり、それによって順方向における臨界電流を大きく、逆方向における臨界電流を小さくする整流作用の機能を有する超伝導導体。

【請求項2】
薄板状の超伝導体に、電流の流れる方向に平行な複数の列をなす細孔を穿設して配列し、該細孔の各列における細孔の数が電流の流れる方向に垂直な方向に列毎に漸次変化し、各列における細孔の数の変化が電流の流れる方向に垂直な方向に周期的に反復するように細孔を配列することにより、薄板状の超伝導体に垂直な方向の量子化磁束に作用するローレンツ力で量子化磁束が電流に垂直の方向に移動するのに抗するように生ずるピンニング力が電流の順逆に対して非対称になり、それによって順方向における臨界電流を大きく、逆方向における臨界電流を小さくする整流作用の機能を有する超伝導導体。

【請求項3】
薄板状の超伝導体に、電流の流れる方向に平行な複数の細溝を形成して配列し、該複数の細溝における隣接細溝の間隔が漸次変化し、該間隔の変化が電流の流れる方向に垂直な方向に周期的に反復するように細溝を配設することにより、薄板状の超伝導体に垂直な方向の量子化磁束に作用するローレンツ力で量子化磁束が電流に垂直の方向に移動するのに抗するように生ずるピンニング力が電流の順逆に対して非対称になり、それによって順方向における臨界電流を大きく、逆方向における臨界電流を小さくする整流作用の機能を有する超伝導導体。

【請求項4】
前記薄板状の超伝導体が電子ビーム蒸着法により第2種超伝導体であるNb膜を形成することによって作製されたものであり、これに前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の細孔または複数の細溝を加工形成するようにしたことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の超伝導導体。

【請求項5】
前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の列をなす細孔または複数の細溝を常伝導金属で埋めたことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の超伝導導体。

【請求項6】
前記複数の溝または穴からなる凹部複数の列をなす細孔または複数の細溝を形成した超伝導体よりも臨界温度及び臨界磁場が小さい他の超伝導体で前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の列をなす細孔または複数の細溝を埋めたことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の超伝導導体。

【請求項7】
前記複数の溝または穴からなる凹部がフォトリソグラフィー法、X線リソグラフィー法、電子線リソグラフィー法、イオンビームリソグラフィー法を含むマイクロリソグラフィー法あるいはナノプリンティング法を用いた微細加工技術により階段形状で近似して形成されたものであることを特徴とする請求項に記載の超伝導導体。

【請求項8】
薄板状の超伝導体の一方または両方の面に、電流の流れる方向に平行に複数の溝または穴からなる凹部を、その各々の断面形状が電流の流れる方向に関して非対称形となるように形成し、その非対称形状により薄板状の超伝導体に垂直な方向の量子化磁束に作用するローレンツ力で量子化磁束が電流に垂直の方向に移動するのに抗するように生ずるピンニング力が電流の順逆に対して非対称になり、それによって順方向における臨界電流を大きく、逆方向における臨界電流を小さくしたことを特徴とする超伝導整流素子。

【請求項9】
前記複数の溝または穴からなる凹部が前記薄板状の超伝導体の一方の面において、一方の側における超伝導体面に実質的に垂直な面と他方の側における超伝導体面に対して緩く傾斜した面とを有する複数の溝として形成されたものであることを特徴とする請求項に記載の超伝導整流素子。

【請求項10】
前記複数の溝または穴からなる凹部が前記薄板状の超伝導体の一方の面に形成された第1の幅を有する複数の第1の溝と、前記薄板状の超伝導体の他方の面において前記第1の溝に対応してその幅より小さい幅を有し第1の溝の幅方向中心に関して偏倚した状態で形成された複数の第2の溝とからなることを特徴とする請求項に記載の超伝導整流素子。

【請求項11】
前記複数の溝または穴からなる凹部が超伝導体の一方の面に二次元的に分布して形成され、各々電流の流れる方向に関して非対称形の断面形状を有する複数の穴からなることを特徴とする請求項に記載の超伝導整流素子。

【請求項12】
薄板状の超伝導体に、電流の流れる方向に平行な複数の列をなす細孔を穿設して配列し、該細孔の各列における細孔の数が電流の流れる方向に垂直な方向に列毎に漸次変化し、各列における細孔の数の変化が電流の流れる方向に垂直な方向に周期的に反復するように細孔を配列することにより、薄板状の超伝導体に垂直な方向の量子化磁束に作用するローレンツ力で量子化磁束が電流に垂直の方向に移動するのに抗するように生ずるピンニング力が電流の順逆に対して非対称になり、それによって順方向における臨界電流を大きく、逆方向における臨界電流を小さくしたことを特徴とする超伝導整流素子。

【請求項13】
薄板状の超伝導体に、電流の流れる方向に平行な複数の細溝を形成して配列し、該複数の細溝における隣接細溝の間隔が漸次変化し、該間隔の変化が電流の流れる方向に垂直な方向に周期的に反復するように細溝を配設することにより、薄板状の超伝導体に垂直な方向の量子化磁束に作用するローレンツ力で量子化磁束が電流に垂直の方向に移動するのに抗するように生ずるピンニング力が電流の順逆に対して非対称になり、それによって順方向における臨界電流を大きく、逆方向における臨界電流を小さくしたことを特徴とする超伝導整流素子。

【請求項14】
前記薄板状の超伝導体が電子ビーム蒸着法により第2種超伝導体であるNb膜を形成することによって作製されたものであり、これに前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の列をなす細孔または複数の細溝を加工形成するようにしたことを特徴とする請求項8~13のいずれかに記載の超伝導整流素子。

【請求項15】
前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の列をなす細孔または複数の細溝を常伝導金属で埋めたことを特徴とする請求項8~14のいずれかに記載の超伝導整流素子。

【請求項16】
前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の列をなす細孔または複数の細溝を形成した超伝導体よりも臨界温度及び臨界磁場が小さい他の超伝導体で前記複数の溝または穴からなる凹部、複数の列をなす細孔または複数の細溝を埋めたことを特徴とする請求項8~14のいずれかに記載の超伝導整流素子。

【請求項17】
前記複数の溝または穴からなる凹部がフォトリソグラフィー法、X線リソグラフィー法、電子線リソグラフィー法、イオンビームリソグラフィー法を含むマイクロリソグラフィー法あるいはナノプリンティング法を用いた微細加工技術により階段形状で近似して形成されたものであることを特徴とする請求項8、9、11のいずれかに記載の超伝導整流素子。

【請求項18】
請求項8~17のいずれかに記載の超伝導整流素子を備えたことを特徴とする整流回路。


産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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