TOP > 国内特許検索 > 泥中フミン物質の分離回収方法

泥中フミン物質の分離回収方法 新技術説明会

国内特許コード P06A009703
掲載日 2007年3月2日
出願番号 特願2005-127692
公開番号 特開2006-306733
登録番号 特許第4415151号
出願日 平成17年4月26日(2005.4.26)
公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
登録日 平成21年12月4日(2009.12.4)
発明者
  • 太田 清久
  • 金子 聡
  • 原田 拓也
出願人
  • 学校法人三重大学
発明の名称 泥中フミン物質の分離回収方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 本発明は、水系の底部に存在する泥から、農業や園芸等の肥料として使うことのできる、フミン物質を簡便に分離回収する手法を提供する。
【解決手段】 水系の底部に存在する泥と水ガラスとを、水ガラスの重量比で5%から30%の範囲において混合し、200℃~300℃の温度範囲で焼成固化する。該固化物を水に浸漬させることにより、フミン物質を溶出させ、フミン物質水溶液を得る。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


日本国内で海に隣接している多くの県では、沿岸漁業が古くから行われており、蠣養殖や真珠貝養殖などの海洋産業が盛んである。しかしながら、養殖活動が活発に行われるにつれて、海底泥の堆積が増加しており、水系の底部に堆積した海底泥を除去するために、公共事業の一環として浚渫事業が行われている。例えば、三重県の閉鎖性海域の海底泥を調査したところ、海底泥中の約10%が有機物質であり、有機物質中の40%~50%がフミン物質(腐植物質)であった。



フミン物質は、河川、湖沼、土壌、泥炭、底泥などの中に含まれている物質であり、動植物の遺体や排泄物の化学的・生化学的な分解、又は微生物による合成の結果、生成する複雑な化学構造を有する有機物質である。一般的には、土壌や底泥中において分解・生成された動植物由来の有機成分のことを言う。フミン物質は暗褐色であり、その化学的性質は、酸性、親水性、高分子電解質であり、分子量は数百から数十万にわたっている。又、主に芳香族からなり、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボニル基、水酸基などの官能基を有している。



フミン物質は、河川や湖沼水中の難分解性溶存有機物質の大部分を占めており、生活排水や下水道施設排水にも多く含まれていることから、環境汚染の一因にもなっている。又、フミン物質は、上水道の塩素処理により生成するトリハロメタンの前駆物質であるとされている。このように、フミン物質は環境に悪影響を及ぼす一面が注目される一方で、動植物の遺体や排泄物が分解して生成した有機物質であるため、植物に対する栄養分の供給に好影響を与える有益な物質として作用する性質も元来存在しており、今後資源の枯渇が進行するにつれて、重要な資源の一つに成り得る。



フミン物質は、一般に酸やアルカリ溶液への溶解性に基づいてフミン酸、フルボ酸、ヒューミンに分類される。フミン酸はアルカリ性溶液に溶解し、酸性溶液で沈殿する。フルボ酸は、酸性・アルカリ性溶液のいずれにも溶解する。ヒューミンは、不溶性の分画で酸性・アルカリ性溶液のいずれにも不溶である。このフミン物質は、単一の化合物からなるものではなく、構造を特定できない複数種の有機物を含んでいる混合物であるが、代表的な元素組成は、炭素:50~65%、水素:4~6%、酸素:30~41%であり、その他微量の窒素、リン、イオウなどを含んでいる。



フミン物質の一般的な分離回収方法は、一般に酸やアルカリ溶液への溶解性に基づいている。土壌サンプルの場合、具体的な操作として、まずアルカリ溶液中(pHが12以上)に土壌サンプルを浸漬させて、土壌中のフミン酸とフルボ酸を溶解する(なお、ヒューミンは懸濁物質として存在する)。続いて、pHを2以下の酸性溶液にしてフミン酸を沈殿させ、沈殿したフミン酸を回収する。次に、水溶液中に溶存しているフルボ酸を減圧蒸留し、回収する。以上のように、現在用いられているフミン物質の分離回収方法は、酸やアルカリなどの化学薬品を使用するなど煩雑である。



フミン物質に関する公知文献として、リグニン質炭類のアルカリ処理により抽出される腐植物質が、植物ホルモン的作用を有する植物生育促進剤として有効であることを示した(肥料として用いる)ものや、植物の生長を促進するフルボ酸を地下かん水に含まれる腐植物質より分離生成する抽出方法に関するものなど多数報告されている(例えば特許文献1-3)。しかしながら、海底泥中のフミン物質を簡便に分離回収する手段については知られていなかった。




【特許文献1】特許公開2003-171215

【特許文献2】特許公開2004-284936

【特許文献3】特許公開平5-874

産業上の利用分野


本発明は、海底泥中フミン物質の簡便な分離回収、及び土壌改良材としての底泥固化物の利用法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
水系の底部から得られ脱塩された泥と珪酸ナトリウム(水ガラス)を混合した後、焼成することにより固化し、該固化物を水に浸漬させることによって、泥中フミン物質を分離回収する方法。

【請求項2】
前記水ガラスの混合重量比が3%から30%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の泥中フミン物質の分離回収方法。

【請求項3】
焼成温度が200℃~300℃の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の泥中フミン物質の分離回収方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 処理操作
  • 無機化合物
  • その他無機化学
  • 衛生設備
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2005127692thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
さらに詳しい情報をご要望の方は、下記「問合せ先」までお問い合わせください。未公開情報等の交換をおこなう場合は秘密保持契約を締結しての面談等にて対応しております。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close