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高分子固体電解質

国内特許コード P06P005429
掲載日 2007年3月2日
出願番号 特願2005-137551
公開番号 特開2006-318674
登録番号 特許第5002804号
出願日 平成17年5月10日(2005.5.10)
公開日 平成18年11月24日(2006.11.24)
登録日 平成24年6月1日(2012.6.1)
発明者
  • 伊藤 敬人
  • 宇野 貴浩
出願人
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 高分子固体電解質
発明の概要

【課題】シングルイオン導電性ポリマーはアニオンが高分子鎖に固定されており、アニオンサイトにリチウムイオンが強く束縛されてしまうためリチウムイオンの移動度が低下し、イオン導電率は大変低くなってしまうという問題点があり、シングルイオン導電性ポリマーのイオン導電率の改善が大きな課題となっている。
【解決手段】アニオンをポリマー構造中に固定したアニオン型ポリマーリチウム塩結晶とマトリックスポリマーとブレンドし、三フッ化ホウ素(BF)などのルイス酸を添加することによって、ポリマーリチウム塩結晶が無機フィラーと同じ役割を果たしイオン導電率、機械的強度の向上などの効果をもたらし、カチオン輸率の高い高分子固体電解質を得られた。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


現在、小型電子・電気機器用に市販されているリチウム二次電池の多くは、可燃性の有機溶媒を電解液として使用しており、この有機溶媒電解液の液漏れおよびそれに伴う発火などの危険性を有している。従って、このようなリチウム二次電池を電気自動車のような大型用途に用いることは、リスク増大の点から好ましくない。よって、より安全な電解質材料が求められ、その解決策のひとつとして電解質に固体ポリマー複合体を用いる高分子固体電解質電池が注目されている。



固体状態でイオンを高速かつ選択的に伝導できる高分子固体電解質の研究は、1973年のWrightらの報告に端を発している。すなわちポリエチレンオキシド(PEO,-[CHCHO]―)が固体状態でアルカリ金属塩と錯体を形成し、室温でイオン導電性を示すことが見出された。1979年にはArmandらによって、高分子固体電解質を用いた全固体ポリマー電池の可能性がはじめて示唆され、それ以来、今日に至るまで多岐にわたるポリマー電解質の研究が進められてきた。



ところで、高分子固体電解質に要求される性質として次のようなものが上げられる。
第一に、電解質溶液に匹敵する高いイオン伝導度と小さな温度依存性を有することである。ここで、 高いイオン伝導度を得るには電荷キャリア(イオン)度が高く、固体中のキャリアの移動速度が大きいことが必要である。キャリア濃度はポリマー中への塩の溶解度とイオン解離のしやすさで決まる。一方、イオンの移動はポリマー複合体の非晶質部分の熱運動と連動して起こるので、高いイオン移動度を得るには、熱運動しやすいポリマーの構造を持っていることが望ましい。
次に、 熱的および化学的安定性に優れることが必要である。電解質として、広い安定電位窓を有していて長期間物理的に安定であることや、耐熱性、機械的強度に優れていることも電池としての実用性上、重要な要素である。



これまでに研究されてきた高分子固体電解質のマトリックスポリマー骨格としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアミン系及びポリスルフィド系がある。これらの中でも比較的高いイオン導電性を示すことが知られているポリエーテル系のポリマーが注目を集め、直鎖状のPEOあるいはその構造中にPEO構造を含むものについて数多くの報告がなされている。しかしながらPEOをマトリックスとする錯体では、酸素―Li間の相互作用が強いために一般に結晶性が高くなり、イオン導電率は温度に大きく依存し、融点以上で高いイオン導電率を示すものの室温ではかなり低くなる。一方、分岐ポリエーテル系高分子固体電解質は室温でも結晶化せず、枝状の短いエーテル側鎖の高い分子運動性によって室温でのイオン導電率も高くなり10-4S/cmオーダーの高い値が得られている。しかし、高いイオン導電率を示すポリエーテル系では、高分子中で解離したアニオンが高分子鎖との相互作用を受けることなく移動することが出来るため、アニオンの導電率(σ)の占める割合が大部分となり、全イオン導電率(σ=σ+σ)のうちリチウムイオン導電率(σ)の占める割合を示すリチウムイオン輸率(t=σ/(σ+σ)=σ/σ)がかなり低く、0.1以下になることもある。



このようなポリマー電解質をリチウム二次電池に適用した場合、放電時にリチウムイオンのみでなく対アニオンも移動する。リチウムイオンは両電極に出入りするが、アニオンは電極上に堆積するためアニオンの偏りが大きくなって電極間でイオンの濃度分極を引き起こし、時間とともに電解質膜の抵抗が増大することにより、電池性能が低下する。そこで電解質中をカチオンのみが移動するポリマー複合体、すなわちシングルイオン伝導体をリチウム二次電池の電解質に用いる提案がなされている。(非特許文献1-4)。ここで、シングルイオン伝導体に固定されるイオン性解離基としては、カルボキシレート基、スルホネート基、スルホンイミド基、フェノレート基などがある。




【非特許文献1】M. Watanabe, Y. Suzuki, A. Nishimoto, Electrochimica Acta, vol. 45, p.1187 (2000).

【非特許文献2】M. Watanabe, H. Tokuda, Electrochimica Acta, vol. 46, p. 1487 (2001).

【非特許文献3】Y. Tominaga, H. Ohno, Electrochimica Acta, vol. 45, p. 3081 (2000).

【非特許文献4】D. Benrabah, S. Sylla, F. Allion, J-Y. Sanchez, M. Armand,Electrochimica Acta, vol. 40, p. 2259 (1995).

産業上の利用分野


本発明は、高分子固体電解質に関し、さらに詳しくはポリアニオン型リチウム塩を使用したリチウム二次電池用高分子固体電解質に関わる。

特許請求の範囲 【請求項1】
アニオン型ポリマーリチウム塩とエーテル系高分子材との複合体材料であって、
前記アニオン型ポリマーリチウム塩がポリソルビン酸又はポリムコン酸のリチウム塩であり、リチウムと酸素とのモル比がリチウム1に対し酸素が1~30であることを特徴とするリチウム二次電池用高分子固体電解質。

【請求項2】
前記エーテル系高分子材料がポリエチレンオキシド、又は、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体を基本骨格とするエーテル系高分子材料であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用高分子固体電解質。

【請求項3】
前記リチウム二次電池用高分子固体電解質に三フッ化ホウ素又は、ボロキシン化合物を添加したことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のリチウム二次電池用高分子固体電解質。
産業区分
  • その他電子
  • 高分子化合物
  • 導電材料(抵抗)
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005137551thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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