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産卵誘引フェロモンの製造方法およびその製造中間体の製造方法

国内特許コード P06A009706
整理番号 2004-011
掲載日 2007年3月2日
出願番号 特願2004-220511
公開番号 特開2006-036705
登録番号 特許第4765056号
出願日 平成16年7月28日(2004.7.28)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
登録日 平成23年6月24日(2011.6.24)
発明者
  • 小槻 日吉三
出願人
  • 学校法人高知大学
発明の名称 産卵誘引フェロモンの製造方法およびその製造中間体の製造方法
発明の概要

【課題】 産卵誘引フェロモンの製造方法であって、ステップ数が少なく簡便であり且つ低コストであることから大量合成に適するものを提供する。
【解決手段】 本発明に係る産卵誘引フェロモンの製造方法は、化合物(IV)を製造中間体とするものであって、スキームAで表される。
【化1】


[上記式中、R1はC1-C7アシル基を示し、R3はC1-C10アルキル基を示し、R2は-(CH2)2-R3基を示す。]

従来技術、競合技術の概要


西ナイルウイルスは日本脳炎ウイルス等に近いものであり、主に鳥類に感染するが、時に哺乳類にも感染する。このウイルスは、もともとアフリカやヨーロッパ、西アジアで広く見られたものであるが、1999年には北米でも流行が報告された。以来、北米では毎年死者が出ており、問題となっている。



このウイルスは、鳥類によって感染地を拡大していくが、蚊にも媒介されることが知られている。その他にも、蚊は様々な伝染病を媒介することから、その駆除は重要である。しかし、蚊はどこにでもある水溜りをも産卵場所にできるため、駆除は容易でない。



ところで、蚊の産卵は、既に産み付けられた卵より発せられる産卵誘引フェロモンにより誘引されることが知られているため、この産卵誘引フェロモンを利用して蚊を駆除することが考えられている。そこでPickettらは、ネッタイイエカ(Culex pipiens fatigans)の卵から産卵誘引フェロモンを単離し、その構造を下記の通り決定した。また、特許文献1には、当該化合物を含む誘導体が開示されている。



【化学式1】




そして当該化合物については、蚊に対する農薬としての興味からも、その合成研究が盛んに行なわれた。しかし、当該化合物は2つの不斉炭素を有しているため、多くの場合、合成ステップ数が多いことやキーとなる反応の収率が低いなどの問題点があった。



これに対して最近では、Ru金属を触媒とした酸化的環化反応や、Crを触媒とした高エナンチオ選択的・高ジアステレオ選択的[4+2]アリルホウ素化反応によって、上記産卵誘引フェロモンの効率的な合成が達成されている(非特許文献1と2)。しかし、西ナイルウイルスに対する農薬としての観点から考えると、斯かる産卵誘引フェロモンについては大量生産が不可欠であるため、高価な金属触媒を用いるこれら方法は好適なものとはいえない。特に、西ナイルウイルスの分布を考えれば、経済状況の悪い開発途上国への供給も考慮する必要があり、安価で簡便に製造する必要がある。



また、非特許文献3には、(Z)-5-ヘキサデカン酸を原料としたステップ数の少ない産卵誘引フェロモンの合成方法が開示されている。しかし、この合成方法は微生物変換を利用しており、当該ステップの収率は良いとはいえないと考えられる。



ところで、本発明者らはL-プロリンの存在下、高圧力下で行なう不斉アルドール縮合につき既に発表しており、特にベンゼン環やシクロヘキサン環にアルデヒド基が直結した化合物を原料として用いた場合に、収率と光学純度共に良好な結果が得られることを明らかにしている(非特許文献4)。しかし、当該技術は、産卵誘引フェロモンの合成にそのまま適用できるものではなかった。

【特許文献1】米国特許第4,803,289号公報

【非特許文献1】Trost,B.M.,Rhee,Y.H.,J.Am.Chem.Soc.,124巻,2528-2533頁(2002年)

【非特許文献2】Gao,X.,Hall,D.G.,J.Am.Chem.Soc.,125巻,9308-9309頁(2003年)

【非特許文献3】Olagbemiro,T.O.ら,J.Agric.Food.Chem.,47巻,3411-3415頁(1999年)

【非特許文献4】Sekiguchi.Y.ら,Synlett,11号,1655-1658頁(2003年)

産業上の利用分野


本発明は、(5R,6S)-(-)-6-アセトキシ-5-ヘキサデカノリドに代表される産卵誘引フェロモンの製造方法、および当該方法で用いられる製造中間体の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
L-プロリンの存在下、化合物(II)と(III)とをアルドール縮合し、2R-1S体である化合物(IV)と、2R-1R体であるそのanti異性体(IV')の混合物を得る工程;および
上記混合物から化合物(IV)を精製する工程を含むことを特徴とする化合物(IV)の製造方法。
【化学式1】


[上記式中、R3はC1-C10アルキル基を示す。]

【請求項2】
上記L-プロリンを、化合物(III)に対して20~50モル%添加する請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
スキームAで表される産卵誘引フェロモン(I)の製造方法であって、
化合物(IV)の1,3-ジチアン基をラネーニッケルによりメチレン基まで脱硫して化合物(V)を得る工程;
化合物(V)のシクロペンタノン基をBaeyer-Villiger酸化反応によりδ-バレロラクトンとして化合物(VI)を得る工程;および
化合物(VI)の水酸基をアシル化することによって産卵誘引フェロモン(I)を得る工程を含むことを特徴とする方法。
【化学式2】


[上記式中、R1はC1-C7アシル基を示し、R3はC1-C10アルキル基を示し、R2は-(CH2)2-R3基を示す。]
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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