TOP > 国内特許検索 > 無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法

無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法

国内特許コード P06A009708
整理番号 2004-019
掲載日 2007年3月2日
出願番号 特願2005-000259
公開番号 特開2006-188377
登録番号 特許第4815583号
出願日 平成17年1月4日(2005.1.4)
公開日 平成18年7月20日(2006.7.20)
登録日 平成23年9月9日(2011.9.9)
発明者
  • 西沢 均
出願人
  • 学校法人高知大学
発明の名称 無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法
発明の概要

【課題】 接着剤を用いることなく、無機粒子と酸化チタンとを強固に結合させて無機粒子・酸化チタン複合体を製造し、かかる無機粒子・酸化チタン複合体からなる層を、基体表面に、同じく接着剤を用いることなく、層の厚みが大きく、強固に結合させて、製造する、無機粒子・酸化チタン複合体層の製造。
【解決手段】 基体表面に無機粒子・酸化チタン複合体層を形成する方法であって、チタンアルコキシド、アルコール、アミノアルコールおよび水を含有する混合物を、100℃~200℃の温度範囲で加熱することによって酸化チタン前駆体を作製する工程と、当該酸化チタン前駆体に無機粒子を添加し、当該酸化チタン前駆体と当該無機粒子とを混合することによって無機粒子・酸化チタン複合体前駆体を作製する工程と、当該無機粒子・酸化チタン前駆体を基体表面に塗布し、300℃~600℃の温度範囲で焼成する工程とを含む無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


従来、酸化チタンは、幅広い用途に使用されている。例えば、細菌や有害化学物質を分解する光触媒作用により、抗菌材料として使用され、また、生体適合性により、生体用材料として使用されている。しかし、酸化チタンは、特に有機化合物との親和性が低い。従って、処理すべき細菌や有害化学物質を吸着できないことから、その抗菌作用を十分に発揮できない。また、骨などの生体組織との結合力も有さないことから、人工骨あるいは人工関節等として十分に機能できないことがある。



一方、酸化チタン以外にも、各種無機物質からなる粒子(以下、無機粒子)は、それぞれ固有の特性に応じて、様々な用途に使用されている。例えば、アパタイトは、タンパク質の吸着能を有するため、細菌やウイルスなどを吸着することができる。しかし、アパタイトは、吸着した物質を分解することはできないため、吸着性能が飽和してしまう。



従って、酸化チタンと他の無機粒子を組み合わせることにより、それぞれの利点を有する複合体が得られる可能性がある。例えば、酸化チタンとアパタイトを組み合わせることにより、アパタイトによって吸着された細菌などの有害化学物質を、酸化チタンの光触媒作用により分解させることができるため、酸化チタンの抗菌作用を十分に発揮させることができ、かつ、アパタイトへの有害化学物質の吸着性能が飽和せず、抗菌作用を持続させることが考えられる。



しかし、酸化チタンと他の無機粒子との親和性が低い場合には、上記作用を十分に満足する複合体が得られないことがある。そこで、かかる複合体を得るための技術が、検討されている。



例えば、特許文献1には、酸化チタンとアパタイトを水熱反応によって複合化した酸化チタン・アパタイト複合体が開示されている。当該技術では、アパタイト、水溶性チタン化合物、および水を混合し、10~100℃で常圧条件下、100~300℃では飽和水蒸気圧下で水熱反応を行うことにより、酸化チタン微粒子をアパタイト粒子の表面に析出させて、酸化チタンとアパタイトの複合体を製造する方法が開示されている。しかし、当該特許文献1の実施例で製造しているのは、酸化チタンとアパタイトの複合体の粉体である。従って、かかる酸化チタンとアパタイトの複合体を基体表面に層として結合させる場合、接着剤が必要となり、かかる接着剤は、酸化チタンの光触媒作用により分解されるおそれがある。また、接着剤の種類によっては生体内で異物と認識されアレルギー反応を引き起こす、あるいは、接着剤が生体内に溶け出せば、生体内組織に損傷を生じさせるおそれがある。さらに、前記アパタイト、水溶性チタン化合物、および水の混合液を基体表面に塗布した後、加熱して水熱反応を行ったとしても、極めて薄い複合体層しか製造することができない。しかも、アパタイトを基体表面に強固に結合させるために十分な量の酸化チタンを結晶化することは、上記低温での加熱処理を行う水熱反応においては困難である。



また、特許文献2には、アパタイト被覆二酸化チタンからなる光触媒を0.1~50重量%含むコーティング層が開示されている。当該技術では、酸化チタンからなる表面を持つ基材を、擬似体液に浸漬することによりアパタイト被覆二酸化チタンを作成し、かかるアパタイト被覆二酸化チタンとバインダとを用いてコーティング層としている。しかし、擬似体液に酸化チタンを浸漬する方法では、アパタイトを生成するのに時間がかかり過ぎること、酸化チタンを浸漬するための装置が煩雑になること、あるいは、生成するアパタイトの種類に応じて様々な反応条件を設定する必要がある、といった問題点が挙げられる。さらに、バインダを用いてコーティング層としているため、酸化チタンによるバインダの分解、あるいは、生体内に適用する際、生体に及ぼす悪影響が生じるおそれがある。
さらに、擬似体液を用いて酸化チタン表面にアパタイトを結合させる方法では、アパタイト層を厚くすることは困難である。



ところで、特許文献3には、チタンアルコキシド、アルコール系有機溶媒、アミノアルコールおよび水を含有するチタンアルコキシド混合溶液を、加熱処理して得られるゲル状組成物である二酸化チタン前駆体の製造方法が開示されている。



しかし、当該特許文献3には、酸化チタンと他の無機粒子との複合体に関しては、何ら開示されていない。

【特許文献1】特開2004-75445号公報

【特許文献2】特開2003-89587号公報

【特許文献3】特開2003-252626号公報

産業上の利用分野


本発明は、無機粒子および酸化チタンを含有する無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基体表面に無機粒子・酸化チタン複合体層を形成する方法であって、
チタンアルコキシド、アルコール、アミノアルコールおよび水を含有する混合物を、100℃~200℃の温度範囲で加熱することによって酸化チタン前駆体を作製する工程と、
当該酸化チタン前駆体を基体表面に塗布する工程と、
当該塗布された酸化チタン前駆体に、さらに無機粒子を添加することによって無機粒子・酸化チタン複合体前駆体を作製する工程と、
当該基体表面に塗布された無機粒子・酸化チタン複合体前駆体を、300℃~600℃の温度範囲で焼成する工程
とを含むことを特徴とする無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項2】
上記酸化チタン前駆体を作製する工程において、
チタンアルコキシド1molに対して、
アルコール40~120mol、
アミノアルコール1~20mol、
水10~80mol
を用いる請求項1に記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項3】
上記基体として、金属、ガラス、セラミックス、コンクリートの単独物または混合物からなるものを用いる請求項1または2に記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項4】
上記基体として、合金からなる人工骨または人工関節を用いる請求項1~のいずれかに記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項5】
上記酸化チタンに対する上記無機粒子の含有量を、90質量%以下とする請求項1~のいずれかに記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項6】
上記無機粒子として、アパタイトを用いる請求項1~のいずれかに記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項7】
酸化チタンに対する無機粒子の含有量が、互いに異なる無機粒子・酸化チタン複合体層を2層以上設け、多層構造とする請求項1~のいずれかに記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。

【請求項8】
基体として金属からなるものを用い、基体に近い内層ほど無機粒子の含有量を少なくする請求項に記載の無機粒子・酸化チタン複合体層の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close