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高性能材料の製造方法

国内特許コード P06A009738
整理番号 KU2004061Sh
掲載日 2007年3月2日
出願番号 特願2005-024634
公開番号 特開2006-207011
登録番号 特許第5130605号
出願日 平成17年1月31日(2005.1.31)
公開日 平成18年8月10日(2006.8.10)
登録日 平成24年11月16日(2012.11.16)
発明者
  • 黄 新▲ショウ▼
  • 真下 茂
  • 小野 正雄
  • 冨田 健
  • 沢井 友次
  • 長壁 豊隆
  • 毛利 信男
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 高性能材料の製造方法
発明の概要

【課題】
半導体などの材料を構成している結晶を、材料の形状を変形させたり、不純物を添加したりすることなく、微細化し、更には結晶方位を揃えて結晶を成長させること、および原子スケールの組成傾斜構造を形成させることができる高性能材料の製造方法を提供する。【解決手段】 二つ以上の異なる元素または同位体からなる合金もしくは固溶体、化合物もしくは化合物の混晶、またはこれらの混合物等の材料に対して、高重力場処理を施す。具体的には、材料が固相状態を保つことができ、かつ再結晶温度以上の温度下で、1万g以上の重力加速度を印加する。これにより、原子量の大きい元素が重力方向に一軸変位して結晶構造に大きな一次元格子歪みが生じて、結晶が微細化される。処理時間を長くすると、元素の沈降が生じ、結晶方位が揃って成長すると共に、原子スケールの組成傾斜構造が形成される。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


金属、半導体および絶縁体などのさまざまな結晶性機能材料(以降、単に材料という)では、それを構成する結晶のサイズや配向性が電気的特性、磁気的特性、光学的特性、熱的特性あるいは機械的特性に大きな影響を及ぼす。そのため、材料の作製プロセスの観点から、結晶のサイズ(粒径)や配向の制御方法が重要視されている。



特に、上記材料の一つである熱電材料については、その性能を向上させるために、結晶の微細化および結晶配向の制御が有効であることが知られている。結晶を微細化する方法としては、溶湯へ結晶微細化剤を添加する方法(例えば、特許文献1参照)、強歪み加工法および微粒子瞬間固化法などがある。強歪み加工法としては、具体的には、繰返し圧延を行う方法(例えば、特許文献2参照)、せん断押出し(Equal Channel Angular Pressing;ECAP)法(例えば、特許文献3参照)あるいは圧縮ねじり成形をする方法などが挙げられる。微粒子瞬間固化法としては、衝撃圧縮を利用した方法(例えば、特許文献4参
照)あるいは放電プラズマ焼結を利用した方法(例えば、特許文献5参照)などが挙げられる。一方、結晶配向を制御する方法としては、結晶磁気異方性を利用して磁場を印加することにより結晶方位を制御する方法(例えば、特許文献6参照)、結晶構造のすべり易さの異方性を利用した圧延-熱処理法、基板からのエピタキシャル成長を利用した化学気相成長(Chemical Vapor Deposition ; CVD)法および物理気相成長(Physical Vapor Deposition ; PVD)法などがある。



また、バルク状の材料の組成傾斜を行う方法としては、2種類の材料粉末を混合比を変化させて型内に充填して層状にしたものを焼結する方法(例えば、特許文献7参照)、あるいは材料凝固過程において材料の粒子の密度の差を利用して重力加速度が1千g以下の弱い遠心力を印加する方法(例えば、特許文献8参照)などがある。

【特許文献1】特開2003-193153号公報

【特許文献2】特開2000-73152号公報

【特許文献3】特開2003-96551号公報

【特許文献4】特開2001-207202号公報

【特許文献5】特開平10-41554号公報

【特許文献6】特開2003-342100号公報

【特許文献7】特開2003-178678号公報

【特許文献8】特開2001-80972号公報

産業上の利用分野


本発明は、二つ以上の異なる元素または同位体により構成される材料の結晶組織を制御し、結晶の微細化、結晶配向、方位を揃えての結晶成長、さらに原子スケールの組成制御を行うことによりその特性が向上されてなる高性能材料の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
二つ以上の異なる元素または同位体により構成された固相状態の材料に対して前記材料の再結晶温度以上、かつ固相状態を保つことができる温度以下の温度下で1万g(g=9.8m/s2 )以上の重力加速度を印加することにより、その結晶を微細化させる
ことを特徴とする高性能材料の製造方法。

【請求項2】
二つ以上の異なる元素または同位体により構成された固相状態の材料に対して前記材料の再結晶温度以上、かつ固相状態を保つことができる温度以下の温度下で1万g(g=9.8m/s2 )以上の重力加速度を印加することにより、その結晶を微細化させ、結晶方位を揃える
ことを特徴とする高性能材料の製造方法。

【請求項3】
前記材料は、二つ以上の異なる元素からなる合金もしくは固溶体、化合物もしくは化合物の混晶、またはこれらの混合物である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項4】
前記材料は、二つ以上の異なる同位体からなる元素単体である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項5】
前記二つ以上の異なる元素は、全率固溶型ビスマス(Bi)-アンチモン(Sb)合金、カドミウム(Cd)-アンチモン(Sb)系金属間化合物、ビスマス-テルル系半導体化合物(Bi2Te3)および全率固溶型セレン(Se)-テルル(Te)系半導体固溶体のうちのいずれかであり、
前記二つ以上の異なる同位体は、セレン(76Se,78Se,80Seおよび82Seのうちの少なくとも二つ)、テルル(125Te,126Te,128Teおよび130Teのうちの少なくとも二つ)、並びにシリコン(28Si,29Siおよび30Siのうちの少なくとも二つ)のうちのいずれかである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項6】
二つ以上の異なる同位体により構成された固相状態の材料に対して前記材料の再結晶温度以上、かつ固相状態を保つことができる温度以下の温度下で1万g(g=9.8m/s2 )以上の重力加速度を印加することにより、その結晶方位を揃えて成長させる
ことを特徴とする高性能材料の製造方法。

【請求項7】
二つ以上の異なる同位体により構成された固相状態の材料に対して前記材料の再結晶温度以上、かつ固相状態を保つことができる温度以下の温度下で1万g(g=9.8m/s2 )以上の重力加速度を印加することにより、その結晶方位を揃えて成長させると共に、原子スケールの組成傾斜構造を形成する
ことを特徴とする高性能材料の製造方法。

【請求項8】
前記二つ以上の異なる同位体は、セレン(76Se,78Se,80Seおよび82Seのうちの少なくとも二つ)、テルル(125Te,126Te,128Teおよび130Teのうちの少なくとも二つ)、並びにシリコン(28Si,29Siおよび30Siのうちの少なくとも二つ)のうちのいずれかである
ことを特徴とする請求項6または7に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項9】
前記重力加速度は、10万g(g=9.8m/s2 )以上である
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項10】
高重力場において、前記材料の加熱または冷却を行う
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項11】
高重力場において、前記材料を溶融状態から凝固させる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項12】
前記材料としてバルク材を用いる
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項13】
前記材料として、厚さ2mm以下の単層もしくは多層構造の薄板材または薄膜材を用いる
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項14】
前記材料は、全率固溶型ビスマス-アンチモン合金であり、191℃以上205℃以下の温度下、88万g以上102万g以下の重力場で処理を施す
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項15】
前記材料は、カドミウム-アンチモン系金属間化合物であり、345℃の温度下、最大重力加速度78万gの重力場で処理を施す
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高性能材料の製造方法。

【請求項16】
前記材料は、76Se,78Se,80Seおよび82Seの同位体を含むセレンの単体であり、255℃の温度下、最大重力加速度85万gの重力場で処理を施す
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高性能材料の製造方法。
産業区分
  • 冶金、熱処理
  • 冶金、熱処理
  • 合金
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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