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高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子とその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P06P005021
整理番号 TDU-094
掲載日 2007年4月2日
出願番号 特願2005-249997
公開番号 特開2007-067104
登録番号 特許第4756240号
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
登録日 平成23年6月10日(2011.6.10)
発明者
  • 佐藤 慶介
  • 平栗 健二
出願人
  • 学校法人東京電機大学
発明の名称 高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子とその製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 低い駆動電圧で、赤色、緑色、青色を、高輝度でかつ安定的に発光するナノシリコン発光素子と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 粒子サイズ1.5~2.0nm、2.0~2.5nm、2.5~3.5nmの何れかのナノシリコンを多数内包する半導体基板上の酸化ケイ素膜に、フッ酸水溶液処理とブロワー処理を施すことにより形成され、かつ、室温で、低い駆動電圧にて、青色、緑色、赤色の何れかを高輝度で発光することを特徴とする高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子であって、半導体基板上に、酸化ケイ素膜が存在しない領域と、ナノシリコンを多数含むフッ酸水溶液が残留する領域を形成した後、該フッ酸水溶液残留領域にブロワー処理を施し、隣接する酸化ケイ素膜が存在しない領域に、多数のナノシリコンを凝集状態で露出せしめて製造する。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


現代の情報化社会において最も欠かすことのできない機器として、ディスプレイが挙げられる。ディスプレイ機器は、パーソナルコンピュータ、テレビ、カーナビゲーション、電光掲示板、案内表示板、携帯電話など多種の用途に使われている。



現在、市販されているディスプレイは、薄くて軽いフラットパネルディスプレイが主流であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、発光ダイオードなどが広く使用されている。



しかし、各種ディスプレイ内の発光層には、高価な材料、地球環境負荷の大きい材料、人体に対して有毒、有害物質などが使用されているため、今後のディスプレイ開発においては、原材料の再検討が急務とされている。



したがって、ディスプレイ分野の未来を切り拓くためには、低コスト、地球環境に対して優しい、人体に無毒性・無害性でかつ省エネルギー化の実現といったキーワードを持つ新規な材料を開発していく必要がある。



これらのキーワードをすべて満足させることのできる材料として、ナノシリコンが挙げられる(特許文献1、参照)。ナノシリコンからは、量子効果を利用することで、高輝度でかつ安定的な可視領域発光を得ることができる。



また、発光色は、ナノシリコンの粒子サイズに直接依存しているため、粒子サイズを調整することにより、赤色から青色にかけての発光を自在に得ることができる(非特許文献1~4、参照)。そして、発光輝度も、個々のナノシリコン自体から発せられる光の強度を強くしたり、また、ナノシリコン密度を増減したりすることにより、自在に制御することも可能である。



さらに、ナノシリコンのベース物質はシリコンであるため、低コストで、地球環境に対してだけでなく、人体にも優しく、かつ、無毒性・無害性であるなどのメリットも有している。



したがって、ナノシリコンは、ディスプレイ用の新規の発光材料として最適であるといえる。しかし、ナノシリコンを発光素子として使用した場合、可視領域発光を得るのに、数十V以上の高い駆動電圧を必要とする。



従来は、駆動電圧を下げるために発光層の膜厚を薄くする方法や、駆動電圧を高くするナノシリコンの表面酸化層を除去する方法等を用いていた。しかし、これらの方法では、低い駆動電圧で発光させることができても、発光輝度を低下させるし、また、安定的に発光させることができない。




【特許文献1】特開平11-201972号公報

【非特許文献1】21世紀連合シンポジウム論文集(2002年、東京)、p.477~478

【非特許文献2】平成16年度照明学会第37回全国大会講演論文集(2004年8月4日)、p.233、p.234

【非特許文献3】第51回応用物理学関係連合講演会講演予稿集No.3(2004)、28p-P6-4

【非特許文献4】東海大学総合科学技術研究所研究会資料集24(2005年3月31日)、p.40~46

産業上の利用分野


本発明は、低い駆動電圧(直流電圧)で、光の三原色(赤色、緑色、青色)を、高輝度でかつ安定的に発光するナノシリコン発光素子とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
粒子サイズ1.5~2.0nm、2.0~2.5nm、2.5~3.5nmの何れかのナノシリコンを多数内包する半導体基板上の酸化ケイ素膜に、フッ酸水溶液処理とブロワー処理を施すことにより、多数のナノシリコンを含んだフッ酸水溶液をナノシリコンと酸化ケイ素膜の存在しない領域に移動させて、凝集状態で露出して形成され、かつ、室温で、低い駆動電圧にて、青色、緑色、赤色の何れかを高輝度で発光することを特徴とする高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子。

【請求項2】
前記ナノシリコンが、高周波スパッタリング法で作製したアモルファス酸化ケイ素膜に熱処理を施して形成されたナノシリコンであることを特徴とする請求項1に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子。

【請求項3】
前記熱処理の温度は900~1200℃で、かつ、同時間は15~100分であることを特徴とする請求項2に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子。

【請求項4】
半導体基板上に形成された酸化ケイ素膜が存在しない領域に、粒子サイズ1.5~2.0nm、2.0~2.5nm、2.5~3.5nmの何れかのナノシリコンを多数含んで形成され、かつ、室温で、低い駆動電圧にて、赤色、緑色、青色の何れかを高輝度で発光することを特徴とする高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子。

【請求項5】
前記ナノシリコンが、高周波スパッタリング法で作製したアモルファス酸化ケイ素膜に熱処理を施し、その後、フッ酸水溶液処理、攪拌処理を施して形成されたナノシリコンであることを特徴とする請求項4に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子。

【請求項6】
半導体基板上に、粒子サイズ1.5~2.0nm、2.0~2.5nm、2.5~3.5nmの何れかのナノシリコンを多数内包する酸化ケイ素膜を形成し、
上記酸化ケイ素膜にフッ酸水溶液処理を施し、半導体基板上に、酸化ケイ素膜が存在しない領域を形成し、次いで、該領域に隣接して、ナノシリコンを多数含むフッ酸水溶液が残留する領域を形成し、その後、
上記フッ酸水溶液残留領域にブロワー処理を施し、隣接する酸化ケイ素膜が存在しない領域に、多数のナノシリコンを凝集状態で露出せしめる
ことを特徴とする高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項7】
前記ナノシリコンが、高周波スパッタリング法で作製したアモルファス酸化ケイ素膜に熱処理を施して形成したナノシリコンであることを特徴とする請求項6に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項8】
前記熱処理の温度は900~1200℃で、かつ、同時間は15~100分であることを特徴とする請求項7に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項9】
前記フッ酸水溶液処理において、濃度1~10%のフッ酸水溶液を用い、60~180分処理し、半導体基板上に、前記酸化ケイ素膜が存在しない領域を形成することを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項10】
前記フッ酸水溶液処理において、濃度1~10%のフッ酸水溶液を用い、10~60分処理し、前記ナノシリコンを多数含むフッ酸水溶液が残留する領域を形成することを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項11】
半導体基板を熱処理し、該基板上に酸化ケイ素膜を形成し、次いで、
上記酸化ケイ素膜中に、酸化ケイ素膜が存在しない領域を形成し、その後、
上記領域に、粒子サイズ1.5~2.0nm、2.0~2.5nm、2.5~3.5nmの何れかのナノシリコンを多数含むナノシリコンを付着させ、凝集状態で露出せしめる
ことを特徴とする高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項12】
前記熱処理の温度が1000~1200℃であることを特徴とする請求項11に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項13】
前記酸化ケイ素膜が存在しない領域を、フォトリソグラフィで酸化ケイ素膜上にパターン被膜を形成し、露出している酸化ケイ素膜をフッ酸水溶液処理して形成することを特徴とする請求項11又は12に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項14】
前記領域に、粒子サイズ1.5~2.0nm、2.0~2.5nm、2.5~3.5nmの何れかのナノシリコンを多数含むナノシリコンを含有する溶液を塗布し、所定粒子径条のナノシリコンを凝集状態で露出せしめることを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項15】
前記ナノシリコン粒子が、高周波スパッタリング法で作製したアモルファス酸化ケイ素膜に熱処理を施し、次いで、フッ酸水溶液処理を施し、その後、溶液中で攪拌処理を施して形成されたナノシリコンであることを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項16】
前記フッ酸水溶液処理を、濃度1~50%のフッ酸水溶液を用い、10~70℃で、10~600秒行うことを特徴とする請求項15に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。

【請求項17】
前記攪拌処理を10~600秒行うことを特徴とする請求項15又は16に記載の高輝度・低駆動電圧型ナノシリコン発光素子の製造方法。
産業区分
  • 固体素子
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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