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水素吸蔵方法及び水素吸蔵体 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P07P004587
整理番号 T43
掲載日 2007年4月13日
出願番号 特願2005-272781
公開番号 特開2007-084361
登録番号 特許第4452831号
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
登録日 平成22年2月12日(2010.2.12)
発明者
  • 中村 潤児
  • 増満 仙考
出願人
  • 学校法人筑波大学
発明の名称 水素吸蔵方法及び水素吸蔵体 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】水素ハイドレートの微結晶を固定する物質をより軽量な炭素材料を使用することでエネルギー密度の向上を図るとともに、繰り返しの使用に耐えうる水素吸蔵方法及び水素吸蔵体を実現する。
【解決手段】カーボンナノチューブを凝集させて直径0.5mm-50mmのカーボンナノチューブビーズを形成し、このカーボンナノチューブビーズ内の、カーボンナノチューブが互いに絡まりあう空隙に、水にテトラヒドロフランを加えた溶液を吸収させて、氷点下の温度に冷却しハイドレートの微結晶を作り、120気圧~200気圧程度、より好ましくは120気圧程度の低圧の圧力下で水素分子を前記ハイドレートの中に吸蔵させる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


近年、燃料電池技術が急速に進展しており、燃料電池のシステム技術、要素技術を含めて、より一層の発展がもとめられている。その中で、水素貯蔵技術は、燃料電池、特に燃料電池自動車の実用化の鍵を握る技術で重要であり、最近は高圧ボンベを用いた圧縮水素の車載技術や、水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵技術などの研究が盛んに行なわれている。



このように、燃料電池を用いる水素社会を導くためには、水素の運搬及び貯蔵の技術開発が必須である。350気圧以上の高圧水素ボンベを利用する方法があるが、ボンベの重量が大きく、さらに高圧に対応するインフラストラクチャーが必要となるという問題がある。



そのため、100気圧程度での低圧で水素を貯蔵する材料の実用化が課題となっている。吸着剤重量に対して6wt%以上の吸蔵量が得られ、100℃以下の放出温度、2000サイクルの水素吸蔵放出で初期吸蔵量の90%以上の性能が必要である。



また、合金材料による水素吸蔵も検討されているが、放出温度及びサイクル回数において課題が多く実用化が困難な状況にある。



カーボンナノチューブによる水素吸蔵が検討されてきたが、実用化に匹敵する吸蔵量が得られていない。本発明者らも、カーボンナノチューブを用いた水素吸蔵の方法を検討し、国際誌論文で発表してきた。



そのような中、氷の格子の中に水素を閉じ込めることで作られる水素ハイドレートを利用し水素を貯蔵するという技術が報告された。この水素ハイドレードを形成するには超高圧が必要であるが、ハイドレートを作る際にTHF(テトラヒドロフラン)を加えることで合成圧力を低下させる(120気圧)ことが可能になったという技術も報告された(非特許文献1~3参照)。



さらに報告された技術が、まずシリカビーズ内にTHFハイドレートを形成させそこに水素を導入するという技術である。シリカビーズ内にTHFハイドレートを形成することで反応相を拡散することができ、その後の水素吸蔵がこれまでの技術に比べると非常に早く進むようになった。




【特許文献1】W.L.Mao, H.Mao, A.F.Goncharov, V.V.Struzhkin, Q.Guo, J.Hu, J.Shu, R.J.Hemley, M.Somayazulu, Y.Zhao, “Hydrogen clusters in clathrate hydrate”, 「Science, 2002(www.sciencemag.org)」, The American Association for the Advancement of Science, 2002年9月27日, p. 2247-2249

【特許文献2】L.J.Florusse, C.J.Peters, J.Schoonman, K.C.Hester, C.A.Koh, S.F.Dec, K.N.Marsh, E.D.Sloan, “Stable low-pressure hydrogen clusters stored in a binary clathrate hydrate”, 「Science, 2004(www.sciencemag.org)」, The American Association for the Advancement of Science, 2004年10月15日, p. 469-471

【特許文献3】H.Lee, J.Lee, D.Y.Kim, J.Park, Y.Seo, H.Zeng, I.L.Moudrakovski, C.I.Ratcliffe, J.A.Ripmeester, “Tuning clathrate hydrates for hydrogen storage”「Nature, 2005 (www.nature.com/nature)」, Nature Publishing Group, 2005年4月7日, p. 743-746

産業上の利用分野


本発明は、水素吸蔵方法及び水素吸蔵体に関し、特に、多孔質炭素材料内に氷結して生成したハイドレートに水素分子を包接させて貯蔵する水素吸蔵方法及び水素吸蔵体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水にテトラヒドロフランを加えた溶液を、多孔質炭素材料に吸収させて、氷点下の温度に冷却しハイドレートの微結晶を作り、120~200気圧で水素分子を前記ハイドレートの中に吸蔵させることを特徴とする水素吸蔵方法。

【請求項2】
前記多孔質炭素材料として、カーボンナノチューブ又は活性炭を使用することを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵方法。

【請求項3】
前記多孔質炭素材料として、カーボンナノチューブを凝集させて形成したカーボンナノチューブビーズを使用することを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵方法。

【請求項4】
前記カーボンナノチューブビーズを、直径0.5mm-50mmとすることを特徴とする請求項3記載の水素吸蔵方法。

【請求項5】
水素を吸蔵する多孔質炭素材料から成る水素吸蔵体であって、
前記水素を吸蔵する多孔質炭素材料は、カーボンナノチューブが互いに絡まりあって形成される空隙を有するものであり、
前記空隙には、水にテトラヒドロフランを加えた溶液が充填され、該溶液が氷結されて形成されるハイドレートの微結晶内に120~200気圧で水素分子が吸蔵できることを特徴とする水素吸蔵体。

【請求項6】
水素を吸蔵するカーボンナノチューブの塊りを有する水素吸蔵体であって、
前記水素を吸蔵するカーボンナノチューブの塊りは、カーボンナノチューブを凝集させて形成され、カーボンナノチューブが互いに絡まりあって形成される空隙を有し、
前記空隙には、水にテトラヒドロフランを加えた溶液が充填され、該溶液が氷結されて形成されるハイドレートの微結晶内に水素分子が吸蔵できることを特徴とする水素吸蔵体。

【請求項7】
水素を吸蔵するカーボンナノチューブビーズを有する水素吸蔵体であって、
前記水素を吸蔵するカーボンナノチューブビーズは、カーボンナノチューブを凝集させて形成され、カーボンナノチューブが互いに絡まりあって形成される空隙を有し、
前記空隙には、水にテトラヒドロフランを加えた溶液が充填され、該溶液が氷結されて形成されるハイドレートの微結晶内に水素分子が吸蔵できることを特徴とする水素吸蔵体。

【請求項8】
前記水素を吸蔵するカーボンナノチューブビーズは、直径20nm-60nmの多層カーボンナノチューブと、テトラヒドロフランと、蒸留水又はエタノールとを混ぜてペースト状にし、それを球状に成型して凝集させて、直径0.5mm-50mmのビーズ状に形成されたものであることを特徴とする請求項7記載の水素吸蔵体。

【請求項9】
前記水素を吸蔵するカーボンナノチューブビーズは、直径50-500nmのマクロ孔を有する多孔質であることを特徴とする請求項7又は8記載の水素吸蔵方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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