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哺乳動物において機能的なトランスポゾン

国内特許コード P07A009770
整理番号 A0300131
掲載日 2007年4月13日
出願番号 特願2002-038971
公開番号 特開2003-235575
登録番号 特許第4364474号
出願日 平成14年2月15日(2002.2.15)
公開日 平成15年8月26日(2003.8.26)
登録日 平成21年8月28日(2009.8.28)
発明者
  • 川上 浩一
  • 野田 哲生
出願人
  • 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
発明の名称 哺乳動物において機能的なトランスポゾン
発明の概要 【課題】 哺乳動物内で機能的な新たなトランスポゾンおよびこのトランスポゾンを用いた哺乳動物における遺伝子改変方法等を提供する。
【解決手段】メダカで見出されたTol2トランスポゾンにコードされているTol2トランスポゼースと、このトランスポゼースを欠損したTol2トランスポゾンとを哺乳動物細胞にコトランスフェクションすることにより、Tol2トランスポゾンが染色体に転移した遺伝子改変哺乳動物細胞することができる。
従来技術、競合技術の概要
トランスポゾンは分子生物学や遺伝学の研究において強力なツールであり、細菌、植物、無脊椎動物においては、変異導入、トランスジェニック個体の作製などの目的として広く利用されている。一方、このような技術は脊椎動物では開発が遅れていたが、近年、サケ科魚類で見出されたTc1様トランスポゾンの断片を繋ぎ合わせた合成トランスポゾン系「Sleeping Beauty」が再構築された(Ivics, Z., Hackett, P.B., Plasterk, R.H., & Izsvák, Z. Cell 91, 501-510 (1997))。このトランスポゾンはマウスの胚幹細胞や生殖細胞系などでもトランスポジションすることが確認されている(Luo G., Ivics Z., Izsvak Z. & Bradley A. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 10769-10773 (1998)、Yant S. R., Meuse L., Chiu W. Ivics Z., Izsvak Z. & Kay M. A. Nat. Genet. 25: 35-41 (2000), Fischer S. E., Wienholds E. & Plasterk R. H. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 6759-6764 (2001), Horie K., Kuroiwa A., Ikawa M., Okabe M., Kondoh G., Matsuda Y. & Takeda J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98, 9191-9196 (2001), Dupuy A. J. Fritz S. & Largaespada D.A. Genesisi 30: 82-88 (2001))。
【0003】
上記「Sleeping Beauty」は合成トランスポゾンであるが、他方、脊椎動物において、活性を有する天然トランスポゾンも見出されている。この脊椎動物において唯一の天然トランスポゾンTol2 はメダカのゲノムからクローニングされ(Koga, A., Suzuki, M., Inagaki, H., Bessho, Y., & Hori, H. Nature 383, 30 (1996))、その配列はトウモロコシのAc エレメントと類似していることからトランスポゾンhATファミリーに分類されている。また、このTol2 のトランスポジションは、メダカの胚(Koga, A., & Hori, H. Genetics 156, 1243-1247 (2000))だけでなく、ゼブラフィッシュの生殖細胞系(Kawakami, K., Koga, A., Hori, H., & Shima, A. Gene 225, 17-22 (1998)、Kawakami, K., & Shima, A. Gene 240, 239-244 (1999)、Kawakami, K., Shima, A., & Kawakami, N. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97, 11403-11408 (2000))でも観察されているが、哺乳動物でのトランスポジションは確認されていない。
【0004】
こうしたトランスポゾンは、哺乳動物細胞での変異導入後の表現型から遺伝子を解析するフォワードジェネティクス、トランスジェニックの作製などにより導入遺伝子から表現型を解析するリバースジェネティクスのいずれにも極めて有用となることが予想される。
産業上の利用分野
本発明は哺乳動物で転移誘導し得るトランスポゼース、および該トランスポゼースを保持したトランスポゾン、哺乳動物内において転移し得る非自律的トランスポゾン、さらには、これらトランスポゼースなどを用いた遺伝子改変動物の作製方法等に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】哺乳動物細胞に下記(A)または(B)に記載のDNA、または下記(A)若しくは(B)に記載のDNAを保持したベクターを導入する工程を含む、遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法:
(A) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA、
(B) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードし自律的に転移し得るDNA
【請求項2】哺乳動物細胞において下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースにより非自律的に転移し得るDNAであって、配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAまたは前記非自律的トランスポゾンDNAを保持したベクターと、哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードするDNAであって、下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNA、前記トランスポゼースDNAを保持したベクター、前記トランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースまたは前記トランスポゼースをコードしたRNAのうち少なくともいずれか一つとを、哺乳動物細胞に導入する工程を含む、遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法
(A) 配列番号1に記載の塩基配列を含むDNA
(B) 配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(C) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA
(D) 配列番号1に記載の塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。
【請求項3】前記非自律的トランスポゾンDNA、前記非自律的トランスポゾンDNAを保持したベクター上の前記非自律的トランスポゾンDNA領域には、任意の核酸が挿入されている、請求項2に記載の遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法。
【請求項4】前記配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAが、配列番号4記載の塩基配列からなるDNAである、請求項1から3のいずれかに記載の遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法。
【請求項5】ヒトを除く哺乳動物に下記(A)または(B)に記載のDNAまたは下記(A)若しくは(B)に記載のDNAを保持したベクターを注入する工程を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法
(A) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA、
(B) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードし自律的に転移し得るDNA
【請求項6】哺乳動物細胞において下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースにより非自律的に転移し得るDNAであって、配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAまたは前記非自律的トランスポゾンDNAを保持したベクターと、哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードするDNAであって、下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNA、前記トランスポゼースDNAを保持したベクター、前記トランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースまたは前記トランスポゼースをコードしたRNAのうち少なくともいずれか一つとを、ヒトを除く哺乳動物細胞に導入する工程を含む、遺伝子改変哺乳動物の製造方法
(A) 配列番号1に記載の塩基配列を含むDNA
(B) 配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(C) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA
(D) 配列番号1に記載の塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。
【請求項7】哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードするDNAであって、下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNAを保持したヒトを除く哺乳動物と、哺乳動物細胞において下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースにより非自律的に転移し得るDNAであって、配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAを保持したヒトを除く哺乳動物とを交配させ、個体を発生させる工程を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法
(A) 配列番号1に記載の塩基配列を含むDNA
(B) 配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(C) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA
(D) 配列番号1に記載の塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。
【請求項8】前記配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAが、配列番号4記載の塩基配列からなるDNAである、請求項5から7のいずれかに記載の遺伝子改変哺乳動物の製造方法。
【請求項9】哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードするDNAであって、下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNAまたは哺乳動物細胞において非自律的に転移し得るDNAであって、配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAを保持した、ヒトを除く遺伝子改変哺乳動物作製用哺乳動物
(A) 配列番号1に記載の塩基配列を含むDNA
(B) 配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(C) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA
(D) 配列番号1に記載の塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。
【請求項10】前記非自律的トランスポゾンDNA、前記非自律的トランスポゾンDNAを保持したベクター上の前記非自律的トランスポゾンDNA領域には、任意の核酸が挿入されている、請求項6に記載の遺伝子改変哺乳動物の作製方法。
【請求項11】哺乳動物細胞において転移しうるDNAであって、下記(A)若しくは(B)記載のトランスポゾンDNAまたは前記トランスポゾンDNAを保持するベクターを含む、哺乳動物における遺伝子改変用キット
(A) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA
(B) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードし自律的に転移し得るDNA
【請求項12】哺乳動物細胞において下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースにより非自律的に転移し得るDNAであって、配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAまたは前記非自律的トランスポゾンDNAを保持したベクターと、哺乳動物細胞において転移誘導活性を備えたトランスポゼースをコードするDNAであって、下記(A)から(D)からなる群から選択される1のDNAであるトランスポゼースDNA、前記トランスポゼースDNAを保持したベクター、前記トランスポゼースDNAによりコードされたトランスポゼースまたは前記トランスポゼースをコードしたRNAのうち少なくともいずれか一つと、を備えた、哺乳動物における遺伝子改変用キット
(A) 配列番号1に記載の塩基配列を含むDNA
(B) 配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(C) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA
(D) 配列番号1に記載の塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。
【請求項13】前記非自律的トランスポゾンDNA、または前記非自律的トランスポゾンDNAを保持したベクター上の前記非自律的トランスポゾンDNA領域に任意の核酸が挿入し得る部位が備えられた、請求項12に記載の哺乳動物における伝子改変用キット。
【請求項14】前記配列番号3において少なくとも第2230塩基から第4146塩基を欠失する非自律的トランスポゾンDNAが、配列番号4記載の塩基配列からなるDNAである、請求項11から13のいずれかに記載の遺伝子改変用キット
産業区分
  • 微生物工業
  • 畜産
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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