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画像処理による注目部分を自動描出する方法及びそのための装置並びにプログラムを記録した記録媒体 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P07P004604
整理番号 191
掲載日 2007年4月27日
出願番号 特願2005-291071
公開番号 特開2007-102458
登録番号 特許第4581090号
出願日 平成17年10月4日(2005.10.4)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
登録日 平成22年9月10日(2010.9.10)
発明者
  • 河村 圭
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 画像処理による注目部分を自動描出する方法及びそのための装置並びにプログラムを記録した記録媒体 新技術説明会 実績あり
発明の概要

【課題】コンクリート構造物のひび割れのような変状を検査するために撮影された注目部分以外のノイズ要素が含まれる画像に対して、注目部分以外の画像要素を除去して注目部分の変状を目視確認する作業を不要にする。
【解決手段】既知の原画像に対して注目部分以外の画像要素を削除した目的画像を作成しておき、この原画像に対して進化的アルゴリズムを適用して得られた目的画像に最も近似した画像を与える最適化された画像処理フローとしての個体のデータと、既知の原画像の特徴を示す画像特徴データと既知の画像に対応するデータとして蓄積することを複数の原画像について形成したデータベースと、未知の原画像に対してその画像特徴データと比較してデータベースにおける最も近似した原画像を選択し、選択された原画像についての最適化された個体の表す画像処理フローにより未知の画像に対する画像処理を行って注目部分を描出した画像を得る。
【選択図】図5

従来技術、競合技術の概要


画像中の注目部分を描出する手法を適用する実際的な例として、例えばコンクリート構造物におけるひび割れ等の変状を検出することがあげられる。コンクリート構造物は建造物、交通・輸送の設備等、社会的、経済的発展の基幹となるものであり、耐腐食性があり、耐久性に優れていると言えるが、経年劣化、地震や衝突等による損傷によりその性能が失われることもある。そのため、コンクリート構造物は定期的な検査、詳細調査が行われ、その結果に基づいて劣化診断、対策が行われる。点検に際して、目視と打診により変状を確認、記録するという方法が用いられているが、このような目視、打診による点検作業は専門的知識、熟練を要するものであり、そのような専門技術者の確保が次第に困難になり、対象とされる構造物の増加、大規模化とともに、点検作業の量、処理データ量も膨大になるという問題が生じている。



このような目視、打診による点検作業に対して、画像処理の手法によりコンクリート構造物のひび割れを検出することについての提案がなされている。



画像処理によりひび割れの検査を行うために、画像データを処理し、コンクリートのひび割れのような変状と汚れや傷とを識別し、変状を抽出するという手法が用いられ、その例としてオペレータが画像上にひび割れをトレースする機能を用いるものがある。これはオペレータが変状部分を強調し、画像中に顕在する変状部分をトレーススケッチすることによってトレースした部分の長さや面積等を計測できるようにすることにより、目視点検、スケッチによる手法に比較して省力化を行うものである。オペレータが画像中に変状を顕在化させるためのトレースの作業、変状の長さや面積の測定における作業等が依然として残る。また、パターン認識の手法を用いる例があるが、パターン認識を行うまでの作業がやはり残存し、十分な省力化がなされるとは言えない。このような背景技術については、次のような文献に開示されている。

【非特許文献1】「PC架橋施工法2002年版」Vol.47,No.1,Jan.2005(社団法人プレストレスコンクリート技術協会発行、第81~85頁)

【特許文献1】特開2000-155011号公報

【特許文献2】特開2004-239870号公報 非特許文献1には、デジタルカメラによるコンクリート構造物の画像に対し、エッジ強調処理等を用いて、ひび割れ等の損傷部の特徴を描出し、ひび割れ幅を計測することの可能性について一般的に示されているが、実際にどのように実施し得るか、どの程度の成果が得られるかについては特に示されていない。



特許文献1には、位置決めのためにプリント板に設けられたアライメントマークのような対象となるマーキングの位置計測に際し、設定されたテンプレートと探索領域を用いて、フィルタ処理の種類と順番、間引き率のパラメータをサンプル画像に適応し、遺伝的アルゴリズムを用いてパラメータの最適化することが示されているが、コンクリート構造物の検査におけるひび割れ等の不規則な形状を示す変状を描出する際の画像処理に適用することは意図されていない。



特許文献2には、液晶表示画面のシミのような画面欠陥の検査において、画面欠陥の状態に合わせてフィルタ構成数値を遺伝的アルゴリズムを用いて自動計算させることにより空間フィルタを作成して用いることが示されている。この場合画面欠陥を含む画像の画像処理を行う空間フィルタを遺伝的アルゴリズムを用いて作成するのであるが、散在する画像欠陥の位置、大きさ、個数等を評価することを意図しており、このような手法をコンクリート構造物の検査におけるひび割れ等の不規則な形状を示す変状を描出する際の画像処理に適用することはできない。

産業上の利用分野


本発明は、画像処理による画像中の注目部分を自動的に描出する方法及び装置に関し、より詳細には、進化的アルゴリズム(遺伝的アルゴリズム、免疫アルゴリズム)を適用したデジタル画像処理の手法による注目部分の描出、検出の方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
各々が画像処理フローを表す複数の個体を初期設定することと、
該複数の個体に対して各個体の表す画像処理フローにより与えられた画像の画像処理をした際の優劣性を示す適応度をあらかじめ設定した評価関数を用いて求めることと、
前記複数の個体に対し前記評価関数に基づいて適応度がより高くなるように新たな複数の個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得るように最適化処理を行うことと、
からなる遺伝的アルゴリズムを適用して得られた複数の個体を用いた画像処理フローにより画像中の注目部分以外の画像要素を削除し注目部分を自動描出する方法であって、
既知の原画像に対して注目部分以外の画像要素を削除した目的画像を作成しておき、該原画像に対して遺伝的アルゴリズムを適用して得られた目的画像に最も近似した画像を与える最適化された画像処理フローを表す複数の個体を生成するとともに、該既知の原画像の特徴を示す画像特徴データを生成し、該複数の個体のデータ及び該画像特徴データを前記複数の既知の画像に対応するデータとして蓄積することを複数の原画像について行いデータベースを形成することと、
注目部分を描出すべき未知の原画像に対してその画像特徴データを前記データベースに蓄積された複数の原画像の特徴データと比較して前記データベースにおける最も近似した原画像を選択することと、
該選択された原画像についての最適化された個体の表す画像処理フローにより前記未知の画像に対する画像処理を行って注目部分を描出した画像を得ることと、
からなることを特徴とする注目部分を自動描出する方法。

【請求項2】
各々が画像処理フローを表す複数の抗体を初期設定することと、
該複数の抗体に対して各個体の表す画像処理フローにより与えられた画像の画像処理した際の優劣性を示す親和度をあらかじめ設定した評価関数を用いて求めることと、
前記複数の抗体に対し前記評価関数に基づいて親和度がより高くなるように新たな複数の抗体を生成する過程を反復して親和度が最も高くなる複数の抗体を得るように最適化処理を行うことと、
からなる免疫アルゴリズムを適用して得られた複数の抗体を用いた画像処理フローにより画像中の注目部分以外の画像要素を削除し注目部分を自動描出する方法であって、
既知の原画像に対して注目部分以外の画像要素を削除した目的画像を作成しておき、該原画像に対して免疫アルゴリズムを適用して得られた目的画像に最も近似した画像を与える最適化された画像処理フローを表す複数の抗体を生成するとともに、該既知の原画像の特徴を示す画像特徴データを生成し、該複数の抗体のデータ及び該画像特徴データを前記複数の既知の画像に対応するデータとして蓄積することを複数の原画像について行いデータベースを形成することと、
注目部分を描出すべき未知の原画像に対してその画像特徴データを前記データベースに蓄積された複数の原画像の特徴データと比較して前記データベースにおける最も近似した原画像を選択することと、
該選択された原画像についての最適化された抗体の表す画像処理フローにより前記未知の画像に対する画像処理を行って注目部分を描出した画像を得ることと、
からなることを特徴とする注目部分を自動描出する方法。

【請求項3】
前記画像中の注目部分がコンクリート構造物の変状としてのひび割れであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の変状を自動描出する方法。

【請求項4】
請求項1または2のいずれかに記載の注目部分を自動描出する方法をコンピュータ上で実行するためのプログラムを記録した記録媒体。

【請求項5】
画像を取り込み画像特徴データを抽出する手段と、
各々が画像処理フローを表す複数の個体に対して各個体の表す画像処理フローにより与えられた画像の画像処理した際の優劣性を示す適応度をあらかじめ設定した評価関数を用いて求め、前記複数の個体に対し前記評価関数に基づいて適応度がより高くなるように新たな複数の個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得るように最適化処理を行う遺伝的アルゴリズムを実行する手段と、
既知の原画像に対して注目部分以外の画像要素を削除した目的画像を作成しておき、該原画像に対して遺伝的アルゴリズムを適用して得られた目的画像に最も近似した画像を与える最適化された画像処理フローを表す複数の個体を生成するとともに、該既知の原画像の特徴を示す画像特徴データを生成し、該複数の個体のデータ及び該画像特徴データを前記複数の既知の画像に対応するデータとして蓄積することを複数の原画像について行うことにより形成されたデータベースと、
注目部分を描出すべき未知の原画像に対してその画像特徴データを前記データベースに蓄積された複数の原画像の特徴データと比較して前記データベースにおける最も近似した原画像を選択する手段と、
該選択された原画像についての最適化された個体の表す画像処理フローにより前記未知の画像に対する画像処理を行って注目部分を描出した画像を得る手段と、
からなることを特徴とする注目部分を自動描出する装置。

【請求項6】
画像を取り込み画像特徴データを抽出する手段と、
各々が画像処理フローを表す複数の抗体に対して各抗体の表す画像処理フローにより与えられた画像の画像処理した際の優劣性を示す親和度をあらかじめ設定した評価関数を用いて求め、前記複数の個体に対し前記評価関数に基づいて親和度がより高くなるように新たな複数の抗体を生成する過程を反復して親和度が最も高くなる複数の抗体を得るように最適化処理を行う免疫アルゴリズムを実行する手段と、
既知の原画像に対して注目部分以外の画像要素を削除した目的画像を作成しておき、該原画像に対して免疫アルゴリズムを適用して得られた目的画像に最も近似した画像を与える最適化された画像処理フローを表す複数の抗体を生成するとともに、該既知の原画像の特徴を示す画像特徴データを生成し、該複数の抗体のデータ及び該画像特徴データを前記複数の既知の画像に対応するデータとして蓄積することを複数の原画像について行うことにより形成されたデータベースと、
注目部分を描出すべき未知の原画像に対してその画像特徴データを前記データベースに蓄積された複数の原画像の特徴データと比較して前記データベースにおける最も近似した原画像を選択する手段と、
該選択された原画像についての最適化された抗体の表す画像処理フローにより前記未知の画像に対する画像処理を行って注目部分を描出した画像を得る手段と、
からなることを特徴とする注目部分を自動描出する装置。

【請求項7】
前記画像中の注目部分がコンクリート構造物の変状としてのひび割れであることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の注目部分を自動描出する装置。
産業区分
  • 計算機応用
  • 演算制御装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005291071thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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