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酸素透過膜を用いた炭化水素改質方法及び炭化水素改質装置

国内特許コード P07P004212
整理番号 A152P70
掲載日 2007年5月18日
出願番号 特願2005-303915
公開番号 特開2007-112646
登録番号 特許第4255941号
出願日 平成17年10月19日(2005.10.19)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
登録日 平成21年2月6日(2009.2.6)
発明者
  • 高村 仁
  • 岡田 益男
  • 小河 将之
  • 齊藤 智行
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • TDK株式会社
発明の名称 酸素透過膜を用いた炭化水素改質方法及び炭化水素改質装置
発明の概要 【課題】高収率かつ酸素透過膜の長寿命化を可能とする炭化水素改質方法及び炭化水素改質装置を提供する。
【解決手段】酸素透過膜は部分酸化改質反応の自由エネルギー変化ΔGを吸収し、それを酸素分離のための仕事とジュール熱Qに変換する。ここで、表1及び図1に示すように、部分酸化改質反応のΔGは、ΔHに比べて10倍程度大きく、温度の増加に伴いΔGはさらに増加する。このジュール熱Qを有効に除去する必要があるが、その除去は部分酸化反応自身のエントロピー変化TΔSとして再度、系に吸収される分と、総エネルギー変化ΔHを利用する水蒸気改質により行われる。
【選択図】図7
従来技術、競合技術の概要


メタンを主成分とする天然ガスや他の炭化水素ガスから水素、および水素と一酸化炭素等からなる合成ガスを製造する技術としては、水蒸気改質、部分酸化改質、炭酸ガス改質などがある。表1は、メタンを例として、これら改質反応、および、改質反応と同時に起こりうる化学反応の代表的な式と熱力学定数をまとめたものである。



【表1】




実際にはこれらの基本的な反応式を組み合せ、例えば水素製造の場合は、
(1)+(4) CH+2HO→CO+4H ΔH=190.9
kJ/mol (吸熱) 式(6)



(2)+(4) CH+1/2O+HO→CO+3H ΔH=-56.9 kJ/mol (発熱) 式(7)



((1)+(4)+(5))/2 CH+O→CO+2H ΔH=-304.8 kJ/mol (発熱) 式(8)
のような反応が用いられる。これらは上から順に、水蒸気改質、オートサーマル改質、部分酸化改質と呼ばれる。また、合成ガスを得る場合にも、



((1)+(2))/2 CH+1/4O+1/2HO→CO+5/2H (吸熱) 式(9)
のように、水蒸気と酸素を併用するオートサーマル法がよく用いられる。



これら反応の特徴を改質に利用する対象(酸素または水蒸気)の観点からみると、水蒸気利用では水素生成量は多いが大きな吸熱反応のため起動性には難がある。これに対して、酸素利用では水素生成量は少ないものの発熱反応であるため起動性は優れている。ここで注意すべき点は、水蒸気改質(式(1))が部分酸化改質(式(2))に比べて1モルの水素を余分に生成するためには、1モルの水素の燃焼熱が必要なことである。すなわち、水蒸気改質に利用可能な高温の排熱が得られない環境下では水蒸気改質も部分酸化改質も理論的には全く同等の効率となる。よって、何らかの手段で純酸素を簡単かつ安価に入手することができれば、部分酸化改質は起動性と効率に優れた理想的な改質方法となる。



部分酸化反応と酸素分離を同時に実現する方法として、近年、酸素透過膜(酸素分離膜や酸素透過性セラミックスとも呼ばれる)を利用した部分酸化改質が注目されている。これは、酸素イオン伝導性と電子伝導性を共有する材料(酸素イオン・電子混合導電体)を炭化水素ガスと空気のセパレータとして利用することにより、部分酸化改質に必要な純酸素が部分酸化反応のΔG(直接的には酸素濃度勾配)を駆動力として空気から分離され、炭化水素ガス側で部分酸化反応が進む。この原理を応用した特許として特許文献1、2が開示されている。また、酸素透過膜に関しても多くの材料が報告されており、例えば特許文献3乃至5が開示されている。



しかしながら、酸素透過膜は酸素をイオンとして透過させるために、酸素イオン輸送および反対方向への電子の輸送によって、膜内に大量のジュール熱(電気抵抗による発熱)が発生し、熱バランスがとられていないシステムにおいては酸素透過性の劣化、最終的には膜の破壊という結果を招くという問題がある。これに関して、特許文献1には部分酸化改質反応における発熱(ΔH)を剰余熱として捉え、水蒸気改質の吸熱反応によりそれを僅かに発熱となる状態まで除去する技術が開示されているものの、酸素透過膜内に発生するジュール熱の除去の必要性については、何ら記載されていない。



さらに、従来、酸素透過膜を利用した部分酸化改質に関して、コンパクト化を可能とする有効な改質装置についての開示もない。
【特許文献1】
特開2000-26103号公報
【特許文献2】
特開2005-145760号公報
【特許文献3】
WO2003/084894
【特許文献4】
特開2001-93325号公報
【特許文献5】
特開2005-281077号公報
【特許文献6】
特開2005-281086号公報
【特許文献7】
特開2004-149332号公報
【特許文献8】
特開2003-2610号公報

産業上の利用分野


本発明は、酸素透過膜を用いた炭化水素改質方法及び炭化水素改質装置に係り、特に高収率かつ酸素透過膜の長寿命化を可能とする炭化水素改質方法及び炭化水素改質装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
直交する二つの中心軸に対してそれぞれ対称形状の平板ユニットを90度回転させた平板ユニット対を交互に積層し、蓋板ユニットと底板ユニットとで挟んで成るスタック構造改質装置であって、
各平板ユニットは、中央部に反応室用孔部を有する膜保持部と、
膜保持部に固定された特定ガス透過膜と、
膜保持部を囲み、かつ、膜保持部より一段高く形成されたフランジ部と、
フランジ部には、第一の中心軸上に、膜保持部を挟んで設けられた第一のガス流入用マニホールド孔部及びガス流出用マニホールド孔部と、
第一の中心軸と直交する第二の中心軸上に、膜保持部を挟んで設けられた第二のガス流入用マニホールド孔部及びガス流出用マニホールド孔部と、
第一のガス流入用マニホールド孔部及びガス流出用マニホールド孔部と、膜保持部とを連通させるガス流路部と、
を備えて成ることを特徴とする改質装置。

【請求項2】
前記改質装置が炭化水素改質装置であり、前記特定ガス透過膜が酸素透過膜であり、かつ、第一のガス流入用マニホールド孔部には炭化水素ガス及び水蒸気を、第二のガス流入用マニホールド孔部には空気を、流入するように構成して成ることを特徴とする請求項に記載の改質装置。

【請求項3】
前記酸素透過膜が、セリウム酸化物とスピネル型酸化物から構成される複合体型酸素透過膜であることを特徴とする請求項又はに記載の改質装置。

【請求項4】
前記酸素透過膜の膜厚が、100μm乃至1cmであることを特徴とする請求項乃至に記載の改質装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005303915thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 資源循環・エネルギーミニマム型システム技術 領域
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