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分子ワイヤの製造方法および分子ワイヤ コモンズ

国内特許コード P07A009865
整理番号 ShIP‐Z308
掲載日 2007年5月25日
出願番号 特願2003-295293
公開番号 特開2005-064376
登録番号 特許第3950969号
出願日 平成15年8月19日(2003.8.19)
公開日 平成17年3月10日(2005.3.10)
登録日 平成19年5月11日(2007.5.11)
発明者
  • 坂口 浩司
  • 松村 尚
  • 中林 誠一郎
出願人
  • 国立大学法人静岡大学
発明の名称 分子ワイヤの製造方法および分子ワイヤ コモンズ
発明の概要

【課題】 安価で、所望の長さの分子ワイヤを簡単に製造する方法および2種類以上の分子からなる分子ワイヤを提供する。
【解決手段】 本発明の分子電線の製造方法は、絶縁分子を導電性基板に結合させ、絶縁分子膜を形成する段階と、共役分子を前記絶縁分子膜内に埋め込み、前記導電性基板に結合させる段階と、前記絶縁分子膜内に埋め込まれた前記共役分子が結合された前記導電性基板を、延長分子を含む電解質溶液に浸漬し、前記導電性基板に電圧を印加し、前記導電性基板に結合した前記共役分子に前記延長分子を電解重合させる段階とを含む。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


エレクトロニクス製品は、小型化、高性能化、省電力化に向けて進化し続けている。エレクトロニクス製品は、あらゆる環境下での高性能維持が課題となっており、その中でも、半導体デバイスはデリケートで、一層高い信頼性が要求されている。一般に、半導体デバイスにおける配線には、銅やアルミニウムといった金属配線が使用されており、レジストマスクを用い、エッチングガスで金属膜をエッチングすることにより、所望の形状の配線を形成している(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。



また、半導体デバイスにおける集積回路の製造において、ガラス・マスク上に描かれた微細なIC パターンを、光を用いて半導体ウェハ上に転写する技術である光リソグラフィも使用されている。この光リソグラフィは、マスクを通して、感光性樹脂を塗布した半導体ウェハ上に光を照射し、パターンを感光性樹脂上に転写するものである。光リソグラフィでは、使用する光の波長が短く、光学系の改善などにより解像度が向上し、現在では、この光リソグラフィ技術を用いることにより、0.18マイクロメートル以下の素子を製造することができるようになっている。配線や素子は、レジストと呼ばれる感光剤を塗布したシリコンウエハーに、回路パターンの型を通して紫外光を照射し、このレジストを現像処理し、形成されたガイドに従ってエッチングすることで形成することができる。光リソグラフィでは、使用される光線の波長が193nmにおいて限界であり、チップ配線の線幅は、光線波長の4分の1が限界とされている。



このような状況の中で、ナノメートルの寸法でも動作可能な素子の開発が進められている。例えば、電子1個でスイッチのオンおよびオフを制御する単電子素子や、有機分子を素子として用いる分子デバイスなどが提案されている。これらの素子を実現するために、個々の素子を電気的に連結する技術が必要とされている。しかしながら、従来の上述したリソグラフィによる配線の形成方法では、これらナノメール寸法の個々の素子を連結することができないといった問題があった。この問題を解決するべく、素子同士を電気的に連結する技術として分子ワイヤを用いることが検討されており、この分子ワイヤの材料として、共役高分子が注目されている。



例えば、共役分子を使用して、共役高分子からなる分子ワイヤを形成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、有機分子膜の分子に、走査トンネル顕微鏡(STM)の探針によって電圧パルスを加え、連鎖重合反応を起こさせることでナノワイヤ配線を形成するものである。これは、ジアセチレン化合物分子が秩序正しく並んだ平坦な膜を作製し、その上の1点に、STMの探針を用いて電圧パルスを加えることで、連鎖重合反応を起こし、ポリジアセチレン化合物が自発的に成長し、成長の経路上に予め分子の乱れを作っておくことにより、その位置で分子鎖の成長を止め、所望の長さとするものである。この場合の分子の乱れは、STMの探針により予め所定位置に尖設した穴などの構造欠陥である。



しかしながら、上記方法は、ワイヤを形成する方向の1分子に電圧パルスを加えるだけで、ドミノ倒し的に有機分子膜上の膜面に沿って延びるようにワイヤが形成されるものの、所望の位置にある1分子に電圧パルスを加える必要があり、成長を止めるため、所望の位置に穴を作らなければならず、したがって、高価なSTMを使用する必要があった。また、上記方法は、分子ワイヤを1種類の共役分子のみから形成するものであり、2種以上の異なる共役分子で分子ワイヤを形成することはできなかった。

【特許文献1】特開平11-163158号公報

【特許文献2】特開2000-323482号公報

【非特許文献1】青野正和ら、「分子の鎖でナノワイヤー配線」、[online]、平成13年2月8日、理化学研究所、化学技術振興事業団、インターネット<URL:http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2001/010205/>

産業上の利用分野


本発明は、分子ワイヤの製造方法および該方法により形成される分子ワイヤに関し、より詳細には、電気化学的に分子を一方向に結合して所望の長さの分子ワイヤを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絶縁分子を導電性基板に結合させ、絶縁分子膜を形成する段階と、共役分子を前記絶縁分子膜に埋め込み、前記導電性基板に結合させる段階と、前記共役分子が結合された前記導電性基板を、延長分子を含む電解質溶液に浸漬し、前記導電性基板に電圧を印加し、前記導電性基板に結合した前記共役分子に前記延長分子を電解重合させる段階とを含む、分子ワイヤの製造方法。

【請求項2】
前記電圧を、50~200ミリ秒間隔の正電位パルスとして印加することを特徴とする、請求項1に記載の分子ワイヤの製造方法。

【請求項3】
前記共役分子を前記導電性基板に結合させる段階は、前記共役分子を含む溶液に、前記絶縁分子膜が形成された前記導電性基板を浸漬することを含む、請求項1または2に記載の分子ワイヤの製造方法。

【請求項4】
前記絶縁分子膜を形成する段階は、前記絶縁分子を含む溶液に前記導電性基板を浸漬することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の分子ワイヤの製造方法。

【請求項5】
前記絶縁分子および前記共役分子は、前記導電性基板に化学結合することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の分子ワイヤの製造方法。

【請求項6】
前記絶縁分子および前記共役分子は、ヘテロ原子を含むことを特徴とする、請求項5に記載の分子ワイヤの製造方法。

【請求項7】
前記絶縁分子は、炭素数2~20のアルカンチオールであり、前記共役分子は、2~20量体のオリゴチオフェンであり、前記延長分子は、炭素数2~20のアルキルチオフェンである、請求項1~6のいずれか1項に記載の分子ワイヤの製造方法。

【請求項8】
導電性基板に結合した共役分子と、前記共役分子に結合するとともに、前記導電性基板から離れる方向に重合して延びる延長分子とを含む分子ワイヤであって、周囲を絶縁分子に取り囲まれるように隣接して前記導電性基板に結合された前記共役分子に前記延長分子を電解重合させ、重合した前記延長分子に別の延長分子を電解重合させることにより、前記導電性基板から離れる方向に向けて一方向に延びるように形成され、直径が1~50Åであることを特徴とする、分子ワイヤ。


【請求項9】
前記共役分子は、2~20量体のオリゴチオフェンであり、前記延長分子は、炭素数2~20のアルキルチオフェンである、請求項8に記載の分子ワイヤ。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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