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カルボキサミド誘導体 新技術説明会

国内特許コード P07A009929
整理番号 KANDAI-98
掲載日 2007年5月25日
出願番号 特願2005-181043
公開番号 特開2007-001885
登録番号 特許第4528918号
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
登録日 平成22年6月18日(2010.6.18)
発明者
  • 上里 新一
  • 長岡 康夫
  • 前田 泰司
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 カルボキサミド誘導体 新技術説明会
発明の概要

【課題】 癌細胞増殖抑制活性、代謝安定性、溶解性等に優れた化合物を提供する。
【解決手段】 下記式[I]のカルボキサミド誘導体、その互変異体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を提供する。
【化1】

、LおよびLは、アルキレン基であるか、または存在せず、[A]は、ヒドロキシ基であるか、または電子供与基置換芳香環であり、[B]は単環または縮合環であり、[C]は水素またはヒドロキシ基であり、[D]は単環または縮合環である。本発明の化合物は、優れたHDAC阻害活性を有することにより、抗癌剤または制癌剤以外に、例えば、細胞の増殖に関わる疾患の治療薬および/または改善薬、遺伝子治療の効果増強薬、心肥大改善薬、免疫抑制剤、ポリグルタミン反復配列の拡張に起因するハンチントン病等の神経変性疾患を遅延もしくは阻止する薬物等の、種々の用途への適用も期待できる。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


近年、癌薬物療法の新しい分子標的として、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)が注目を集めている。真核生物の核内で、DNAは、ヌクレオソームを基本としたクロマチン構造をとっている。ヌクレオソームを構成するタンパクであるヒストンの特定リジン残基がアセチル化されるとヒストンの正電荷が中和されてヌクレオソーム構造が弛緩し、転写が活性化されると考えられている。ヒストン分子中特定リジン残基のアセチル化はヒストンアセチル化酵素(HAT)と脱アセチル化酵素(HDAC)により代謝回転されている。近年、後者の酵素HDACを阻害する薬物が腫瘍細胞の細胞周期停止、アポトーシス誘導活性や分化誘導を示すことが報告された(非特許文献1)。このことから、特定遺伝子領域のヒストンアセチル化の低下が癌と密接に関わっていると考えられた。故に、高アセチル化ヒストンを蓄積するHDAC阻害剤は新しいタイプの抗癌剤になりうるとの期待が高まり、抗癌剤への応用が強く望まれている。



HDAC阻害剤としては、天然資源から、トリコスタチンA(非特許文献2)、トラポキシン(非特許文献3)等が見いだされている。また、これら両剤と同系統の化合物として、合成品のMS-275(非特許文献4)、SAHA(非特許文献5)等が臨床試験中である。その他、デプシペプチド構造のFK228(非特許文献6)等が臨床試験中である。さらに、HDAC阻害剤としては、2-アミノフェニルベンズアミド基または2-ヒドロキシフェニルベンズアミド基を有する化合物(非特許文献4)、一分子中にアミド基やエステル基を複数個有する化合物(非特許文献4~7)、3-(4-アロイル-1H-ピロール-2-イル)-N-ヒドロキシ-2-プロペンアミド誘導体(非特許文献8)、およびスルホンアミド誘導体(非特許文献9)等も知られている。しかし、以上の化合物は、臨床試験の結果、医薬品として応用するためには化合物の安全性、物性(安定性、溶解性等)、薬物体内動態、代謝安定性等に問題を抱えることが知られており、新しい構造のHDAC阻害剤の出現が待たれる。

【非特許文献1】Exp. Cell Res., 177, 122-131 (1988); Cancer Res., 47, 3688-3691 (1987)

【非特許文献2】J. Biol. Chem., 265, 17174-17179 (1990)

【非特許文献3】J. Antibiot., 43(12), 1524-1534 (1990)

【非特許文献4】Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 4592-4597 (1999)

【非特許文献5】Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 3003-3007 (1998)

【非特許文献6】Exp. Cell Res., 241, 126-133 (1998)

【非特許文献7】Oncogene, 13, 143-149 (1996)

【非特許文献8】J. Med. Chem., 44, 2069-2072 (2001)

【非特許文献9】Bioorg. & Med. Chem. Lett., 11, 2847-2850 (2001)

産業上の利用分野


本発明は、カルボキサミド(カルボキシアミド)誘導体に関する。より詳しくは、本発明は、例えば、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害活性を有し、抗癌剤、制癌剤、心肥大改善薬、免疫抑制剤、遺伝子治療の効果増強剤、神経変性疾患改善薬等の用途に使用可能なカルボキサミド誘導体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式[I]で表されるカルボキサミド誘導体またはその塩。
【化学式1】


前記式[I]中、
1、L2およびL3は、同一であるかまたは異なり、それぞれ、メチレン基、エチレン基(ジメチレン基)もしくはトリメチレン基であり、
[A]は、ヒドロキシ基であるか、または、1のアミノ基で置換されたフェニル基またはナフチル基であり、
[B]は、下記式(154)、(155)、(157)、(159)および(161)のいずれかで表される基であり、
【化学式2】


[C]は、ヒドロキシ基であり、
[D]は、o-フェニレン基、m-フェニレン基またはp-フェニレン基であり、
前記式(154)、(155)、(157)、(159)および(161)中、
1およびR2は、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基であるか、またはR1とR2が一体となってメチレンジオキシ基を形成し、
3およびR4は、水素であり、
Xは、NHまたはNCH3である。

【請求項2】
[B]が前記式(154)で表される基である場合、前記式(154)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基であるか、またはR1とR2が一体となってメチレンジオキシ基を形成し、
[B]が前記式(155)で表される基である場合、前記式(155)中、R1は水素であり、
[B]が前記式(157)で表される基である場合、前記式(157)中、R1は水素であり、
[B]が前記(159)で表される基である場合、前記式(159)中、R1は水素であり、
[B]が前記(161)で表される基である場合、前記式(161)中、R1は水素である、
請求項1に記載のカルボキサミド誘導体またはその塩。

【請求項3】
前記カルボキサミド誘導体が、
N-(2-アミノフェニル)-4-{[ベンジル(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-(2-アミノフェニル)-4-({(2-ヒドロキシエチル)[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]アミノ}メチル)ベンズアミド、
N-(2-アミノフェニル)-4-{[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-(2-アミノフェニル)-4-{[(3,4-ジフルオロベンジル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-(2-アミノフェニル)-4-{[(2-ヒドロキシエチル)(4-メトキシベンジル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-(2-アミノフェニル)-4-{[(2-ヒドロキシエチル)(3-ピリジニルメチル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-ヒドロキシ-4-{[(2-ヒドロキシエチル)(2-ナフチルメチル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-ヒドロキシ-4-({(2-ヒドロキシエチル)[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]アミノ}メチル)ベンズアミド、
4-{[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}-N-ヒドロキシベンズアミド、
N-ヒドロキシ-4-{[(2-ヒドロキシエチル)(3-キノリニルメチル)アミノ]メチル}ベンズアミド、
N-ヒドロキシ-4-{[(2-ヒドロキシエチル)(3-ピリジニルメチル)アミノ]メチル}ベンズアミドからなる群から選択される、請求項1または2に記載のカルボキサミド誘導体またはその塩。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のカルボキサミド誘導体またはその塩を含む、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害のための医薬組成物。

【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載のカルボキサミド誘導体またはその塩を含む、大腸がんの治療、症状の軽減および予防のための医薬組成物。

【請求項6】
N-ヒドロキシ-4-{[メチル(2-ナフチルメチル)アミノ]メチル}ベンズアミドまたはその塩。

【請求項7】
請求項6に記載のN-ヒドロキシ-4-{[メチル(2-ナフチルメチル)アミノ]メチル}ベンズアミドまたはその塩を含む、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害のための医薬組成物。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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