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放射線検出器

国内特許コード P07A009939
整理番号 NIRS-111
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願2001-212557
公開番号 特開2003-028961
登録番号 特許第4420372号
出願日 平成13年7月12日(2001.7.12)
公開日 平成15年1月29日(2003.1.29)
登録日 平成21年12月11日(2009.12.11)
発明者
  • 二見 康之
  • 富谷 武浩
  • 金沢 光隆
  • 北川 敦志
  • 金井 達明
  • 井関 康
  • 北 好夫
  • 柚木 彰
  • 牧野 俊一郎
  • 佐藤 耕輔
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
  • 株式会社東芝
発明の名称 放射線検出器
発明の概要 【課題】事象毎の時間情報を精度良く取得して、他の核種との分離を可能にし、画質を良好なものとすることにある。
【解決手段】体内に投与された放射性核種より放出される放射線を蛍光作用によりシンチレーション光に変換するシンチレーション結晶3と、このシンチレーション光を電気信号に変換する光電子増倍管5と、この光電子増倍管の出力信号が所定のレベルを超えるとタイミング信号を発生するタイミング信号生成部12と、このタイミング信号が入力されると光電子増倍管5の出力信号をデジタル信号に変換する信号処理部13と、クロック52より一定時間間隔で発生するパルスを計数し、前記タイミング信号が入力されるとそれまでに計数されたカウント値を出力するカウンタ53と、このカウンタより出力されるカウント値を記憶すると共に、信号処理部13で処理された出力信号を記憶する記憶部44とを備えている。
従来技術、競合技術の概要


近年、核医学の進展につれて、体内に放射性核種を投与し、この核種より放出される放射線を検出して核種の分布を測定することにより、病巣の診断を行うことが可能となった。



一般的にガンマ線放出核種の分布を検出する装置としては、ガンマカメラ、あるいはシンチレーションカメラがあり、ポジトロン放出核種を検出する装置としてはポジトロンカメラと呼ばれるものが、またCT技術を用いてポジトロン放出核種分布の3次元画像を得る装置としてはポジトロンCT、あるいはPETと呼ばれるものがある。



一方、がん治療の分野では、重イオンを用いた粒子線がん治療装置が注目を集めている。この粒子線がん治療方法は、加速器リングで高エネルギーに加速した炭素などの重イオンビームをがん組織に集中的に照射し、がん細胞のみを死滅させる治療方法である。この治療方法において、照射位置の高精度化を目的として、ポジトロン放出核種である炭素同位体ビームを照射してポジトロン核種の位置検出を行うポジトロンカメラシステムが開発されつつある。



上記ポジトロン放出核種は、核種より生成されたポジトロン(陽電子)が電子との対消滅によりほぼ180度異なる方向に2つのガンマ線を放出する。ポジトロンカメラは、この2つのガンマ線を検出し、ポジトロン核種の位置を求めるものである。よって、ポジトロン放出核種分布測定の検出の基本部分は、ガンマ線放出核種の場合と同等である。



ここで、核医学の分野で、もっとも一般的に用いられている位置敏感型シンチレーション検出器、アンガー型ガンマカメラについて図5により説明する。



図5はアンガー型ガンマカメラの概略構成図である。



図5において、1はガンマカメラで、このガンマカメラ1は検出器ヘッド2と測定回路11とを備えている。



上記検出器ヘッド2は、シンチレーション結晶3、ライトガイド4、複数個の光電子増倍管5及び鉛コリメータ6で構成されている。



シンチレーション結晶3は、平板形状のヨウ化ナトリウムであり、例えば直径50cm、厚さ1cmの大きさを有している。このシンチレーション結晶3には、ガラス製のライトガイド4が、さらにライトガイド4には複数個の光電子増倍管5が二次元的に配置されてそれぞれ取付けられている。また、鉛コリメータ6は、複数の平行な孔を有し、シンチレーション結晶3の全面に配備されている。



一方、計測回路11は、タイミング信号生成部12、信号処理部13、記憶部14から構成されている。



タイミング信号生成部12には、信号ロジック15、トリガ発生器16が備えられている。また、信号処理部13には、波形整形器17とAD変換器18が備えられている。記憶部14には、通信ライン19を経由してデータ処理計算機20が接続されている。



このような構成のガンマカメラにおいて、ガンマ線放出核種の位置検出は以下のようにして行われる。



体内のガンマ線放出核種から放出された一つのガンマ線が鉛コリメータ6を通してシンチレーション結晶3に入射すると、シンチレーション結晶3は蛍光作用によりシンチレーション光を発光する。一つのガンマ線入射に対して放出されるシンチレーション光の数は、ガンマ線のエネルギーにもよるが、数万個程度あり、これらは全方向に向けて放出される。



このシンチレーション結晶3から放出されたシンチレーション光は、ライトガイド4を経由して複数個の光電子増倍管5に伝えられる。これらの光電子増倍管5は、シンチレーション光を受光して電気信号に変換し、その出力信号はシンチレーション光量に応じたパルス波高となる。



各光電子増倍管5の受光量は、入射した一つのガンマ線からの距離を反映する。つまり、パルス波高が最も大きい光電子増倍管は、ガンマ線がシンチレーション光に変換された位置(以下、シンチレーション点と呼ぶ)に最も近い光電子増倍管である。したがって、光電子増倍管5の出力は、統計的なふらつきを無視すればシンチレーション点からの距離に応じた大きさのパルス波高となる。



このとき鉛コリメータ6は、体内のガンマ線放出核種から放出されたガンマ線のうち、鉛コリメータ6の孔と平行な成分のみを通過させる働きをする。これにより、シンチレーション結晶3におけるガンマ線の検出位置は、体内におけるガンマ線放出核種の位置を反映することになる。



これら各光電子増倍管5からの出力信号は、それぞれ計測回路11にて2つに分けられ、タイミング信号生成部12及び信号処理部13に送られる。



タイミング信号生成部12では、信号ロジック15により光電子増倍管5が出力した事象に対して、この事象がガンマ線放出核種から放出されたガンマ線であるかどうかを判定し、真の事象であるときのみトリガ信号を出力する。



この場合、真の事象であるか否かを信号ロジック15により判別する方法としては、例えば光電子増倍管5の出力波高値のチャンネル総和が一定範囲内にあるかどうかにより行う方法や、各光電子増倍管5の出力波高値のうち一定レベルを超えるチャンネル数により行う方法などがある。



また、信号処理部13では、タイミング信号生成部12からトリガ信号が送られてきたときのみ信号処理を行う。すなわち、信号処理部13中の波形整形器17は、1つのガンマ線の入射に応じた光電子増倍管5の出力信号を整形し、出力最大値にてホールドを行うなどして、波形整形器17に接続されたAD変換器18に信号が読み込まれるようにレベル信号に変換処理を行う。また、必要に応じて波形整形器17で信号の積分化が行われる。レベル信号はAD変換器18においてデジタル信号に変換される。



さらに、記憶部14は、AD変換器18からのデジタル出力を保持する。この記憶部14は通信ライン19を経由してデータ処理計算機20に接続され、記憶部14に蓄えられたデータがデータ処理計算機20に伝送される。



ここで、記憶部14では、通信による測定のデッドタイムを減少させるため、複数事象分のデータが保持され、一定事象毎、または一定時間毎にまとめてデータ処理計算機20に伝送される。



このデータ処理計算機20では、通信ライン19を経由して送られてきた一事象毎の各光電子増倍管5の出力波高値に対応するデジタルデータを処理し、ガンマ線のシンチレーション結晶入射位置を算出する。この算出された事象毎のガンマ線位置を複数事象に渡って蓄積することにより画像データに変換され、表示される。



ここで、検出される事象は、しばしば時間情報を持たせるために時間毎に区切って計測される。この目的の一つは、核種の崩壊により補正率が変化するために、画像データに計数補正を行うためである。特にCT撮影を行うような回転型シンチレーションカメラでは、回転角度に対し計数補正が行われる。



以上がアンガー型ガンマカメラの構成並びに作用である。



次にポジトロンカメラについて説明する。



ポジトロンカメラでは、180度異なる方向に放出された2つのガンマ線を対向する位置敏感型シンチレーションカメラにて検出し、ポジトロン核種の位置を算出する。ポジトロンカメラにおけるタイミング信号の生成は、対向するシンチレーションカメラにおけるガンマ線同時計測条件により行うのが一般的である。



一方、現在開発中の粒子線がん治療装置におけるポジトロンカメラシステムでは、検査時間の短縮化のため、一般の核医学用核種より短寿命のポジトロン放出核種を検出することが求められている。



ここで、短寿命核種としては、例えば寿命10秒程度の10Cなどがある。このシステムにおいて、各事象の時間情報は、他の短寿命核種との分離を行うために重要である。



図6は核種10Cを粒子線がん治療装置により体内に注入した場合の計数率曲線を示す一例である。図中では、核種10Cを示す寿命10秒の減衰曲線の他に、さらに短寿命の核種の減衰曲線と長寿命の核種の減衰曲線が混ざり合い、バックグランドとなっていることが、時間軸の10秒を経過しても計数率が零にならないことからもわかる。



ここで、寿命10秒の減衰曲線が判別できる時間区分のみの事象を選び出すことにより核種10C以外の事象を大きく減少させることができる。



しかしながら、従来の位置敏感型シンチレーション検出器では、事象毎に時間情報を持たないまま一旦記憶部に複数事象分の情報を蓄えた後、その情報をデータ処理計算機20に伝送するため、寿命の短い10Cのような核種に対して時間情報を得る場合は、十分な時間精度が得られないという問題がある。そのため、画像データに他の核種データが混じって画像を不明確にしたり、他の核種データを取り除くときに真の事象データが取り除かれて検出効率が低下するため、計測時間が長くなってしまう。

産業上の利用分野


本発明は、シンチレータあるいは半導体素子を用いた放射線検出装置、特に核医学で用いられるガンマカメラ、ポジトロンカメラなどの位置敏感型放射線検出装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
体内に投与された放射性核種より放出される放射線を検出して核種の分布を測定する放射線検出器において、
前記放射性核種より放出される放射線が入射すると蛍光作用によりシンチレーション光を発光するシンチレーション結晶と、このシンチレーション結晶から放出されたシンチレーション光を電気信号に変換する光電子変換器と、この光電子変換器の出力信号が所定のレベルを超えるとタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路と、このタイミング信号発生回路よりタイミング信号が入力されると前記光電子変換器の出力信号をデジタル信号に変換する信号処理回路と、一定時間間隔のパルスを発生するクロック及びこのクロックから出力されるパルスを計数するカウンタを有し、前記タイミング信号発生回路よりタイミング信号が入力されると前記カウンタで計数されたカウント値を出力する時間計測部と、この時間計測部より出力されるカウント値を記憶すると共に、前記信号処理回路で処理された出力信号を記憶する記憶部とを備えたことを特徴とする放射線検出器。

【請求項2】
請求項1記載の放射線検出器において、時間計測部は外部トリガ入力部を備え、この外部トリガ入力部に測定スタート信号が入力されるとそのときのカウンタ値を前記カウンタより前記記憶部に入力して記憶させるようにしたことを特徴とする放射線検出器。

【請求項3】
体内に投与された放射性核種より放出される放射線を検出して核種の分布を測定する放射線検出器において、
前記放射性核種より放出される放射線が入射すると蛍光作用によりシンチレーション光を発光するシンチレーション結晶と、このシンチレーション結晶から放出されたシンチレーション光を電気信号に変換する光電子変換器とを有する検出器ヘッドと、この検出器ヘッドを被検体を中心に回転させる回転機構と、一定時間間隔のパルスを発生するクロックと、このクロックから出力されるパルス数に応じて前記回転機構を駆動制御する回転駆動制御部と、前記検出器ヘッドに有する光電子変換器の出力信号が所定のレベルを超えるとタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路と、このタイミング信号発生回路よりタイミング信号が入力されると前記光電子変換器の出力信号をデジタル信号に変換する信号処理回路と、前記クロックから出力されるパルスを計数するカウンタを有し、前記タイミング信号発生回路よりタイミング信号が入力されると前記カウンタで計数されたカウント値を出力する時間計測部と、この時間計測部より出力されるカウント値を記憶すると共に、前記信号処理回路で処理された出力信号を記憶する記憶部とを備えたことを特徴とする放射線検出器。

【請求項4】
体内に投与された放射性核種より放出される放射線を検出して核種の分布を測定する放射線検出器において、
前記放射性核種より放出される放射線を検出して電気信号に変換する半導体素子を有する検出器ヘッドと、この検出器ヘッドを被検体を中心に回転させる回転機構と、一定時間間隔のパルスを発生するクロックと、このクロックから出力されるパルス数に応じて前記回転機構を駆動制御する回転駆動制御部と、前記検出器ヘッドに有する半導体素子の出力信号が所定のレベルを超えるとタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路と、このタイミング信号発生回路よりタイミング信号が入力されると前記半導体素子の出力信号をデジタル信号に変換する信号処理回路と、前記クロックから出力されるパルスを計数するカウンタを有し、前記タイミング信号発生回路よりタイミング信号が入力されると前記カウンタで計数されたカウント値を出力する時間計測部と、この時間計測部より出力されるカウント値を記憶すると共に、前記信号処理回路で処理された出力信号を記憶する記憶部とを備えたことを特徴とする放射線検出器。
国際特許分類(IPC)
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