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スラッシュガスターゲットの製造方法とその装置

国内特許コード P07A009947
整理番号 NIRS-138
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願2002-143821
公開番号 特開2003-337200
登録番号 特許第3879990号
出願日 平成14年5月17日(2002.5.17)
公開日 平成15年11月28日(2003.11.28)
登録日 平成18年11月17日(2006.11.17)
発明者
  • 柳 秀治
  • 野口 雅人
  • 上坂 充
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
  • 国立大学法人 東京大学
発明の名称 スラッシュガスターゲットの製造方法とその装置
発明の概要 【課題】 卓上レーザシステムより、フェムト秒レーザビームをターゲットに打ち込み、プラズマカソードにより誘起されるフェムト秒電子の効率的発生と、若しくは前記レーザビームの打ち込みにより発生するD+D核融合反応を介してのフェムト秒中性子の効率的発生を可能とする、極低温クラスタ/スラッシュガスターゲットの製造方法とその装置を提供する。
【構成】 本発明の極低温クラスタ/スラッシュガスターゲットの製造装置は、超臨界生成室を内蔵する上部構造物10と、スラッシュガス生成用の減圧室20と、前記上部構造物10とスラッシュガス生成用の減圧室20との間に設けられた熱絶縁手段16と、レーザビーム照射口21とより構成する。
従来技術、競合技術の概要


前記卓上fsレーザビームシステムは、パルス巾50fs~200fsの超短パルスレーザを発生する装置で、この装置により従来は観測が困難であった室温でのピコ秒領域の現象を調べることが可能であって、
その特徴は、パルス幅が短いため超高速光化学の観測研究に向き、パルス強度が強いため強電場の物性の観測研究に向いており、そのレーザ照射によりレーザプラズマを作り、電子、X線、イオン、中性子等の極短ビームを生成する機能を持っている。



前記レーザ照射については、まず、レーザのターゲット照射により、レーザプラズマが作られ、上記レーザプラズマによって、電子、X線、イオン、中性子等のパルス巾50fsの極短ビームを生成する。
ついで、航跡場砕破方式よりなる加速機構により10fsの電子ビームを作っている。
なお、上記レーザプラズマX線を使用した原子の動画像化に関する時間分解X線回折研究があり、レーザプラズマX線の高品質化が望まれている。



一方、米ローレンス・リバモア国立研究所のグループが、温度100Kに冷却した高圧65atmの重水素ガスDを真空中の容器に噴射してクラスタを生成し、そこへ卓上型レーザ(120mJ、35fs、820nm)を照射してDD核融合を起こさせ、中性子の発生に成功している。



そして、従来は、12TW50fsレーザを常温ガスジェット(He、Nなどを使用、1~20気圧)にフォーカス照射をして、プラズマ航跡場(電子密度波)を誘起するとともに、前記航跡場の砕破現象によってプラズマ波からこぼれた電子は航跡場によって加速され、プラズマカソードにより1MeVを越える高エネルギ電子が生成されている。
この高エネルギ電子を低温ターゲットに使用すると、電界も10GV/m以上になり、電子はレーザ直後の航跡場にピークにトラップされ、最高エネルギも10MeVを越え、エネルギ巾も10%以下となり、10fs程度の極短バンチになり、電子ライナック(加速器)で加速されると同等な高エネルギ電子ビームを形成する結果が得られているが、上記プラズマカソードによる電子ビームに対しても一層の高品質化が望まれている。



なお、高速に加速された荷電粒子(イオン・ビーム)やX線・γ線などの高エネルギ光子等の量子ビームについては、電子顕微鏡、シンクロン放射光、中性子ビームにより、物質の静止ミクロ構造が可視化されている現状にあるが、
この画像化については、二つのフェムト秒量子ビーム例えばレーザとX線技術の組合せにより原子ダイナミックス則ちエネルギの可視化が期待されている。



上記したように、従来は常温ガスジェット(He、Nなどを使用、1~20気圧)が使用されているが、最近の米国の例に見るように温度100Kに冷却した高圧65atmの重水素ガスDを真空中の容器に噴射してレーザ照射用ターゲットを得ている。
しかし、レーザビームをフォーカス照射して、上記フェムト秒電子ビームや中性子ビームの高品質化するには、レーザ照射における照射対象となるターゲット部材に対して、レーザビームの吸収効率の向上が必要で、該部材の実現が強く望まれてきた。

産業上の利用分野


本発明は、卓上fsレーザビームシステムにより、出力12TW(12×1012ワット)、パルス巾50fs(50×10-15秒)のレーザをターゲットに打ち込んで、該ターゲットより極短ビームを発生させるようにして、密度を上げた固液二相のスラリ状ターゲット部材に関し、特にレーザプラズマカソード方式によるフェムト秒電子ビームとフェムト秒中性子ビームの効率的発生を可能とした極低温クラスタからなるスラッシュガスターゲットの製造方法とその装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
レーザプラズマカソード方式によるフェムト秒電子ビームの効率的発生を可能とするスラッシュガスターゲットの製造方法であって、
超臨界生成室に充填したガスを超臨界状態に加圧冷却し、ついで前記超臨界状態に加圧冷却したガスを、弁を介して前記ガスの三重点圧力以下の減圧室へ放出させ、極低温の固液二相流体よりなるターゲットを形成したことを特徴とするスラッシュガスターゲットの製造方法。

【請求項2】
重水素D+D反応を使用したフェムト秒中性子ビームの効率的発生を可能とするスラッシュガスターゲットの製造方法であって、
超臨界生成室に充填した重水素を超臨界状態に加圧冷却し、ついで前記超臨界状態の重水素を弁を介して前記重水素の三重点圧力以下の減圧室へ放出させ、極低温の固液二相の重水素流体よりなるターゲットを形成したことを特徴とするスラッシュガスターゲットの製造方法。

【請求項3】
前記減圧室への放出は断熱自由膨張により行うようにしたことを特徴とする請求項1、若しくは請求項2記載のスラッシュガスターゲットの製造方法。

【請求項4】
前記ガスは、Ar、またはN、またはH、またはDであることを特徴とする請求項1記載のスラッシュガスターゲットの製造方法。

【請求項5】
スラッシュガスターゲットを生成するためのガスを低温恒温装置を持つ超臨界生成室へ加圧導入し、導入後のガスを所定圧力と温度で冷却して超臨界ガスを形成させ、形成された超臨界ガスを下部の三重点圧力以下の減圧室へ断熱自由膨張のもとに放出させ、極低温の固液二相スラッシュガス流体よりなる高密度クラスタを形成するスラッシュガスターゲット製造装置であって、
ガス供給源より供給されたガスを冷却して超臨界状態にする超臨界生成室と、その下部に設けた臨界ガス放出用の弁と、超臨界状態を形成する低温恒温装置とよりなる上部構造体と、
該上部構造体の下端に熱絶縁手段を介して設けたスラッシュガスを生成する減圧室と、前記熱絶縁手段と、前記減圧室の周囲に設けた熱遮蔽手段とより構成したことを特徴とするスラッシュガスターゲットの製造装置。

【請求項6】
前記ガス放出用の弁はノズル付きパルス電磁弁よりなり、放出ガスを断熱自由膨張させる構成としたことを特徴とする請求項5記載のスラッシュガスターゲットの製造装置。

【請求項7】
前記低温恒温装置は、真空断熱容器と冷熱源よりなり、温度可変型のクライオスタットを介して、0~80atmの圧力と20~150Kの温度に加圧冷却保持する構成としたことを特徴とする請求項5記載のスラッシュガスターゲットの製造装置。

【請求項8】
前記真空断熱容器は、前記超臨界生成室を囲繞し外部から熱輻射を断つ輻射シールドを設け、該輻射シールドの外側と、真空断熱容器の外筒の間に真空層を介在させたことを特徴とする請求項7記載のスラッシュガスターゲットの製造装置。

【請求項9】
前記減圧室は、前記ガスの三重点圧力以下の圧力になるように減圧されていることを特徴とする請求項5記載のスラッシュガスターゲットの製造装置。

【請求項10】
前記ガス放出用の弁はノズル付きパルス電磁弁よりなり、
前記熱絶縁手段は、前記ノズル付きパルス電磁弁の周囲に設けた熱遮蔽のために75~80Kの寒剤が供給されている熱輻射シールドと、前記超臨界生成室の下端とノズル付きパルス電磁弁との間を接続するガス導入配管に設けた断熱ベローと、前記ノズル付きパルス電磁弁に設けたサーマルアンカと、より構成したことを特徴とする請求項5記載のスラッシュガスターゲットの製造装置。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 登録
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