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遺伝子発現プロファイルの作製方法

国内特許コード P07A009957
整理番号 NIRS-160
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願2003-174895
公開番号 特開2005-006554
登録番号 特許第4217780号
出願日 平成15年6月19日(2003.6.19)
公開日 平成17年1月13日(2005.1.13)
登録日 平成20年11月21日(2008.11.21)
発明者
  • 安倍 真澄
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 遺伝子発現プロファイルの作製方法
発明の概要 【課題】精度の高い遺伝子発現プロファイルを作製する方法を提供する。
【解決手段】HiCEP法のPCR工程において、プライマーの鋳型へのアニーリングをプライマーのTmMAX+6℃~TmMAX+14℃の温度で行う。
従来技術、競合技術の概要


西暦2002年、ヒトゲノム配列がほぼ完全に解読された。得られた塩基データからオーダーメード治療等の開発が期待されているが、その為には生体内でどの遺伝子がどの程度発現しているかの解明、すなわち遺伝子発現ネットワークの解明が非常に重要である。そして、遺伝子発現ネットワークの解明に当たっては、ある時点における生体内でどの遺伝子がどの程度発現しているかを示す遺伝子発現プロファイルを作製する必要がある。
現在、遺伝子発現プロファイル作製方法として、ディファレンシャルディスプレー法、遺伝子発現の逐次分析法(SAGE)、マイクロアレイ又はDNAチップを用いた方法及び国際公開第02/48352号パンフレットに開示される高カバー率遺伝子発現プロファイル解析法(HiCEP)等がある。
これらの遺伝子発現プロファイル作製方法の中で、HiCEP法は、未知の遺伝子を含む広範囲の遺伝子をカバーする遺伝子発現プロフィールを簡便に作製する方法として優れた方法である。
また、HiCEP法の一工程として用いるPCR反応において、プライマーの鋳型へのアニーリング温度は、従来、使用するプライマーのTm付近の温度、例えば、GC含量が50%の20merからなるプライマーを用いる場合、55℃でのアニーリング温度が用いられていた(サムブルック(Sambrook)及びラッセル(Russel)著、「モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)」、(米国)、第3版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、2001年、Protocol 15、Quantitative PCR、8.86)。
【特許文献1】
国際公開第02/48352号パンフレット
【非特許文献1】
サムブルック(Sambrook)及びラッセル(Russel)著、「モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)」、(米国)、第3版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、2001年、Protocol 15、Quantitative PCR、8.86

産業上の利用分野


本発明は、遺伝子発現プロファイルを作製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
(a)ポリ(A)RNAを鋳型として一本鎖cDNAを合成する工程であって、該一本鎖cDNAを基準として5’末端にタグ物質が付加された一本鎖cDNAを合成する工程、
(b)工程(a)で合成された一本鎖cDNAを鋳型として二本鎖cDNAを合成する工程であって、該二本鎖cDNAを基準として3’末端側にタグ物質が付加された二本鎖cDNAを得る工程、
(c)工程(b)で得られた二本鎖cDNAを第1の制限酵素Xで切断する工程、
(d)該タグ物質に高親和性を有する物質を用いて、工程(c)で得られた断片から該タグ物質が付加している断片を回収する工程、
(e)工程(d)で回収された断片の第1の制限酵素Xによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びXプライマーに相補的な配列を含むXアダプターを結合させて、二本鎖cDNAを基準として5’末端側にXアダプターが結合している断片を得る工程、
(f)工程(e)で回収された断片を、該Xアダプターを切断しない第2の制限酵素Yで切断する工程、
(g)該タグ物質に高親和性を有する物質を用いて、工程(f)で得られた断片から該タグ物質が結合している断片を取り除くことにより、二本鎖cDNAを基準として3’末端側に第2の制限酵素Yによる切断部位を含む断片を回収する工程、
(h)工程(g)で回収された断片の第2の制限酵素Yによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びYプライマーに相補的な配列を含むYアダプターを結合させて、二本鎖cDNAを基準として3’末端側にYアダプターが結合している二本鎖配列の断片を得る工程、
(i)該Xアダプターの配列に相補的な配列を含むXプライマーであって、該Xプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN12(N1及びN2は同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むXプライマーと、該Yアダプターの配列に相補的な配列を含むYプライマーであって、該Yプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN34(N3及びN4は同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むYプライマーとからなるプライマーセットを用いて、工程(h)で得られた二本鎖配列の断片を鋳型としてPCR反応を行う工程、及び、
(j)得られたPCR産物を電気泳動し、その移動距離及びピークを検出することにより遺伝子発現プロファイルを作製する工程、
を含み、
工程(i)において、
Xプライマー及びYプライマーのそれぞれXアダプター及びYアダプターへのアニーリングを、プライマーのTmMAX+6℃~TmMAX+14℃の温度で行うこと
を特徴とする方法。
【請求項2】工程(i)において、
Xプライマー及びYプライマーのそれぞれXアダプター及びYアダプターへのアニーリングをTmMAX+6℃~TmMAX+9℃で行う、
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法。
【請求項3】工程(i)において、
プライマーセットとして、16種類のXプライマーと16種類のYプライマーとの組合せから構成される256種類のプライマーセットを用いる、請求項1又は2に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法。
【請求項4】工程(i)において、
Xプライマーが
5'-ACATGACACTCGGTTCGGN1N2-3'
(式中、N1N2は、CC、CT、CG、CA、TC、TT、TA、TG、AC、AA、AG、AT、GT、GC、GA又はGGである)
であり、
Yプライマーが
5'-ATACTGCGGGCGTCCTAAN3N4-3'
(式中、N3N4は、CC、CT、CG、CA、TC、TT、TA、TG、AC、AA、AG、AT、GT、GC、GA又はGGである)
である、請求項1~3のいずれかに記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法。
【請求項5】遺伝子発現頻度を解析する方法であって、
(a)ポリ(A)RNAを鋳型として一本鎖cDNAを合成する工程であって、該一本鎖cDNAを基準として5’末端にタグ物質が付加された一本鎖cDNAを合成する工程、
(b)工程(a)で合成された一本鎖cDNAを鋳型として二本鎖cDNAを合成する工程であって、該二本鎖cDNAを基準として3’末端側にタグ物質が付加された二本鎖cDNAを得る工程、
(c)工程(b)で得られた二本鎖cDNAを第1の制限酵素Xで切断する工程、
(d)該タグ物質に高親和性を有する物質を用いて、工程(c)で得られた断片から該タグ物質が付加している断片を回収する工程、
(e)工程(d)で回収された断片の第1の制限酵素Xによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びXプライマーに相補的な配列を含むXアダプターを結合させて、二本鎖cDNAを基準として5’末端側にXアダプターが結合している断片を得る工程、
(f)工程(e)で回収された断片を、該Xアダプターを切断しない第2の制限酵素Yで切断する工程、
(g)該タグ物質に高親和性を有する物質を用いて、工程(f)で得られた断片から該タグ物質が結合している断片を取り除くことにより、二本鎖cDNAを基準として3’末端側に第2の制限酵素Yによる切断部位を含む断片を回収する工程、
(h)工程(g)で回収された断片の第2の制限酵素Yによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びYプライマーに相補的な配列を含むYアダプターを結合させて、二本鎖cDNAを基準として3’末端側にYアダプターが結合している二本鎖配列の断片を得る工程、
(i)該Xアダプターの配列に相補的な配列を含むXプライマーであって、該Xプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN12(N1及びN2は同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むXプライマーと、該Yアダプターの配列に相補的な配列を含むYプライマーであって、該Yプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN34(N3及びN4は同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むYプライマーとからなるプライマーセットを用いて、工程(h)で得られた二本鎖配列の断片を鋳型としてPCR反応を行う工程、
(j)得られたPCR産物を電気泳動し、その移動距離及びピークを検出することにより遺伝子発現プロファイルを作製する工程、及び、
(k)前記工程(a)~(i)により得られた2つの遺伝子発現プロファイルを比較することにより被検細胞の遺伝子発現頻度の変化を解析する工程
を含み、
工程(i)において、
Xプライマー及びYプライマーのそれぞれXアダプター及びYアダプターへのアニーリングを、プライマーのTmMAX+6℃~TmMAX+14℃の温度で行うこと
を特徴とする方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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