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放射線位置検出器の校正方法及び放射線位置検出器

国内特許コード P07A009958
整理番号 NIRS-178
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願2003-200616
公開番号 特開2005-043104
登録番号 特許第4367903号
出願日 平成15年7月23日(2003.7.23)
公開日 平成17年2月17日(2005.2.17)
登録日 平成21年9月4日(2009.9.4)
発明者
  • 北村 圭司
  • 吉田 英治
  • 木村 裕一
  • 村山 秀雄
出願人
  • 株式会社島津製作所
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 放射線位置検出器の校正方法及び放射線位置検出器
発明の概要 【課題】2次元位置マップを作成するのに統計的クラスタリング処理を用い、放射線位置検出器の位置弁別精度を高めることを課題とする。
【解決手段】1次元、2次元、あるいは3次元的に配置された多数のシンチレータ素子(42)と、それらに光結合された光センサ(46)から構成された放射線位置検出器を校正するに際して、前記光センサから得られる複数の出力信号から統計的クラスタリング処理によって、放射線の検出位置に属する領域弁別を行なう。
【選択図】 図10
従来技術、競合技術の概要


被検体に放射性同位元素(RI)が投与されると、消滅γ線と呼ばれる2個の光子が正反対方向に同時に放出されるイベントが発生する。陽電子放出断層装置(PET)は、この2個の光子を同時計数で検出することにより、被検体内のRIの分布像を得る装置である。



このようなPET装置に用いられる放射線3次元位置検出器としては、複数のシンチレータ素子を、屈折率の異なる透明板を挟みながら光センサ上に積層してシンチレータブロックを構成し、光センサに到達する光の透過率を各シンチレータ素子毎に異ならせることにより、光センサにおける受光量の差に基づいて、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ素子を同定するようにした放射線検出器が、特許文献1に記載されている。



又、複数のシンチレータ素子を、その中心位置が光位置検出器の受光面に平行な方向に偏倚するように光位置検出器上に積層し、光位置検出器からの出力光の空間分布の重心位置を各シンチレータセル毎に異ならせることにより、重心位置演算に基づいて、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ素子を同定するようにした放射線検出器が、特許文献2に記載されている。



又、図1に示す如く、シンチレータブロック12と、光センサとして4つの光電子増倍管(PMT)14A、14B、14C、14Dから構成されるブロック検出器10の場合、シンチレータブロック12中のγ線との相互作用が起こった蛍光発光シンチレータ素子(結晶素子とも称する)の同定を、図2(簡単のため1層の例で説明する)に示すフロントエンド回路の如く、PMT14A、14B、14C、14Dの出力信号(A,B,C,D)を用いて次式(1)、(2)に示すような重心演算を行い、更に後続回路(図示せず)により図3に示す9×10領域に区分けした2次元位置マップ(位置弁別テーブルとも称する)等に得られた重心位置を投影し、続いてこの作業を繰り返すことで一シンチレータ素子に対応する統計的なシンチレータ素子対応域を作成し、更に他のシンチレータ素子についても同様に作成し、最終的に全シンチレータ素子に対する対応域を合成した2次元位置マップを作成することも行われている。



X=(A+B)/(A+B+C+D) ・・・(1)
Y=(A+C)/(A+B+C+D) ・・・(2)



但し、2次元位置マップ上での各シンチレータ素子に対応する対応域は、検出器光子数の統計的ばらつきなどによってある広がりを持つ上、PMT14A~Dの各ゲインの違いやシンチレータブロック12の作り方によって検出器毎に異なる。従って、予め作成した位置ルックアップテーブル(位置LUTと称する)28に従って直線性補正を行う。又、A+B+C+Dはシンチレータ内の全ての発光光子数に相当するので、γ線のエネルギに比例する。エネルギの波高値も、シンチレータ素子毎の効率の違いによりシンチレータブロック12内のどのシンチレータ素子で蛍光を発したか(発光したシンチレータ素子位置)で異なるため、同じようにエネルギルックアップテーブル(エネルギLUTと称する)30を作成して蛍光発光シンチレータ素子位置により補正する。



図2において、20は、アンプ22A、22B、22C、22D、加算回路24A、24B、24C、A/D変換回路26A、26B、前記位置LUT28、前記エネルギLUT30、エネルギウィンドウ32を含んで構成される位置演算回路である。



LUT作成のためには従来から、均一な並行ビームのγ線を照射し、PMT14A~Dの出力を用いて重心演算することにより、各イベントに対する2次元位置マップ上の対応位置(X,Y)を算出し、図3に示したような2次元位置マップに描画することが行われている。これらは各蛍光発光シンチレータ素子(結晶素子)位置に応じたピークを持つ分布として描かれ、シンチレータ対応域を示すため、従来法では、それらピーク間の谷間を境界線として、クラスタに分割し、位置ルックアップテーブル(LUT)を作成していた。実際の測定では、入射した各イベント毎に重心演算を行い、位置LUTを参照しながら、各クラスタに対応したシンチレータ素子位置を出力する。



【特許文献1】
特開昭63-47686号公報
【特許文献2】
特公平5-75990号公報

産業上の利用分野


本発明は、放射線位置検出器の校正方法に係り、特に、3次元的に配置された多数のシンチレータ素子と、それらに光結合された光センサから構成された放射線位置検出器を校正する際に用いるのに好適な、放射線の位置検出機能や放射線吸収エネルギ選別機能を持たせた放射線位置検出器の校正方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
1次元、2次元、あるいは3次元的に配置された多数のシンチレータ素子と、それらに光結合された光センサから構成された放射線位置検出器を校正するに際して、
放射線を検出器上方から一様に照射して、前記光センサの出力から2次元位置マップを得た後、
統計的クラスタリング処理を行って、前記2次元位置マップ上の各ピクセルに対する出力が、各シンチレータ素子に対応するクラスタに属する事後確率を全てのクラスタについて取得し、
その後、各ピクセルについて事後確率が最大のクラスタ番号で前記2次元位置マップ全体をラベリングして、位置ルックアップテーブルを作成し、
該位置ルックアップテーブル中のクラスタ番号により、各シンチレータ素子に対応する領域を選別することを特徴とする放射線位置検出器の校正方法。

【請求項2】
前記位置ルックアップテーブル作成時にクラスタ番号を付与する際の事後確率の値に閾値を設けることで各シンチレータ素子に対応する領域と多重散乱領域を分けることを特徴とする請求項1に記載の放射線位置検出器の校正方法。

【請求項3】
前記クラスタリング処理に際して、まず、1段階目のクラスタリングで前記2次元位置マップ上における各シンチレータ素子の中心位置を求め、次いで、全データの中心を加えた2段階目のクラスタリングで、前記2次元位置マップ上における各シンチレータ素子の中心位置から周囲への広がりを求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線位置検出器の校正方法。

【請求項4】
前記光センサに吸収された放射線エネルギが、所定のエネルギウィンドウ内に入っているか否かを選別する情報も得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線位置検出器の校正方法。

【請求項5】
請求項1に記載の方法により選別された各シンチレータ素子に対応する光センサの各領域に吸収された放射線エネルギが、所定のエネルギウィンドウ内に入っているか否かを選別することを特徴とする放射線位置検出器の校正方法。

【請求項6】
請求項1乃至のいずれかに記載の校正方法を用いて作成された位置ルックアップテーブルを備えたことを特徴とする放射線位置検出器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003200616thum.jpg
出願権利状態 登録
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