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マイクロイオンビーム形成用部材の配置方法及びプリズム付プリズム調整台

国内特許コード P07A009961
整理番号 NIRS-180
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願2003-369541
公開番号 特開2005-135710
登録番号 特許第4341824号
出願日 平成15年10月29日(2003.10.29)
公開日 平成17年5月26日(2005.5.26)
登録日 平成21年7月17日(2009.7.17)
発明者
  • 今関 等
  • 酢屋 徳啓
  • 阿川 義昭
  • 横井 孝之
  • 菅原 正次
出願人
  • 株式会社アルバック
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 マイクロイオンビーム形成用部材の配置方法及びプリズム付プリズム調整台
発明の概要 【課題】 鉛直上方向にマイクロイオンビーム形成用部材を極めて容易に配置するための方法及びマイクロイオンビーム形成用部材の配置のために使用されるプリズム付きプリズム調整台を提供する。
【解決手段】 水平方向に出射されるイオンビームを鉛直上方向に静電偏向又は電磁偏向させて、前記イオンビームからマイクロイオンビームを形成するためのマイクロイオンビーム形成用部材を、所定の鉛直線上にその光学中心を揃えて配置するマイクロイオンビーム形成用部材の配置方法であって、水平軌道をたどる入射光を鉛直上方向に偏向させるための偏向素子を前記所定の鉛直線上に配置し、更に、前記水平軌道上にトランシットを配置して、前記所定の鉛直線上に前記マイクロイオンビーム形成用部材の光学中心を揃えて配置することを特徴とする。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


従来の生物細胞へのマイクロイオンビーム形成装置を、図5のビーム工学系配置構成を用いて説明する。
図中1で示されるものは、建屋の床であり、通常はコンクリート等により施工されている。建屋の床1上には、足場2が設けられ、この上方空間が観察者用の作業室3となっている。また、作業室3の下方には、鉄骨により構成されたやぐら4が配置されている。そして、やぐら4には、マイクロイオンビーム形成用部材が搭載される架台5aが、建屋の床1等からの振動の影響を受けないようにダンパー6を介して載置され、架台5aの上部は、前記作業室3内まで延出されている。また、前記やぐら4の内側下方において水平方向に横設された架台5b上には、偏向磁石7が載置固定されている。



前記やぐら4に載置された架台5aには、イオンビームの上流側、即ち、下方から順に、対物スリット10、ファラデーカップ11、X-Yステアラー12、ビーム径制限スリット13、ファラデーカップ14、3連四重極マグネット15、コリメータ16、ポリイミドフィルム17及び光顕微鏡18が搭載されている。そして、前記した対物スリット10、ファラデーカップ11、X-Yステアラー12、ビーム径制限スリット13、ファラデーカップ14、3連四重極マグネット15、コリメータ16及び光学顕微鏡18は、それぞれ両端部にフランジが設けられた円筒形状に構成され、一直線上に配置されて、互いに連結固定されている。
尚、前記X-Yステアラー12は、イオンビームの方向を変えるように機能するもので、対向した金属平板を水平、垂直方向に一組ずつ配置することにより構成されている。ビーム径制限スリット13は、対物スリット10を通過し、発散するイオンビームの発散角を規定するとともに、発散することにより広がったイオンビームの裾をカットすることができるように構成されている。コリメータ16は、直径100μm・高さ100mmの円筒形状をしている。ポリイミドフィルム17は、大気と真空とを隔離するためのものである。光学顕微鏡18は、シャーレ等に収容された生体試料19を観察するためのものである。



上記マイクロイオンビーム形成装置は、次のようにして動作する。
上流側の加速器から供給されるイオンビームは、マイクロイオンビームラインの上流側に取り付けられているレンズ(図示せず)により、イオンビーム径制限スリット20上に結像される。このイオンビーム径制限スリット20を出射したイオンビームは、偏向電磁石7に入射し偏向される。尚、この偏向電磁石7は、凸状の圧肉の集束レンズで構成されており、偏向されたイオンビームを偏向電磁石7のレンズ効果により対物スリット10上に収束させる。次いで、この収束したイオンビームを対物スリット10及びビーム径制限スリット13を通過させて、除々にその形状をカットして細かくし、更に、発散角も制限する。このようにして形成され細いイオンビームは、ポリイミドフィルム17を介して真空中から大気中に取り出され、試料19に照射される。そして、観察者が光学顕微鏡13により試料を観察し評価する。



上記対物スリット10、ファラデーカップ11、X-Yステアラー12、ビーム径制限スリット13、ファラデーカップ14、3連四重極マグネット15及びコリメータ16等のマイクロイオンビーム形成用部材の配置は次のようにして行われている。
例えば、マイクロイオンビーム形成用部材がファラデーカップ11の場合には、図7に示されるように、その側周面に軸方向に4本のケガキ線L(通常の線幅は、0.3~0.5mm)を周方向に等分するようにして設け、同様のケガキ線Lを他のマイクロイオンビーム形成用部材にも設ける。そして、各マイクロイオンビーム形成用部材のケガキ線Lを互いに揃えて積み重ねる。
次に、図5に示されるように、垂直方向(Z軸)のビーム軌道9Lと垂直に交わるXY平面上においてX軸にトランシット8Xを配置し、Y軸にトランシット8Yを配置する(図6)。
そして、各マイクロイオンビーム形成用部材について、前記トランシット8X及び8Yの垂直方向の基準線と前記ケガキ線とが重なり合うことを、前記各トランシットを上下方向に傾斜させながら確認して各マイクロイオンビーム形成用部材の調整を行う。



しかしながら、上記従来の配置方法では、マイクロイオンビーム形成用部材を鉛直線上に配置することは可能であるが、各部材が鉛直方向のビーム軌道9Lに対して有効に機能するように光学中心を揃えて配置することは非常に困難であった。
例えば、図8に示される光学系の配置図において、対物スリット10は、プレート10a、10aが真空中でビーム軌道9Lを横切るようにして直線的に移動するものであるが、このプレート10a、10aの先端部同士が当接する際、即ち、真空中に前記プレート10aを最も押し込んだ際に、前記先端部がビーム軌道9Lに到達しなければ、対物スリット10は有効に機能しない。同様に、ファラデーカップ11、14においても、ビーム軌道9L上までカップの中心部が駆動して停止しないと電流値を正確に測定することができず、また、3連四重極マグネット15でも、ビーム軌道9L上にポールピースで形成される空間の中心が到達しないと、ビーム軌道9Lを正しく収束させることはできない。

産業上の利用分野


本発明は、細胞にアルファ(4He+),プロトン(H+)等の高エネルギーイオンを照射し、放射損傷の度合いを観察したり、或いは、前記イオンを細胞に照射し、被照射体から発生する特性X線を測定したりするPIXE分析手法(Particle Induced X-ray Emission;粒子誘起X線放出)や、RBS(Rutherford Backscattering Spectroscopy;ラザフォード後方散乱分析)精密ゴニオメータシステム等の分野で用いられるマイクロイオンビーム形成用部材の配置方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水平方向に出射されるイオンビームを鉛直上方向に静電偏向又は電磁偏向させて、前記イオンビームからマイクロイオンビームを形成するためのマイクロイオンビーム形成用部材を、所定の鉛直線上にその光学中心を揃えて配置するマイクロイオンビーム形成用部材の配置方法であって、水平軌道をたどる入射光を鉛直上方向に偏向させるための偏向素子を前記所定の鉛直線上に配置し、更に、前記水平軌道上にトランシットを配置して、前記所定の鉛直線上に前記マイクロイオンビーム形成用部材の光学中心を揃えて配置することを特徴とするマイクロイオンビーム形成用部材の配置方法。

【請求項2】
前記マイクロイオンビーム形成用部材の端面に互いに交差する2軸を表示した透光板を設け、前記透光板の2軸の交点と前記透光板が設けられたマイクロイオンビーム形成用部材の光学中心とを揃え、前記透光板の互いに交差する2軸と前記トランシットの水平及び垂直方向の基準線とを重ね合わせることにより、前記所定の鉛直線上に前記マイクロイオンビーム形成用部材の光学中心を揃えて配置することを特徴とする請求項1に記載のマイクロイオンビーム形成用部材の配置方法。

【請求項3】
前記所定の鉛直線上において、前記マイクロイオンビーム形成用部材が配置されることになる区間の下方に前記偏向素子を設け、前記区間の上方に基準点を設け、前記偏向素子に対して、前記トランシットから水平軌道をたどるレーザビームを照射して鉛直上方向に偏向させ、前記基準点に前記レーザビームが照射されるように前記偏向素子の位置を調整することにより、鉛直上方向に偏向された前記偏向素子からの出射光の軌道を前記所定の鉛直線上に重ね合わせるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロイオンビーム形成用部材の配置方法。

【請求項4】
水平方向に出射されるイオンビームを鉛直上方向に静電偏向又は電磁偏向させて、前記イオンビームからマイクロイオンビームを形成するためのマイクロイオンビーム形成用部材を、所定の鉛直線上にその光学中心を揃えて配置するためのプリズム付プリズム調整台であって、前記プリズム調整台は、対向させた平板間の間隔を調整して前記プリズムを高さ方向に調整自在とする高さ調整機構と、前記高さ調整機構上に設けられた前記プリズムを少なくとも鉛直方向の軸を中心として180度回転自在とする回転板とを備え、前記回転板の中央に前記プリズムを載置し、前記高さ調整機構の前記平板及び前記回転板の中央に貫通孔を設けたことを特徴とするプリズム付プリズム調整台。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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