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多孔質アポホスト複合体 実績あり

国内特許コード P000000036
整理番号 A051P20
掲載日 2001年11月26日
出願番号 特願平10-056701
公開番号 特開平11-255775
登録番号 特許第3565698号
出願日 平成10年3月9日(1998.3.9)
公開日 平成11年9月21日(1999.9.21)
登録日 平成16年6月18日(2004.6.18)
発明者
  • 青山 安宏
  • 出羽 毅久
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 多孔質アポホスト複合体 実績あり
発明の概要 【課題】 アポホストの構造の制御、その修飾により、触媒等として有用な、新しい金属複合体を提供する。
【解決手段】 水素結合により微細空孔構造を形成可能としている有機アポホストに周期律表第3族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されているものとする。
従来技術、競合技術の概要



従来より、ゼオライトをはじめとする微細空孔を持つ無機質材料が、ガス分離、排ガス処理、さらには各種の有機合成反応のための吸着材や触媒等として広く利用されてきており、有機材料についても、微細空孔を持つ多孔質材についての検討や開発が進められてきてもいる。





空孔を持つ有機材料としては、これまでにも発泡樹脂やゾル-ゲル変態を利用した樹脂、あるいは、プラズマや電子ビーム処理した樹脂膜等が知られているが、空孔の大きさが、原子、分子レベルの微細空孔の大きさにまで制御され有機合成反応の触媒等としての利用も可能な多孔質有機材料についてはほとんど知られていない。





このような状態において、この出願の発明者らは、これまでに全く知られていない新規な多孔質有機物質として、水素結合による三次元網状組織として微細空孔構造を形成可能としている有機アポホストを開発し、この物質の構造、特性、その利用性について具体的に報告した。

この有機アポホストは、たとえば次のようなアントラセンのビスレゾルシン誘導体(1)またはモノレゾルシン誘導体(2)によって形成されるものである。





【化3】








前記のビスレゾルシン誘導体(1)およびモノレゾルシン誘導体(2)は、適当な溶媒から結晶化させると溶媒分子をゲストと含む共結晶が得られ、その構造は、2次元あるいは1次元鎖が相互にからみあった擬2次元水素結合ネットワークを構成する。そしてこのネットワーク構造により形成される微細空孔にはゲスト分子が極めて選択的に取り込まれ、ゲスト分子を除くと多結晶性のアポホストが得られる。





このアポホストは、固相において気体、液体あるいは固体状態のゲストを取込み単結晶構造を回復する。ゲスト分子の交換も容易である。

たとえば以上のような有機アポホストについては、微細空孔は次のような特徴を有している。

<1>水素結合ネットワークを構成しているが、単独の状態では、所定の大きさの微細空孔がそのものとして存在しているわけではない。むしろ空孔がつぶれた状態として存在している。

<2>だが、種々の状態(気体、液体、固体等)のゲスト分子を微細空孔に取込んで固相錯形成する。このゲスト分子の包接により単結晶構造が回復される。





ゲスト分子の捕捉により、協同的な構造変化が起きることになる。

前記のアントラセン・ビスレゾルシン誘導体(1)により形成される有機アポホストの場合の空孔は、その大きさが、約14×10×7Åであって、アクロレインと1,3-シクロヘキサジェンの空孔内への同時取込みによる立体選択的なディールズ・アルダー反応の触媒作用を示すことも確認されている。





以上のとおりの有機アポホストは、「有機ゼオライト」と称してもよいものであって、今後の技術的発展が大いに注目されているものである。

実際、この出願の発明者らにとっては、これまでのアポホストの触媒活性が、空孔への取込みと、本来それほど強くないフェノール性水酸基の水素結合あるいは酸触媒能に左右されるものと考えられることから、その触媒能の向上を図ること、そして、さらなる機能の拡大のためにも、微細空孔の構造や水素結合の制御、修飾を可能とすることが重要な課題となっていた。





この出願の発明は、以上のとおりの背景よりなされたものであって、有機アポホストの機能性の拡大と、そのための構造的制御、修飾のための新しい技術手段を提供することを課題としている。

産業上の利用分野



この出願の発明は、多孔質アポホスト複合体に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、触媒、光応答材料、有機電子材料等の機能性材料として有用な、多孔質三次元構造を持つ、新規な有機アポホスト複合体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式
B-A-B
(ただし、式中Aは、置換基を有していてもよいアントラセン、フェナントレン、ナフタレンまたはピレンの多環芳香族炭化水素基およびピリジン、ジアジン、トリアジン、ピロジンを基本とした多環の複素環基からなる群より選択され、Bは、水酸基または窒素含有基を有する単環の芳香族炭化水素基であるか、または単環の複素環基である
で表わされる化合物やその塩、あるいはそれらの組み合わせを繰り返し単位として形成される水素結合により微細空孔構造を形成可能な有機アポホストに、周期律表第3族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されていることを特徴とする多孔質アポホスト複合体。

【請求項2】
次式
A-B
(ただし、式中Aは、置換基を有していてもよいアントラセン、フェナントレン、ナフタレンまたはピレンの多環芳香族炭化水素基およびピリジン、ジアジン、トリアジン、ピロジンを基本とした多環の複素環基からなる群より選択され、Bは、水酸基または窒素含有基を有する単環の芳香族炭化水素基であるか、または単環の複素環基である
で表わされる化合物を繰り返し単位として形成される水素結合により微細空孔構造を形成可能な有機アポホストに、周期律表第3族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されていることを特徴とする多孔質アポホスト複合体。

【請求項3】
有機アポホストは、次式
【化1】



(ただし、Xはハロゲン原子、-SH、-NH、-CN、-CONH、-OCONHのいずれかである)
で表されるいずれかの化合物を繰り返し単位として形成される請求項1の多孔質アポホス複合体。
【請求項4】
有機アポホストは、次式
【化2】


で表される化合物を繰り返し単位として形成される請求項2の多孔質アポホスト複合体。

【請求項5】
周期律表第3族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものにおいて、有機アポホストの水素結合を形成する官能基の酸素もしくは窒素原子と金属原子が結合し、複合化されている請求項1ないし4の複合体。

【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの複合体からなる有機合成反応用触媒。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[C01-01]
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 単一分子・原子レベルの反応制御 領域
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