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放射線同時計数処理方法、放射線同時計数処理プログラムおよび放射線同時計数処理記憶媒体、並びに放射線同時計数装置およびそれを用いた核医学診断装置

国内特許コード P07A009999
整理番号 NIRS-249
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願2005-305944
公開番号 特開2007-071858
登録番号 特許第4933767号
出願日 平成17年10月20日(2005.10.20)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
登録日 平成24年2月24日(2012.2.24)
優先権データ
  • 特願2005-233280 (2005.8.11) JP
発明者
  • 北村 圭司
  • 吉田 英治
  • 村山 秀雄
  • 木村 裕一
出願人
  • 株式会社島津製作所
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 放射線同時計数処理方法、放射線同時計数処理プログラムおよび放射線同時計数処理記憶媒体、並びに放射線同時計数装置およびそれを用いた核医学診断装置
発明の概要 【課題】放射線同時計数処理方法、放射線同時計数処理プログラムおよび放射線同時計数処理記憶媒体、並びに放射線同時計数装置およびそれを用いた核医学診断装置、記憶媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数する(ステップT1)。ステップS1~S4で作成された同時計数パターン用テーブルを参照して、同時計数された放射線の出力情報を真の同時計数に関する情報と偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とに分離する(ステップT2)。その結果、放射線の同時計数をより精度よく行うことができる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


上述した核医学診断装置、すなわちECT(Emission Computed Tomography)装置として、PET(Positron Emission Tomography)装置を例に採って説明する。PET装置は、陽子(Positron)、すなわちポジトロンの消滅によって発生する複数本のγ線を検出して複数個の検出器でγ線を同時に検出したときのみ被検体の断層画像を再構成するように構成されている。



このPET装置では、放射性薬剤を被検体に投与した後、対象組織における薬剤蓄積の過程を経時的に測定することで、様々な生体機能の定量測定が可能である。したがって、PET装置によって得られる断層画像は機能情報を有する。



ところで、γ線を同時に検出する、すなわちγ線を同時計数する技術では、γ線を2次元的に検出する2D-PETの他に、近年ではγ線を3次元的に検出する3D-PETが用いられている。かかる3D-PETでは、被検体の近傍に各検出器を大立体角にそれぞれ配設することでγ線の検出効率を高め、検出器の感度を飛躍的に向上させることができる。



γ線を同時計数するには同時計数回路に各γ線を入力して、入力されたγ線の時間差が所定のタイムウィンドウ内に収まっているか否かで判断される。実際の同時計数回路では、10ns~20ns(ns=10-9s)という非常に短いタイムウィンドウ内に検出されたγ線を「同時」とみなしている。したがって、互いに異なる2点で発生したγ線のそれぞれ一方を同時計数する可能性が生じてしまう。これを『偶発同時計数(random coincidence)』という。この偶発同時計数の様子を模式的に示した概略図を図6(a)に示す。一方、一対のγ線の一方あるいは双方が被検体内でコンプトン散乱を起こした後に同時計数された場合、これを『散乱同時計数(scatter coincidence)』という。この散乱同時計数の様子を模式的に示した概略図を図6(b)に示す。図6中の検出器においてハッチングで示した部分は、同時計数した検出器を示す。また、本来であれば一対のγ線の双方が同時計数された場合、これを『真の同時計数(true coincidence)』という。



しかしながら、同時計数の検出器の組の数が増大すると、上述した偶発あるいは散乱同時計数といったノイズ成分も増大する。ノイズ成分が増大すると得られた画像のS/N比が頭打ちになる傾向がある。それについて図7を参照して説明する。図7は、被検体に投与される放射線薬剤の濃度に対する同時計数率の変化を示す計数率特性を模式的に示したグラフである。真の同時計数は放射線薬剤の濃度(図7では『放射能濃度』)に比例するのに対し、偶発同時計数はその濃度の2乗に比例する。したがって、真の同時計数率が頭打ちになる。同時計数率と同じ理由で画像のS/N比が頭打ちになる。このことから、ピークとなるS/N比以外では偶発や散乱同時計数のノイズによって良好なS/N比が得られない。



そこで、真の同時計数の感度を向上させながら、偶発や散乱同時計数といったノイズ成分を低減させる技術が必要である。これらのノイズ成分を低減させる従来技術としては、以下のようなものが挙げられる。



偶発同時計数については上述したタイムウィンドウを狭めることで低減させることができる。また、散乱同時計数についてはエネルギウィンドウを狭めることで低減させることができる(例えば、非特許文献1参照)。



各γ線の検出時間差を利用してγ線の発生源(陽子の消滅位置)を特定して、画像のS/N比を改善するTOF(Time of Flight)方式のPETが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。



また、検出器のコンプトン散乱を利用して、図8に示すように、シンチレータを多層に積層した検出器のエネルギからγ線の入射方向を計算するコンプトンカメラも研究されている(例えば、非特許文献3参照)。
【非特許文献1】
藤林靖久 田口正俊 天野昌治著, 「核医学イメージング装置」,初版,株式会社コロナ社, 2002年4月25日, p.121-122
【非特許文献2】
W. W. Moses, "Time of Flight in PET Revisited", IEEE Trans. Nucl. Sci., vol. 50, pp. 1325-1330, 2003.
【非特許文献3】
J. E. Gillam, T. E. Beveridge, "Positron Emission Imaging Using Acquired Cone-Surfaces from Opposing Compton Cameras", Conf. Rec. NSS & MIC, M3-4

産業上の利用分野


この発明は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数するための放射線同時計数処理方法、放射線同時計数処理プログラムおよび放射線同時計数処理記憶媒体、並びに放射線同時計数装置およびそれを用いた核医学診断装置係り、特に、放射線を同時計数する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数する同時計数工程を含んだ一連の放射線同時計数処理を行う放射線同時計数処理方法であって、(b)シミュレーションを行うために、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線源からの放射線を入射して検出する動作を、入射角度を変えて繰り返して得られたシミュレーション用の出力情報を取得する出力情報取得工程と、(c)取得された前記シミュレーション用の出力情報に基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするようにパターン分けするパターン分け工程と、(A)前記被検体から発生した放射線を同時計数する同時計数工程と、(B)前記パターン分けされたシミュレーション用の出力情報を参照して、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線を入射して検出して得られた入射角度ごとの出力情報でのパターンマッチングに基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするように分離する計数分離工程とを備えていることを特徴とする放射線同時計数処理方法。

【請求項2】
放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数する同時計数工程を含んだ一連の放射線同時計数処理をコンピュータに実行させるための放射線同時計数処理プログラムであって、(b)シミュレーションを行うために、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線源からの放射線を入射して検出する動作を、入射角度を変えて繰り返して得られたシミュレーション用の出力情報を取得する出力情報取得工程と、(c)取得された前記シミュレーション用の出力情報に基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするようにパターン分けするパターン分け工程と、(A)前記被検体から発生した放射線を同時計数する同時計数工程と、(B)前記パターン分けされたシミュレーション用の出力情報を参照して、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線を入射して検出して得られた入射角度ごとの出力情報でのパターンマッチングに基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするように分離する計数分離工程とを含む放射線同時計数処理をコンピュータに実行させることを特徴とする放射線同時計数処理プログラム。

【請求項3】
放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数する同時計数工程を含んだ一連の放射線同時計数処理をコンピュータに実行させるための放射線同時計数処理プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な放射線同時計数処理記憶媒体であって、(b)シミュレーションを行うために、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線源からの放射線を入射して検出する動作を、入射角度を変えて繰り返して得られたシミュレーション用の出力情報を取得する出力情報取得工程と、(c)取得された前記シミュレーション用の出力情報に基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするようにパターン分けするパターン分け工程と、(A)前記被検体から発生した放射線を同時計数する同時計数工程と、(B)前記パターン分けされたシミュレーション用の出力情報を参照して、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線を入射して検出して得られた入射角度ごとの出力情報でのパターンマッチングに基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするように分離する計数分離工程とを含む放射線同時計数処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶することを特徴とする放射線同時計数処理記憶媒体。

【請求項4】
放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数する放射線同時計数装置であって、シミュレーションを行うために、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線源からの放射線を入射して検出する動作を、入射角度を変えて繰り返して得られたシミュレーション用の出力情報に基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするようにパターン分けして記憶する同時計数パターンテーブル用の記憶媒体と、(α)入射された放射線を検出する放射線検出器と、(β)同時検出の対象となる放射線検出器に放射線を入射して検出して得られた入射角度ごとの出力情報を記憶する実際の出力情報記憶手段と、(γ)同時計数パターンテーブル用の記憶媒体に記憶され、前記パターン分けされたシミュレーション用の出力情報を参照して、前記実際の出力情報記憶手段からの出力情報でのパターンマッチングに基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするように分離する演算処理を行う演算手段とを備えることを特徴とする放射線同時計数装置。

【請求項5】
放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線を同時計数する放射線同時計数装置を用いた核医学診断装置であって、シミュレーションを行うために、同時検出の対象となる放射線検出器に放射線源からの放射線を入射して検出する動作を、入射角度を変えて繰り返して得られたシミュレーション用の出力情報に基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするようにパターン分けして記憶する同時計数パターンテーブル用の記憶媒体と、(α)入射された放射線を検出する放射線検出器と、(β)同時検出の対象となる放射線検出器に放射線を入射して検出して得られた入射角度ごとの出力情報を記憶する実際の出力情報記憶手段と、(γ)同時計数パターンテーブル用の記憶媒体に記憶され、前記パターン分けされたシミュレーション用の出力情報を参照して、前記実際の出力情報記憶手段からの出力情報でのパターンマッチングに基づいて、所定の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を真の同時計数に関する情報とし、それ以外の入射角度で同時に検出されたときの出力情報を偶発あるいは散乱同時計数に関する情報とするように分離する演算処理を行う演算手段と、(δ)その演算処置で分離された真の同時計数に関する情報に基づいて画像処理を行う画像処理手段とを備え、その画像処理手段で得られた画像に基づいて核医学診断を行うことを特徴とする核医学診断装置。
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