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放射線入射位置3次元検出器

国内特許コード P07A010023
整理番号 NIRS-87
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願平09-306219
公開番号 特開平11-142523
登録番号 特許第3597979号
出願日 平成9年11月7日(1997.11.7)
公開日 平成11年5月28日(1999.5.28)
登録日 平成16年9月17日(2004.9.17)
発明者
  • 村山 秀雄
  • 石橋 浩之
  • 山下 貴司
  • 内田 博
  • 大村 知秀
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
  • 浜松ホトニクス株式会社
  • 株式会社オキサイド
発明の名称 放射線入射位置3次元検出器
発明の概要 【課題】シンチレータ全体の厚さを厚くしても、発光位置を厚さ方向について特定することのできる3次元位置検出器を提供する。
【解決手段】複数の柱状シンチレータと、複数の柱状シンチレータのそれぞれの底面に接続された受光素子321~324とを有する。複数の柱状シンチレータは、所定の形状の複数のシンチレータセル301、302等を、上下方向に積み上げたものである。複数の柱状シンチレータは、互いの側面が隣り合うように配置され、当該隣合う側面のうち、少なくとも最上段のシンチレータセルの側面の一部は、互いに光を行き来させるために接している。
従来技術、競合技術の概要


陽電子放出断層装置(PET装置)は、陽電子を放出する放射性アイソトープで標識した化合物を予め注入された被検体から放射される放射線を、被検体の外部から検出する装置である。検出結果から放射性アイソトープの被検体内における位置および濃度を示す断層画像を生成し、表示する。ユーザは、この画像を見ることにより、放射性アイソトープで標識された化合物が、被検体内でどこにどれくらいの濃度で存在するかを知ることができる。これを利用して、例えば被検体内の生理的活性の高い場所および濃度を測定することができる。



このようなPET装置は、図5のように、被検体501から放射される放射線を検出するために、被検体501を取り囲むように円筒形に配置された放射線検出器506を用いる。検出器506は、例えばBiGe12結晶等のように、放射線の入射により発光する構成のシンチレータ502と、シンチレータ502の発した光を受光する受光素子503とにより構成される。シンチレータ502は、図5、図6のように円筒形に配置され、各シンチレータ502間には、反射膜が配置され、発光した光が隣接するシンチレータ502に入射するのを防止している。被検体501からの放射線は、互いに逆向きに2光子ずつ同時に放射される性質があるため、受光素子503によりシンチレーション発光が同時に計測された2つのシンチレータを特定することにより、2つのシンチレータを結ぶ線上に、放射線を発する部位511や部位512があることを知ることができる。演算装置504は、同時に発光が計測されたシンチレータの位置データをメモリに記録していき、これらの収集されたデータから数学的手法を用いて、検出器506内の空間内の部位511や部位512の位置を特定し、これを表示装置505に表示させる。



ところが、被検体501の放射線を発する部位が、部位511のように、検出器506(リング)内の空間(視野)の中心に位置する場合には、放射線がシンチレータ502の厚さ方向(以下、深さ方向ともいう)に入射するが、部位512のように、円筒形の中心からずれた位置にあり、かつ図6のような方向に放射線が放出された場合には、放射線が複数のシンチレータ502を斜めに横切ることになる。このように放射線が複数のシンチレータ502を横切った場合、どのシンチレータ502が発光するかは確率によって定まる。したがって、同じ事象が起こった場合(部位512から同じ方向に放射線が放出された場合)でも同じシンチレータ502の対がいつも発光するとは限らず、発光したシンチレータ502を結ぶ線が複数存在することとなり、これらのデータを用いて算出された放射線発生部位はぼけてしまうこととなる。このような原因から、一般的なPET装置は、視野周辺に向かうにしたがって多少ぼけてしまう。(軸方向の解像度が劣化する。)この解像度の劣化を避けるためにシンチレータ502を薄くしてしまうと、放射線がシンチレータ502によって捕らえられる確率が減り、検出器506の感度の劣化を招くという問題が生じる。



特開平6-51069号公報では、シンチレータの深さ方向の発光位置を検出することにより、放射線がどの位置に入射したかを判別し、空間分解能を向上させることが提案されている。具体的には、隣接する2つのシンチレータを一組とし、この2つのシンチレータが接する面の光の透過率を、シンチレータの深さ方向で変化させておき、発せられた光が2つのシンチレータに透過率に応じた割合で分配されるようにしている。そして、2つのシンチレータの底部の受光素子で受光された光の強度比により、発光位置を特定する。この公報では、2つのシンチレータが接する面の透過率を変化させる方法として、面の粗さを変化させる方法が開示されている。



また、特開昭63-47686号公報には、シンチレータを複数のシンチレータセルに分け、複数のセルを、セルとは屈折率の異なる透明板をはさみながら複数段積み上げた構成にすることにより、受光素子まで到達する光の透過率が、複数のシンチレータセルごとに異なるようにし、発光部位がどのセルかを特定することが提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、シンチレーション放射線検出器に関し、特に、陽電子放出断層装置(PET:Positoron Emission Tomography装置)の検出器として用いるのに適した放射線三次元位置検出器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の柱状シンチレータと、
前記複数の柱状シンチレータのそれぞれの底面に接続された受光素子とを有し、
前記複数の柱状シンチレータは、所定の形状の複数のシンチレータセルを、上下方向に積み上げたものであり、
前記複数の柱状シンチレータは、互いの側面が隣り合うように配置され、当該隣合う側面のうち、少なくとも最上段のシンチレータセルの側面の一部は、互いに光を行き来させるために接しており、
前記積み上げられたシンチレータセルとシンチレータセルとは直接接触しており、その間に生じる隙は、屈折率が一様な物質で満たされており、
前記物質は、空気、または、前記シンチレータセルの発する光に対して透明な光学結合材であること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項2】
複数の柱状シンチレータと、
前記複数の柱状シンチレータのそれぞれの底面に接続された受光素子とを有し、
前記複数の柱状シンチレータは、所定の形状の複数のシンチレータセルを、上下方向に積み上げたものであり、
前記複数の柱状シンチレータは、互いの側面が隣り合うように配置され、当該隣合う側面のうち、少なくとも最上段のシンチレータセルの側面の一部は、互いに光を行き来させるために直接接触しており、の間に生じる隙が、屈折率が一様な物質で満たされており、
前記物質は、空気、または、前記シンチレータセルの発する光に対して透明な光学結合材であること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項3】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記複数の柱状シンチレータは、前記積み上げられたシンチレータセルとシンチレータセルとの境界を上下方向に通過して前記受光素子と前記最上段のシンチレータセルとを結ぶ光の経路を有し、前記光の経路は、隣り合う前記柱状シンチレータの光の経路と、前記最上段のシンチレータセルの側面の前記互いに接する部分によって接続されていること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項4】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記シンチレータセルは、放射線の入射によって光を発する材料の単結晶を所定の形状に切り出したものであること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項5】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、
前記複数の柱状シンチレータは、発光した光の一部を透過し、残りの部分を反射する光学的境界面によって、上下方向に複数のシンチレータセルに区切られていること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項6】
請求項5に記載の放射線入射位置3次元検出器において、
前記柱状シンチレータは、放射線の入射によって光を発する材料の単結晶からなり、前記光学的境界面は、前記単結晶の不連続面であること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項7】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記側面のうち互いに接している部分は、周囲よりも粗面に加工されていること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項8】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記複数の柱状シンチレータが互いに隣り合う側面の間には、前記接する部分を除いて、前記シンチレータセルが発する光を反射する反射膜が配置されていること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項9】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記互いの側面が隣り合うように配置された前記複数の柱状シンチレータは、外周面が、前記シンチレータセルが発する光を反射する反射膜で覆われていること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項10】
請求項1または2に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記柱状シンチレータは4本であり、前記シンチレータセルは、直方体形状であり、前記4本の柱状シンチレータは、前記シンチレータセルが、各段において2行2列になるように隣接されていること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項11】
請求項10に記載の放射線入射位置3次元検出器において、前記4つの柱状シンチレータの前記受光素子の出力をA,B,C,Dとした場合、
x=((A+B)-(C+D))/(A+B+C+D)
y=((A+C)-(B+D))/(A+B+C+D)
を求め、求めた(x,y)に対応するシンチレータセルを、予め求めておいた前記(x,y)と各シンチレータセルとの対応を示すテーブルから求めることにより、発光したシンチレータセルを特定する演算手段を有すること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項12】
複数の柱状シンチレータと、前記複数の柱状シンチレータのそれぞれの底面に接続された受光素子とを有し、
前記複数の柱状シンチレータは、それぞれ所定の形状の複数のシンチレータセルを、上下方向に積み上げたものであり、
前記複数の柱状シンチレータは、互いの側面が隣り合うように配置され、当該隣り合うように配置された前記複数の柱状シンチレータの上部には、前記複数の柱状シンチレータを光学的に連結するために、一つの連結用シンチレータセルが搭載され、
前記連結用シンチレータセルには、前記複数の柱状シンチレータの互いに隣り合う側面に沿って、上面側または下面側から溝が形成され、
前記積み上げられたシンチレータセルとシンチレータセルとは直接接触しており、その間に生じる隙は、屈折率が一様な物質で満たされており、
前記物質は、空気、または、前記シンチレータセルの発する光に対して透明な光学結合材であること
を特徴とする放射線入射位置3次元検出器。

【請求項13】
円筒形に配置された請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線入射位置3次元検出装置を有する放射線検出器と、前記円筒形の放射線検出器の内側の空間に被検体を配置するための被検体保持部と、前記放射線検出器の出力から放射線の放出部位の位置を特定し、前記空間内の前記放出部位の位置を示す画像を生成する演算装置と、前記画像を表示するための表示装置とを有すること
を特徴とする陽電子放出断層装置。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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