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希ガス回収方法

国内特許コード P07A010032
整理番号 NIRS-107
掲載日 2007年6月1日
出願番号 特願平11-248189
公開番号 特開2001-074885
登録番号 特許第3491276号
出願日 平成11年9月2日(1999.9.2)
公開日 平成13年3月23日(2001.3.23)
登録日 平成15年11月14日(2003.11.14)
発明者
  • 小泉 彰
  • 山田 裕司
  • 下 道國
  • 蓼沼 克嘉
  • 野口 恒行
  • 戸祭 智
  • 石川 幸治
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 希ガス回収方法
発明の概要 【課題】 吸着材等の捕集効率を向上させ、しかも水分の影響を受けず、捕集施設の規模をコンパクト化する。
【解決手段】 希ガスを活性なハロゲン元素と反応させて希ガスハロゲン化合物とし、この希ガスハロゲン化合物を吸着材で捕集し、希ガスを回収する。例えば、フッ素含有ガスを希ガスとを混合させ放電励起することによって生成する励起状態の希ガス元素と活性なフッ素元素とを反応させて希ガスフッ素化合物を得る。生成した希ガスハロゲン化合物を捕集は、活性炭、ゼオライト、その他無機性及び有機性多孔質物質の何れかの吸着材を有するガスフィルタを用い、この吸着材に希ガスハロゲン化合物を吸着する。
従来技術、競合技術の概要


従来における希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn)の捕集手段は、活性炭やゼオライト等の多孔質吸着材を用いる吸着法が一般的であり、しかも吸着効率を向上させるためにその吸着材を低温にする場合が多い。しかし、水分等の凝縮性成分を含む大気中の希ガスを低温吸着方式で捕集する際に、その水分が吸着材の表面多孔質部分に目詰まりしてしまい、目的の希ガスの吸着効率が極端に低下する。そのため、大気中の希ガスを効率よく捕集する場合は、まず含まれる水分を予め除去する必要がある。
また、処理ガス量が非常に多くその処理ガス全体を低温化することが不可能な場合は、吸着材量を多くして吸着効率を稼ぐ方法が取られている。なお、活性炭やゼオライト等の多孔質吸着材中に捕集された希ガスは、低温下に保っていても連続的に流れてくる空気によって徐々に押し出されてしまう。これらのように、従来の希ガス資源の回収性の点で問題があった。
さらに、原子力発電所や核燃料再処理工場あるいは原子力関連の研究所等の原子力施設、あるいは放射線診断や治療を行う病院及び核医学施設から放出される放射性希ガス(222Rn、220Rn、133Xe、85m88Kr)の捕集除去の場合は、深刻な問題を抱えている。それは、上記の放射性物質取扱い施設から外部の一般環境へ放射性物質を放出する濃度等の限度が法令で厳しく規制されているためである。
これらの施設の場合でも上記と同様に活性炭やゼオライト等の多孔質吸着材を用いる吸着法に頼っているため、前記した水分の問題が避けることができない。そのため、放射性希ガスの吸着効率を向上させる場合の除去処理設備は排ガスの低温化施設が必要となるため、一般に膨大な施設規模になる。
なお、原子力発電所から発生する放射性希ガスの中で、強い放射線を有する短半減期の放射性Xe及びKr(133Xe, 85m88Kr)の捕集除去は、希ガスホールドアップ施設としての現有設備で一応可能となっている。これらの放射性Xe及びKrは、生成量が多いが短半減期であるため、それらの半減期と処理ガス量に見合った希ガスのホールドアップ時間をまかなう吸着材量によって処理している。
しかし、放射性希ガスの中で85Krの場合は、現実的な捕集方法が無いにも係わらずその生成量が少なく外部放出放射能としては問題視されることは少ないが、その半減期が10.7年と長いため、この現有設備では一旦捕集されても吸着材を徐々に通過してしまい、それが減衰する期間捕集しておくことは不可能なため、そのほとんどを外気大気に放出しているのが現状である。
以上のように、これまでの希ガスの捕集法としては、多孔質吸着材による回収方法に頼っていたため、施設規模が大きく、水分の影響を受けやすいため捕集効率が低く、放射性施設において放射性希ガスのトラップが不完全であること、施設の設置や運転に掛かる経費が大きいこと、それらの理由により資源としての希ガスの価格が高いなどの面で問題が多かった。

産業上の利用分野


本発明は、希ガスの資源としての回収や、放射性希ガスの除去を目的とする回収に関し、従来の低温吸着法に頼っていた希ガスの回収方法に代えて、希ガスをハロゲン元素と化学反応させ希ガスハロゲン化合物とし、これを捕集して回収する希ガス回収方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
フッ素含有ガスを希ガスに混合させ放電励起することによって生成する励起状態の希ガス元素と活性なフッ素元素とを反応させて希ガスハロゲン化合物とし、この生成した希ガスハロゲン化合物を捕集することによって希ガスを回収することを特徴とする希ガス回収方法。

【請求項2】
ハロゲン元素がフッ素であることを特徴とする請求項1に記載の希ガス回収方法。

【請求項3】
フッ素が三塩化フッ素ClF3 、五フッ化臭素BrF5 、七フッ化ヨウ素IF7 の何れかのフッ素化剤の形態で存在し、このフッ素化剤を直接希ガスに反応させて希ガスフッ素化合物を得ることを特徴とする請求項2に記載の希ガス回収方法。

【請求項4】
フッ素が四フッ化炭素CF4 、四フッ化炭素と酸素の混合ガスCF4+O2、六フッ化硫黄SF6 、三フッ化窒素NF3 の何れかのフッ素含有ガスで存在し、このフッ素含有ガスを希ガスに混合させ放電励起することによって生成する励起状態の希ガス元素と活性なフッ素元素とを反応させて希ガスフッ素化合物を得ることを特徴とする請求項2または3に記載の希ガス回収方法。

【請求項5】
放電励起手段が無声放電、誘電体バリア放電、高電圧極短パルス放電、強誘電体充填型部分放電、沿面放電、コロナ放電若しくはこれらを組み合わせたハイブリッド放電の何れかによる大気圧状態でプラズマが発生できる手段、或いは平行平板型直流あるいは交流放電、高周波放電、電子サイクロトロン共鳴放電の何れかによる減圧状態でプラズマが発生できる手段の何れかであることを特徴とする請求項4に記載の希ガス回収方法。

【請求項6】
放電部にフッ素化リチウムLiF、フッ素化ナトリウムNaF、フッ素化カリウムKF、フッ素化セシウムCsF、フッ素化カルシウムCaF2、フッ素化アルミニウムAlF3、フッ素化マグネシウムMgF2、或いはこれら何れかのフッ素化物とセラミックスとの混合物を用いることにより、放電処理においてフッ素含有ガスを混合させずに希ガスのフッ素化合物を生成させることを特徴とする請求項4または5に記載の希ガス回収方法。

【請求項7】
放射性希ガスとして放射性キセノンガスと放射性クリプトンガスの何れかを活性なフッ素原子と反応させて放射性キセノンガス及び放射性クリプトンガスのフッ素化合物を生成することを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の希ガス回収方法。

【請求項8】
活性炭、ゼオライト、その他無機性及び有機性多孔質物質の何れかを有するガスフィルタを用い、生成した希ガスハロゲン化合物を前記吸着材に吸着させて捕集することを特長とする請求項1~7の何れかに記載の希ガス回収方法。

【請求項9】
希ガスのハロゲン化合物を捕集した吸着材から希ガスのハロゲン化合物を再放出させ、この希ガスのハロゲン化合物を水と反応させる手段、希ガスのハロゲン化合物を熱解離させる手段、希ガスのハロゲン化合物をアルカリと反応させる手段の何れかにより、希ガスハロゲン化合物の希ガスとハロゲンの結合を解離して希ガスのみ回収することを特徴とする請求項8に記載の希ガス回収方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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