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スピン記録方法および装置

国内特許コード P07P005496
整理番号 P2005-216/L18-H40
掲載日 2007年7月19日
出願番号 特願2005-380347
公開番号 特開2007-179710
登録番号 特許第4830107号
出願日 平成17年12月28日(2005.12.28)
公開日 平成19年7月12日(2007.7.12)
登録日 平成23年9月30日(2011.9.30)
発明者
  • 武笠 幸一
  • 廣田 榮一
  • 細井 浩貴
  • 末岡 和久
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 スピン記録方法および装置
発明の概要

【課題】原子・分子スケールの安定したビットを形成して、記録密度を大幅に向上すること。
【解決手段】奇数個の電子を持つ原子(イオン)では、全スピン量子数Sは必ず半奇数であり、スピンハミルトニアンは、磁場のないとき、クラマースの二重項が残り、±Sは同じエネルギー状態にある。ハミルトニアンの時間反転対称性から磁場とスピン磁気モーメントを同時に反転すればエネルギーは変わらないため、極低温でスピンの最低エネルギー準位にクラマースの二重項が残る常磁性物質では、最低エネルギー準位のスピンを磁場で反転することにより±Sの選択が可能となり、磁場のない状態で記録を行うことができる。本技術は、このようなクラマース二重項を持つ孤立スピンを利用して、情報(信号)を記録する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


今日、情報記録デバイスとしては、磁化の向きにより情報を記録する磁気記録デバイスが一般的である。磁気記録の方式には、記録媒体の磁化方向が磁気ヘッドの走行方向に平行な長手記録方式と、磁気ヘッドの走行方向に垂直な垂直記録方式とがある。



長手記録方式は、従来、一般的な磁気記録方式であるが、技術の多年にわたる蓄積と向上によって記録密度は限界に近づいていると言われている。



一方、垂直記録方式は、最近実用化されつつある磁気記録方式であり、記録密度の増大に伴いビットの安定性が増すため、高密度記録に有利であると期待されている(非特許文献1)。垂直記録方式は、隣接する記録ビット同士に吸引力が働くため、長手記録方式に比べ高密度で安定な磁化が得られるという特長があり、現在、記録媒体としては、高密度記録が可能なCo-Cr合金系媒体と、熱安定性が高い非晶質媒体とが開発されている。

【非特許文献1】竹野入俊司、酒井泰志、榎本一雄、及川忠明、渡辺貞幸、上住洋之、島津武仁、村岡裕明、中村慶及、「CoPtCr-SiO2グラニュラー垂直磁気記録媒体」、日本応用磁気学会誌 Vol. 27, No. 9, 2003

産業上の利用分野


本発明は、孤立スピンを利用したスピン記録方法および装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
奇数個の電子を持つ原子またはイオンを有するとともに、物質表面の隣接するスピンと相互作用を持たない孤立スピンがクラマースの二重項により形成された断熱消磁作業物質に対して、外部磁場により前記クラマースの二重項の縮退を解いて前記孤立スピンが磁気モーメントを持つようにし、前記孤立スピンの磁気モーメントを利用して情報を書き込みまたは読み出す、スピン記録方法。

【請求項2】
前記断熱消磁作業物質は、ミョウバン類またはタットン塩である、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項3】
前記断熱消磁作業物質は、FeNH(SO)・12HO、CrK(SO)・12HO、CrRb(SO)・12HO、Cr(NHCH)(SO)・12HO、Gd(SO)・8HO、Mn(NH)(SO)・6HO、Co(NH)(SO)・6HO、CuK(SO)・6HO、CoSiF・6HO、CuSiF・6HO、MnSiF・6HO、CeMg(NO)・24HOからなる群から選ばれる、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項4】
前記断熱消磁作業物質は、微細構造定数が負である一軸異方性の結晶物質である、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項5】
前記断熱消磁作業物質は、KNi(SO)・6HO、(NH)Ni(SO)・6HOからなる群から選ばれる、請求項4記載のスピン記録方法。

【請求項6】
前記孤立スピンの磁気モーメントと相互作用を行うプローブを用いて、前記孤立スピンを反転させない程度の相互作用を検出することにより、情報の読み出しを行う、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項7】
基板上に配列された読み出し対象の孤立スピンに対して磁気プローブを所定の位置に接近させたときの、前記磁気プローブと前記読み出し対象の孤立スピンの磁気モーメントとの相互作用を測定し、測定した相互作用に基づいて前記孤立スピンの磁気モーメントの向きを検出することにより、情報の読み出しを行う、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項8】
前記孤立スピンの磁気モーメントと相互作用を行うプローブを用いて、前記孤立スピンの磁気モーメントを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項9】
基板上に配列された書き込み対象の孤立スピンに対して磁気プローブを所定の読み出し位置よりもさらに前記基板に近い所定の書き込み位置に接近させ、前記磁気プローブと前記書き込み対象の孤立スピンの磁気モーメントとの相互作用により前記書き込み対象の孤立スピンの磁気モーメントの向きを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項10】
前記孤立スピンの近傍に電流を流して外部磁場を形成することにより、前記孤立スピンを反転させる、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項11】
メモリ本体を構成する基板上の各孤立スピンを互いに交差するナノワイヤの交差部分に配置し、前記基板上の書き込み対象の孤立スピンに対応するナノワイヤに電流を流して前記書き込み対象の孤立スピンの近傍に外部磁場を形成して前記書き込み対象の孤立スピンを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1記載のスピン記録方法。

【請求項12】
奇数個の電子を持つ原子またはイオンを有するとともに、物質表面の隣接するスピンと相互作用を持たない孤立スピンがクラマースの二重項により形成された断熱消磁作業物質と、
前記断熱消磁作業物質に対して、外部磁場により前記クラマースの二重項の縮退を解いて前記孤立スピンが磁気モーメントを持つようにし、情報を前記孤立スピンの磁気モーメントを利用して書き込みまたは読み出す手段と、
を有するスピン記録装置。
産業区分
  • 電子応用機器
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005380347thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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